2014/04/18(金) - 12:19
ロングセラーを続けてきたS2も、満を持してフルモデルチェンジを果たした。そのフォルムはNEW S3のテクノロジーを受け継ぐスタイリッシュなエアロ形状となり、前世代を凌ぐスペックを実現している。
S3がプロユースのエアロロードとするならば、このNEW S2はアマチュアレーサーのために用意された、マキシマムなパフォーマンス・エアロロードと位置づけることができる。完全に新しいフレームとフォークは、洗練されたエアロゾーンによるエアロダイナミクス性能に加え、剛性も高まっている。
優れた反応性とステアリング性能のためにヘッドチューブは最適化された。S3と同じくテーパードヘッドチューブを用いることで、前世代S2よりも32%の剛性アップを実現。下側のベアリングサイズは一般的なテーパードヘッドのサイズよりもさらに大口径な、1-3/8″サイズを用いている。さらに新型フォークのFK40はヘッドチューブの大口径化に伴いステアリングコラムも増強し、これまでのフォークよりもパワフルなイメージになった。
ダウンチューブとシートチューブの形状は空気の流れを滑らかにする。またボトル取り付け位置も空気の抗力をできるだけ小さくするための配置方法がとられる。BBはもちろん独自規格のBBrightを採用。結果、前世代よりも20%もBB付近の剛性が上がっている。
トレンドにも敏感で、タイヤクリアランスは700×25Cサイズも余裕をもって収めることができる。シートチューブの大胆なカットアウトもタイヤクリアランスを考慮した上で設計されている。しかもリアホイール周辺の整流効果は失っておらず、エアロロードとしてのパフォーマンスに加えて、太めのタイヤの恩恵に授かることができる。
細身のバックステーもNEW S3同様に、プロジェクトカリフォルニア“Rca”のテクノロジーを用いた、シンナー・シートステーを構築。クラストップレベルの快適性と、路面追従性を提供するだろう。NEW S3とフォルムの差はほとんどないものの、カーボン素材や製法を調整することで、リーズナブルな価格を実現することができた。入門用バイクとしてはやや高価ではあるが、これほどまでにエレガントなバイクは、数多くは存在しえないだろう。
ロスになるようなたわみはほとんど感じず、クランクからリアホイールへダイレクトにパワーが伝わっているようだ。剛性はボトムブラケット部を中心に高めの印象。リアセクションもしなりを感じず好印象だ。
フレーム剛性を姉妹モデルと比較して例えるならS3の95%で、振動吸収性はS3の105%といったイメージもあった。やや荒れたアスファルト路面の上りで、リアホイールが跳ねてしまうだろうと思われるような場面でも、しっかりと路面に接地して上ってくれた。とはいえコンフォートバイクのような快適性重視ではなく、あくまでもレーシングバイクとしての範疇である、ということを付け加えたい。
レーシングバイクとしての性能は高いといえる。ハンドリングはテーパードヘッドと新型フォークによって十分なレベルに達している。キレが良く、上位モデルのS3よりも旋回性能は軽く感じた。
完成車販売のみというスタイルで、コンポーネントはシマノ・105をメインにアッセンブルされているが、エントリーグレードということを忘れさせるような走りを味わえた。ホイールのイメージも同様で、ポテンシャル以上の走りだったといっても過言ではない。エアロ効果も期待できるだろう。なにしろ風洞実験や CFDなどサーヴェロが得意とする測定方法によって徹底的に解析された上で、実現した形状なのだから期待してよいだろう。高速スピードコースで強力な味方となってくれるはずだ。
重量はS3よりもわずかに重いだろうが、剛性感も同様のレベルで、走りの質はほとんど差がないだろう。“空を飛ぶわけじゃないから重量なんて関係がない”とお考えの方なら、このバイクとの相性は抜群だ。重量のハンディなど、この余りある運動性能が補ってくれるので心配はいらない。ずばり、レースにもこのままの状態で投入できるほどハイスペックだった。エントリーモデルのアッセンブルだからといって侮ることができないバイクだ。
その優れた運動性能によって、ホビーレースから登録レースまでこなすことができると断言できる。700×25Cサイズのタイヤを搭載できるタイヤクリアランスが、用途の幅を広げてくれるので、エアロに特化した形状ながら、サイクリングイベントにも使いやすいといえる。
S2ならレーシーにも使えるし、ライトなサイクリングイベントでもその性能を楽しめる。エアロロードという実に前衛的なスタイルながらも、乗りこなしやすいように仕上がっている。Sシリーズの末弟ながらもサーヴェロのエアロダイナミクスの真髄を感じることができるバイク。
R3と共通のフレームを採用。フォークの差異でコストパフォーマンスを高める
S3がプロユースのエアロロードとするならば、このNEW S2はアマチュアレーサーのために用意された、マキシマムなパフォーマンス・エアロロードと位置づけることができる。完全に新しいフレームとフォークは、洗練されたエアロゾーンによるエアロダイナミクス性能に加え、剛性も高まっている。
優れた反応性とステアリング性能のためにヘッドチューブは最適化された。S3と同じくテーパードヘッドチューブを用いることで、前世代S2よりも32%の剛性アップを実現。下側のベアリングサイズは一般的なテーパードヘッドのサイズよりもさらに大口径な、1-3/8″サイズを用いている。さらに新型フォークのFK40はヘッドチューブの大口径化に伴いステアリングコラムも増強し、これまでのフォークよりもパワフルなイメージになった。
ダウンチューブとシートチューブの形状は空気の流れを滑らかにする。またボトル取り付け位置も空気の抗力をできるだけ小さくするための配置方法がとられる。BBはもちろん独自規格のBBrightを採用。結果、前世代よりも20%もBB付近の剛性が上がっている。
トレンドにも敏感で、タイヤクリアランスは700×25Cサイズも余裕をもって収めることができる。シートチューブの大胆なカットアウトもタイヤクリアランスを考慮した上で設計されている。しかもリアホイール周辺の整流効果は失っておらず、エアロロードとしてのパフォーマンスに加えて、太めのタイヤの恩恵に授かることができる。
細身のバックステーもNEW S3同様に、プロジェクトカリフォルニア“Rca”のテクノロジーを用いた、シンナー・シートステーを構築。クラストップレベルの快適性と、路面追従性を提供するだろう。NEW S3とフォルムの差はほとんどないものの、カーボン素材や製法を調整することで、リーズナブルな価格を実現することができた。入門用バイクとしてはやや高価ではあるが、これほどまでにエレガントなバイクは、数多くは存在しえないだろう。
インプレッション
「NEW S3の運動性能に近いハイパフォーマンスバイク」
フレームの外観はNEW S3と同様ながら、カーボンフォークのみやや細身のオリジナルフォークを用いたNEW S2。そのたくましいフレームワークはチューブに張りをもたせていて、剛性面に良好な作用を生み出し、実に軽く走ってくれた。踏力はスムースに推進力へ変換され、スピードのノリがよい。踏めば踏んだだけ加速感を楽しめる。ロスになるようなたわみはほとんど感じず、クランクからリアホイールへダイレクトにパワーが伝わっているようだ。剛性はボトムブラケット部を中心に高めの印象。リアセクションもしなりを感じず好印象だ。
フレーム剛性を姉妹モデルと比較して例えるならS3の95%で、振動吸収性はS3の105%といったイメージもあった。やや荒れたアスファルト路面の上りで、リアホイールが跳ねてしまうだろうと思われるような場面でも、しっかりと路面に接地して上ってくれた。とはいえコンフォートバイクのような快適性重視ではなく、あくまでもレーシングバイクとしての範疇である、ということを付け加えたい。
レーシングバイクとしての性能は高いといえる。ハンドリングはテーパードヘッドと新型フォークによって十分なレベルに達している。キレが良く、上位モデルのS3よりも旋回性能は軽く感じた。
完成車販売のみというスタイルで、コンポーネントはシマノ・105をメインにアッセンブルされているが、エントリーグレードということを忘れさせるような走りを味わえた。ホイールのイメージも同様で、ポテンシャル以上の走りだったといっても過言ではない。エアロ効果も期待できるだろう。なにしろ風洞実験や CFDなどサーヴェロが得意とする測定方法によって徹底的に解析された上で、実現した形状なのだから期待してよいだろう。高速スピードコースで強力な味方となってくれるはずだ。
重量はS3よりもわずかに重いだろうが、剛性感も同様のレベルで、走りの質はほとんど差がないだろう。“空を飛ぶわけじゃないから重量なんて関係がない”とお考えの方なら、このバイクとの相性は抜群だ。重量のハンディなど、この余りある運動性能が補ってくれるので心配はいらない。ずばり、レースにもこのままの状態で投入できるほどハイスペックだった。エントリーモデルのアッセンブルだからといって侮ることができないバイクだ。
その優れた運動性能によって、ホビーレースから登録レースまでこなすことができると断言できる。700×25Cサイズのタイヤを搭載できるタイヤクリアランスが、用途の幅を広げてくれるので、エアロに特化した形状ながら、サイクリングイベントにも使いやすいといえる。
S2ならレーシーにも使えるし、ライトなサイクリングイベントでもその性能を楽しめる。エアロロードという実に前衛的なスタイルながらも、乗りこなしやすいように仕上がっている。Sシリーズの末弟ながらもサーヴェロのエアロダイナミクスの真髄を感じることができるバイク。
提供:東商会 text:山本健一、シクロワイアード編集部