最大勾配が17%に達する2級山岳ロンコーネにフィニッシュするジロ・デル・トレンティーノ(UCI2.HC)第3ステージで、リーダージャージを着るカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)がアタック。ライバルたちを振り切る走りでステージ優勝を飾った。



美しいトレンティーノ州の山岳地帯を進む美しいトレンティーノ州の山岳地帯を進む photo:Riccardo Scanferla


ジロ・デル・トレンティーノ2014第3ステージジロ・デル・トレンティーノ2014第3ステージ image:www.girodeltrentino.comジロ・デル・トレンティーノ第3ステージはモーリからロンコーネに至る184.4km。ガルダ湖の北に広がる山岳地帯が舞台で、前半から2級山岳と1級山岳を越え、最後は2級山岳ロンコーネにアタック。2級山岳ロンコーネの登坂距離は2.5kmほどだが、平均勾配11%・最大勾配17%という急勾配の登りであり、標高1056mにフィニッシュラインが引かれている。

選手と意見を交わしながらバイクを調整する大西恵太メカニック選手と意見を交わしながらバイクを調整する大西恵太メカニック photo:Riccardo Scanferlaダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)やダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)、ヨナタン・モンサルベ(ベネズエラ、ネーリソットリ)を含む強力な12名の逃げグループが形成されたが、BMCレーシングによる徹底的な集団コントロールによってタイム差は広がらず。

逃げグループに入ったダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)逃げグループに入ったダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ) photo:Riccardo ScanferlaAG2Rラモンディアールやアスタナ、ランプレ・メリダの協力によって逃げのリードは縮まり続け、最後の2級山岳ロンコーネの麓で遂に逃げは吸収。急勾配の登りで、総合上位陣による闘いが始まった。

メイン集団を牽引するダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)メイン集団を牽引するダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング) photo:Riccardo Scanferlaチームスカイのペースアップによって人数を減らした集団から、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)とカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)、フランチェスコ・ボンジョルノ(イタリア、バルディアーニCSF)、ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)、ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)が先行する。

登り後半に差し掛かり、勾配が増すと先頭はポッツォヴィーヴォとエヴァンスの2人に。リーダージャージを着るエヴァンスがポッツォヴィーヴォを振り切り、独走でフィニッシュラインを駆け抜けた。

「今日はチームメイトたちを信頼して最後の登りまで彼らのコントロールを任せた。コーラー、オス、モラビート、ブックウォルター、ランデル、ツァベルは皆素晴らしかったよ。彼らに引き上げられて、良いポジションで勝負に挑めた。忍耐強く努力し続けた結果だ」と語るエヴァンスが、ツアー・ダウンアンダーのステージ優勝に続く今シーズン2勝目。37歳のオージーがジロ・デ・イタリアに向けて好調ぶりをアピールした。

エヴァンスは総合リードを広げることに成功しており、ポッツォヴィーヴォから45秒、ティアゴ・マシャド(ポルトガル、ネットアップ・エンデューラ)から59秒の総合リードをもって最終日に挑むことに。最終日は超級山岳モンテ・ボンドーネにフィニッシュするクイーンステージが設定されている。

選手コメントはレース公式サイトならびにBMCレーシング公式サイトより。



リーダージャージを着て走るカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)リーダージャージを着て走るカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Riccardo Scanferlaライバルたちを引き離してフィニッシュするカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)ライバルたちを引き離してフィニッシュするカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Riccardo Scanferla



ジロ・デル・トレンティーノ2014第3ステージ結果
1位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
2位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
3位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
4位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
5位 イゴール・アントン(スペイン、モビスター)
6位 フランチェスコ・ボンジョルノ(イタリア、バルディアーニCSF)
7位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
8位 オマール・フライレ(スペイン、カハルーラル)
9位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、ネットアップ・エンデューラ)
10位 ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)
4h43'43"
+03"
+09"
+18"
+20"
+25"


+27"
+28"


個人総合成績
1位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
2位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、ネットアップ・エンデューラ)
4位 イゴール・アントン(スペイン、モビスター)
5位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
6位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
7位 ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)
8位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
10位 フランチェスコ・ボンジョルノ(イタリア、バルディアーニCSF)
9h23'43"
+45"
+59"
+1'01"



+1'04"
+1'06"
+1'32"


山岳賞
ヨナタン・モンサルベ(ベネズエラ、ネーリソットリ)

ヤングライダー賞
ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

チーム総合成績
アスタナ

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla

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