2014/04/18(金) - 12:19
Sシリーズのニューカマー、S3はまったく新しいエアロロードバイクである。上級モデルのS5のようなタイムトライアルバイク然としたスタイルではなく、ロードバイクに近いフォルムを用いていることが特徴だ。
S5の次点に当たるモデルだが、2014年シーズン序盤からガーミン・シャープのデーヴィッド・ミラーらによって使用されている。サーヴェロのバイクはすべてがハイエンドモデル、といわれる所以だ。
しかしながら形状設計は、これまで培った経験値を惜しむことなく取り入れた最新のテクノロジーだろう。これだけのボリュームのあるフレームワークに対して1000gという重量を実現したことがその証明のひとつだ。この重量はエアロロードとしてはかなり軽量である。
いかにも流線型というフレーム形状は上位モデルやPシリーズから受け継いだもの。加えてフォークのボリュームやオリジナルエアロシートポストの改良が認められる。これまでSシリーズでは導入を見送っていたテーパードヘッドを初めて採用しているのも新しい。上側1-1/8″、下側を1-3/8″としており、このベアリングサイズはサーヴェロのリサーチによって導き出されたもので、最適なハンドリング性能をライダーに提供する。
これまではエアロに特化したフォークブレードを用いてきたが、新型FK42フォークは、ボリュームをアップし、これまでよりも横剛性を16%アップさせている。さらにタイヤクリアランスを広く設けているのも特徴だろう。
同様にシートチューブのカットアウトの設計も刷新され、エアロフロー効果を損なわず、700×25Cサイズのタイヤが十分に装着できるまでクリアランスを拡張している。昨今の太めのタイヤブームにもレスポンス良く対応し、トレンドにも敏感であることがわかる。
迫力のある極太ダウンチューブは大きく縦方向に扁平した翼状断面形状を用いている。これがエアロ効果と高い剛性を導き出す。このダウンチューブにはケーブルが内蔵できる。姉妹モデル同様にICS(インターナル・ケーブル・ストップ)を用いることで軽量化に貢献し、機械式、電動式問わずケーブルを内蔵することができ、容易なメンテナンスも実現している。
またRcaで培った技術であるウルトラ・シン・シートステーをS3は導入した。結果、空力が改善されクラストップの路面追従性を兼ね備えている。独自規格のBBrightももちろん導入し、エアロフレームながらも無理なく高い横剛性を保つ。メンテナンス性も容易なのもうれしい。また、一般的なクランクセットもオプションのBBを用いれば使用可能だ。
かつてカンチェラーラやフースホフトらが駆り、世界選手権をはじめとして多くの勝利を獲得した往年の“S3”のDNAを漂わせ、素性のよさをうかがわせるNEW S3。サーヴェロとしては価格も手が届きやすい設定だけに、注目のレーシングバイクといえるだろう。
ボリュームのあるフレーム形状ながらも、フレームは1000gと軽量に仕上がっている。チューブの肉厚も部分的に薄い箇所もあり、カーボンレイアップの配置も緻密に行なわれ、適材適所に肉厚が調整されているのがわかる。
ボリュームのあるフォークのクラウンやブレードもパワフルで頼りがいがある。Sシリーズとしては、はじめてテーパードヘッドを導入したが、これまでのフォークよりもパワフルな印象をうける。ライディングフィールもヘッド部分の剛性が強く感じられ、下りなどのハイスピードな場面では安心してバイクに身を任せることができた。
アッセンブルによる影響もあり、直進安定性が強い傾向にあった。ハイディープリムホイールがその主因なのだろうが、ロードレースや機敏な動きが求められる場面ではやや慣れが必要になるフィーリングではあった。ノーマルホイール、あるいはミディアムプロファイルのディープホイールなら、コーナリングで攻めたてるような走りが可能になるのではないかと思われる。
同様にホイールが影響しつつとなるが、それを差し引かなくても踏み出しの加速感は軽く、爽快なスピードの伸びを楽しめるだろう。フレームにパワーロスとなる因子は感じられず、ペダリングパワーに対してBBの反発が強いので、剛性は高めのフレームという印象を受ける。リアセクションは悪路でも暴れることなくしっかりと路面を捉え、軽い走行感を提供する。
上りも激坂でなければ、イーブンペースで軽々と上れる。ダンシングを交えながら踏み応えのあるフレームが大きなトルクを受け止めて実に軽やかだった。
走りのキレに振り幅を大きくしていることで、ショック吸収性はおそらくは犠牲にしていると思われる。だがハイディープリムを履いていることで、このアッセンブルなら乗り心地はよい。アッセンブルしている25mmサイズのタイヤとホイールもよい仕事をしている。
国内のサーキットコースでは問題なくこのバイクの性能を楽しめそうだ。アベレージスピードが高い場面ほどこのバイクのポテンシャルを引き出せるはず。エアロロードながらも上りもこなせるので、多くの場面で活躍が期待できる。
R5の弟分モデルだが、プロレーサーからの支持も厚い
S5の次点に当たるモデルだが、2014年シーズン序盤からガーミン・シャープのデーヴィッド・ミラーらによって使用されている。サーヴェロのバイクはすべてがハイエンドモデル、といわれる所以だ。
しかしながら形状設計は、これまで培った経験値を惜しむことなく取り入れた最新のテクノロジーだろう。これだけのボリュームのあるフレームワークに対して1000gという重量を実現したことがその証明のひとつだ。この重量はエアロロードとしてはかなり軽量である。
いかにも流線型というフレーム形状は上位モデルやPシリーズから受け継いだもの。加えてフォークのボリュームやオリジナルエアロシートポストの改良が認められる。これまでSシリーズでは導入を見送っていたテーパードヘッドを初めて採用しているのも新しい。上側1-1/8″、下側を1-3/8″としており、このベアリングサイズはサーヴェロのリサーチによって導き出されたもので、最適なハンドリング性能をライダーに提供する。
これまではエアロに特化したフォークブレードを用いてきたが、新型FK42フォークは、ボリュームをアップし、これまでよりも横剛性を16%アップさせている。さらにタイヤクリアランスを広く設けているのも特徴だろう。
同様にシートチューブのカットアウトの設計も刷新され、エアロフロー効果を損なわず、700×25Cサイズのタイヤが十分に装着できるまでクリアランスを拡張している。昨今の太めのタイヤブームにもレスポンス良く対応し、トレンドにも敏感であることがわかる。
迫力のある極太ダウンチューブは大きく縦方向に扁平した翼状断面形状を用いている。これがエアロ効果と高い剛性を導き出す。このダウンチューブにはケーブルが内蔵できる。姉妹モデル同様にICS(インターナル・ケーブル・ストップ)を用いることで軽量化に貢献し、機械式、電動式問わずケーブルを内蔵することができ、容易なメンテナンスも実現している。
またRcaで培った技術であるウルトラ・シン・シートステーをS3は導入した。結果、空力が改善されクラストップの路面追従性を兼ね備えている。独自規格のBBrightももちろん導入し、エアロフレームながらも無理なく高い横剛性を保つ。メンテナンス性も容易なのもうれしい。また、一般的なクランクセットもオプションのBBを用いれば使用可能だ。
かつてカンチェラーラやフースホフトらが駆り、世界選手権をはじめとして多くの勝利を獲得した往年の“S3”のDNAを漂わせ、素性のよさをうかがわせるNEW S3。サーヴェロとしては価格も手が届きやすい設定だけに、注目のレーシングバイクといえるだろう。
インプレッション
「より万能なエアロロードに生まれ変わっている」
新世代S3は、これまでの“S3”の流れを汲むエアロロードバイクといえる。S5よりもよりロードバイク然としたフォルムなので受け入れられやすいだろう。しかしながらそのエアロ形状はサーヴェロの経験と膨大な実験データの集積によって構築されたものだ。エアロダイナミクスに長けたブランドの先入観からも、NEW S3には安心感を覚える。ボリュームのあるフレーム形状ながらも、フレームは1000gと軽量に仕上がっている。チューブの肉厚も部分的に薄い箇所もあり、カーボンレイアップの配置も緻密に行なわれ、適材適所に肉厚が調整されているのがわかる。
ボリュームのあるフォークのクラウンやブレードもパワフルで頼りがいがある。Sシリーズとしては、はじめてテーパードヘッドを導入したが、これまでのフォークよりもパワフルな印象をうける。ライディングフィールもヘッド部分の剛性が強く感じられ、下りなどのハイスピードな場面では安心してバイクに身を任せることができた。
アッセンブルによる影響もあり、直進安定性が強い傾向にあった。ハイディープリムホイールがその主因なのだろうが、ロードレースや機敏な動きが求められる場面ではやや慣れが必要になるフィーリングではあった。ノーマルホイール、あるいはミディアムプロファイルのディープホイールなら、コーナリングで攻めたてるような走りが可能になるのではないかと思われる。
同様にホイールが影響しつつとなるが、それを差し引かなくても踏み出しの加速感は軽く、爽快なスピードの伸びを楽しめるだろう。フレームにパワーロスとなる因子は感じられず、ペダリングパワーに対してBBの反発が強いので、剛性は高めのフレームという印象を受ける。リアセクションは悪路でも暴れることなくしっかりと路面を捉え、軽い走行感を提供する。
上りも激坂でなければ、イーブンペースで軽々と上れる。ダンシングを交えながら踏み応えのあるフレームが大きなトルクを受け止めて実に軽やかだった。
走りのキレに振り幅を大きくしていることで、ショック吸収性はおそらくは犠牲にしていると思われる。だがハイディープリムを履いていることで、このアッセンブルなら乗り心地はよい。アッセンブルしている25mmサイズのタイヤとホイールもよい仕事をしている。
国内のサーキットコースでは問題なくこのバイクの性能を楽しめそうだ。アベレージスピードが高い場面ほどこのバイクのポテンシャルを引き出せるはず。エアロロードながらも上りもこなせるので、多くの場面で活躍が期待できる。
提供:東商会 text:山本健一、シクロワイアード編集部