1月のツアー・ダウンアンダー前哨戦ピープルズチョイスクラシックで落車し、右脛骨を複雑骨折したジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)は、現在イタリアでリハビリ中。ガゼッタ紙によると、ヴィスコンティは5月のジロ・デ・イタリア出場に向けて辛い時期を過ごしている。



救急車で搬送されるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)救急車で搬送されるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) photo:Kei Tsuji


ヴィスコンティの2014年シーズンは開始18kmで一時停止中だ。ピープルズチョイスクラシックの中盤に落車し、沿道のフェンスに激しく衝突したヴィスコンティ。右脚の脛骨(膝から足首までの長骨)を複雑骨折したヴィスコンティは、そのままアデレードの病院で手術を受けた。

2013年ジロ・デ・イタリアのガリビエ山頂フィニッシュを制したジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)2013年ジロ・デ・イタリアのガリビエ山頂フィニッシュを制したジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) photo:Riccardo Scanferla「落車のあと1週間ずっと入院していたけど、幸いチームメイトやチームスタッフがよく顔を出してくれていた。退院後、帰国のフライトがとにかくきつかった。腫れ上がった脚での長時間のフライトは堪えたよ」と、イタリアのラジオ番組"ウルティモキロメトロ"に出演したヴィスコンティはそう語る。

2013年ジロ・デ・イタリアで2勝目を飾ったジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)2013年ジロ・デ・イタリアで2勝目を飾ったジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) photo:Kei Tsuji「でも今回の落車でキャリアが終わったわけじゃない。昨年のジロ・デ・イタリアで飾ったステージ2勝が、自分の殻を破ってくれた。ジロの後は運に見放されたけどね」と語るヴィスコンティ。2013年の最終戦イル・ロンバルディアでも落車したヴィスコンティは、骨折こそ免れたものの、血腫によって入院を強いられている。苦しいオフシーズンを終えて挑んだシーズン初戦で再び悲劇に見舞われた。

「今はトレーニングセンターに通い、レース復帰に向けてリハビリしているところ。ここ数日はトレーニングの強度を上げている。と言ってもバイクで外を走っているのではなく、トレーニングジムで数時間汗を流し、プールで泳ぎ、ローラー台に乗っているんだ」。

ヴィスコンティは現在ジロ・デ・イタリア出場に照準を合わす。しかし、チームの戦略的に、ヴィスコンティのメンバー入りは確定的ではない。「レーススケジュールを見直して、3月下旬にはレースに復帰したい。でもジロ出場が可能かどうかは分からない。モビスターはキンタナでジロ制覇を狙っているので、彼をアシストするトップコンディションの選手が必要なんだ」。

ジロ後は、過去に3回(2007年、2010年、2011年)優勝しているイタリア選手権が待つ。「いずれにしても、愛して止まないマリアトリコローレ(イタリアチャンピオンジャージ)は必ず獲りたいと思う」。シーズンの出ばなをくじかれたヴィスコンティは早期復帰に向けて奮闘中だ。

text:Kei Tsuji

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