2014/04/18(金) - 12:18
Rシリーズの上位モデルであるR5は、「プロジェクトカリフォルニア」をひっさげてデビューした超高級モデル「Rca」のテクノロジーを用いてフルモデルチェンジを果たした。
NEW R5のベースとなったRcaとは、サーヴェロの研究機関であるプロジェクトカリフォルニアによって生み出された、プロスペック・カーボンフレームである。自転車業界としてはまったく新しい素材を用いたことで、高い剛性を維持しながらも667gという軽さを実現しており、ヨーロッパの多くの専門誌から高い評価を獲得している。
この素晴らしい技術を落とし込んだのがNEW R5であり、Rcaに迫るスペックながらも手が届きやすい価格に抑えられている。R5の価格は60万円(フレームセット税抜)と破格ではあるが、世界トップブランドのハイエンドモデルだと考えれば妥当な価格といえよう。RCAの145万円(フレームセット税抜)という価格はもはや異次元で、次世代の技術や素材を用いたことによる“テクノロジー料”といえる。
フレーム単体重量は810g(サイズ51、塗装、小物含む。実測値)という軽量性を実現しながらも、卓越した剛性レベルを実現している。あふれる剛性、あまつさえ軽いというまさにヒルクライムバイクのベンチマークと呼ぶに相応しいスペックだ。
フレーム形状は見直され、これまでのRシリーズの代名詞でもあった四角いダウンチューブ形状は、楕円形を半分に切り落としたようなチューブ形状へと刷新された。このチューブこそ、新世代Rシリーズ最大の特徴である。その名もスクオーバル3だ。エアロ効果は空力特性に特化したSシリーズやPシリーズには及ばないものの、優れた空力を獲得し、前世代よりも7.4ワットの空気抵抗を削減することができた。さらにBBrightによってハンガー部分の横剛性を最適化し、横方向に扁平した極薄のバックステーによって、効果的に振動を減衰することができる。
タイヤクリアランスにも余裕をもたせており、25Cサイズのタイヤが十分に使えるスペースを確保している。これはロングディスタンスや悪路を走行することを想定しているライダーにとってはうれしい配慮だろう。もっとも、パリ〜ルーベに代表される石畳レースでは28Cが使われているのだから、あくまでレーススペックという意味ではあるのだが。
ヘッドチューブは上下異径のテーパードヘッドを採用。下側のベアリングには従来よりも大口径な1-3/8"を採用し、より正確なステアリングフィールを得ることができる。このベアリングサイズはサーヴェロがリサーチして得たデータを元に、辿り着いた結論であり、最適なステアリング性能を実現した。
高剛性、軽量性、エアロダイナミクス、快適性、操作性と、ロードバイクに求められる機能をまとめることに成功したNEW R5。高い評価を獲得し続けたRシリーズの最新モデルとして、素晴らしいライディングフィールを提供するはずだ。
フレーム形状そのままに、尖った角を削ったような剛性感だ。チューブの雰囲気そのもののイメージで、過剛性を感じることはない。踏み込んだ瞬間の軽さはトップレベルで、重量の軽さを伴って鮮やかに加速する。
チューブは硬質ながらも一定のしなりがあり、そのウィップがペダリングにあわせてほど良いリズムとなる。しかし入力したパワーはしっかりと受け止められていて、フレーム全体で推進力を捻出しているイメージだった。
ヒルクライムはまさに得意中の得意で、軽さもさることながら、ステアリング周りの剛性感が役立っている。ダンシングをしたときに生じるフロント周りへのストレスは、フレームに影響を与えることはなく、スピードをスポイルすることもない。パワーロスに繋がるようなねじれが起きにくく、軽やかに加速できた。シッティングではトルク派も回転派の両方を許容する。
コーナリングは軽さの影響によって浮つくような場面もあったが、乗り込むことで慣れることができるレベルだろう。下りはそれなりのテクニックが求められるだろう。操り乗りこなすことを楽しみとして、スキルアップを目指したい。
またアッセンブルするホイールも好みが分かれそうだ。個人的な感想では硬質な部類のホイールが適当だと思う。足回りをしっかりと固めてグリップ力の高いタイヤをアッセンブルしてみたい。軽量クラスのホイールは重心位置がより高くなるので、操作感はより軽く不安定になる。運動性能はアップするだろうが、より上級者向けのフィーリングとなるだろう。
踏み出しの軽さと、操る楽しみを味わえるバイク。しかしながら、週に一度しか乗れない(乗りたくない)ような繊細なフレームではなく、コンスタントに乗れるようなタフさも秘めているのがNEW R5だ。
レースシーンでこのバイクの性能を活かすなら、上り基調のレイアウトのコースか、ヒルクライムだろう。またパワーセーブが期待できるエアロ効果によってロングライドでも活躍できるはずだ。勝利を目指すサイクリストにとっては最高の武器となり、ライディングをエンジョイしたいサイクリストにとっては、至高のパートナーとなるだろう。
Rcaのテクノロジーを活かし生まれ変わったオールラウンダー
NEW R5のベースとなったRcaとは、サーヴェロの研究機関であるプロジェクトカリフォルニアによって生み出された、プロスペック・カーボンフレームである。自転車業界としてはまったく新しい素材を用いたことで、高い剛性を維持しながらも667gという軽さを実現しており、ヨーロッパの多くの専門誌から高い評価を獲得している。
この素晴らしい技術を落とし込んだのがNEW R5であり、Rcaに迫るスペックながらも手が届きやすい価格に抑えられている。R5の価格は60万円(フレームセット税抜)と破格ではあるが、世界トップブランドのハイエンドモデルだと考えれば妥当な価格といえよう。RCAの145万円(フレームセット税抜)という価格はもはや異次元で、次世代の技術や素材を用いたことによる“テクノロジー料”といえる。
フレーム単体重量は810g(サイズ51、塗装、小物含む。実測値)という軽量性を実現しながらも、卓越した剛性レベルを実現している。あふれる剛性、あまつさえ軽いというまさにヒルクライムバイクのベンチマークと呼ぶに相応しいスペックだ。
フレーム形状は見直され、これまでのRシリーズの代名詞でもあった四角いダウンチューブ形状は、楕円形を半分に切り落としたようなチューブ形状へと刷新された。このチューブこそ、新世代Rシリーズ最大の特徴である。その名もスクオーバル3だ。エアロ効果は空力特性に特化したSシリーズやPシリーズには及ばないものの、優れた空力を獲得し、前世代よりも7.4ワットの空気抵抗を削減することができた。さらにBBrightによってハンガー部分の横剛性を最適化し、横方向に扁平した極薄のバックステーによって、効果的に振動を減衰することができる。
タイヤクリアランスにも余裕をもたせており、25Cサイズのタイヤが十分に使えるスペースを確保している。これはロングディスタンスや悪路を走行することを想定しているライダーにとってはうれしい配慮だろう。もっとも、パリ〜ルーベに代表される石畳レースでは28Cが使われているのだから、あくまでレーススペックという意味ではあるのだが。
ヘッドチューブは上下異径のテーパードヘッドを採用。下側のベアリングには従来よりも大口径な1-3/8"を採用し、より正確なステアリングフィールを得ることができる。このベアリングサイズはサーヴェロがリサーチして得たデータを元に、辿り着いた結論であり、最適なステアリング性能を実現した。
高剛性、軽量性、エアロダイナミクス、快適性、操作性と、ロードバイクに求められる機能をまとめることに成功したNEW R5。高い評価を獲得し続けたRシリーズの最新モデルとして、素晴らしいライディングフィールを提供するはずだ。
インプレッション
「優れた運動性能を引き立てる空力特性」
Rcaには及ばないが、実用ベースとしては相当に軽い810gというフレーム重量を実現したR5。スペックを眺めているだけで胸が躍るフレームだ。フレーム形状はメインチューブがエアロ化され、リアセクションは横方向に扁平したバックステーと対照的にパワフルなチェーンステーで構成されている。この黄金比のような設計によって、軽やかな走行感かつラグジュアリーな乗り心地を提供してくれる。フレーム形状そのままに、尖った角を削ったような剛性感だ。チューブの雰囲気そのもののイメージで、過剛性を感じることはない。踏み込んだ瞬間の軽さはトップレベルで、重量の軽さを伴って鮮やかに加速する。
チューブは硬質ながらも一定のしなりがあり、そのウィップがペダリングにあわせてほど良いリズムとなる。しかし入力したパワーはしっかりと受け止められていて、フレーム全体で推進力を捻出しているイメージだった。
ヒルクライムはまさに得意中の得意で、軽さもさることながら、ステアリング周りの剛性感が役立っている。ダンシングをしたときに生じるフロント周りへのストレスは、フレームに影響を与えることはなく、スピードをスポイルすることもない。パワーロスに繋がるようなねじれが起きにくく、軽やかに加速できた。シッティングではトルク派も回転派の両方を許容する。
コーナリングは軽さの影響によって浮つくような場面もあったが、乗り込むことで慣れることができるレベルだろう。下りはそれなりのテクニックが求められるだろう。操り乗りこなすことを楽しみとして、スキルアップを目指したい。
またアッセンブルするホイールも好みが分かれそうだ。個人的な感想では硬質な部類のホイールが適当だと思う。足回りをしっかりと固めてグリップ力の高いタイヤをアッセンブルしてみたい。軽量クラスのホイールは重心位置がより高くなるので、操作感はより軽く不安定になる。運動性能はアップするだろうが、より上級者向けのフィーリングとなるだろう。
踏み出しの軽さと、操る楽しみを味わえるバイク。しかしながら、週に一度しか乗れない(乗りたくない)ような繊細なフレームではなく、コンスタントに乗れるようなタフさも秘めているのがNEW R5だ。
レースシーンでこのバイクの性能を活かすなら、上り基調のレイアウトのコースか、ヒルクライムだろう。またパワーセーブが期待できるエアロ効果によってロングライドでも活躍できるはずだ。勝利を目指すサイクリストにとっては最高の武器となり、ライディングをエンジョイしたいサイクリストにとっては、至高のパートナーとなるだろう。
提供:東商会 text:山本健一、シクロワイアード編集部