2013/01/12(土) - 17:07
国内ロードやMTB、シクロクロスの各分野には、現在将来を期待される選手が多く存在する。関西シクロクロスに集ったそんな若手選手5人に話を聞いた。
今のジュニア・U23世代には今後を期待される選手が多い。2012年のMTB-XCOジュニア・シクロクロスU23チャンプの沢田時(ブリヂストンアンカー)、MTB-XCO U23チャンプ中原義貴(キャノンデール/リンゴロード)、MTB-XCOアジア選手権ジュニアチャンプの前田公平(Speedvagen Cyclocross Team)、シクロクロス世界選手権に出場する中井路雅(岩井商会レーシング)、シクロクロスジュニアチャンプの横山航太(篠ノ井高校)らは世界選手権や国内トップレースを走り、2012年シーズンでは自身の経験値を上げてきた。
12月23日に開催された2012-2013年関西シクロクロス第6戦、くろんど池には、シクロクロスはもちろん、ロード、MTBで活躍する上記の若手選手たちが集結。2012年シーズンの総括と、2013年シーズンへの抱負と目標をインタビューした。
―2012年からサポート契約を結んだ沢田・中原・前田各選手、どういったシーズン/契約に至る経緯だったのでしょう?
中原 「レース活動をしている中でキャノンデールとの関係ができつつあり、移籍は自分からの希望でした。シーズン途中でしたが契約を結ぶ事ができ嬉しく思っています。
前田 「昨年度のシクロクロスシーズン終盤に、八ヶ岳バイシクルスタジオの矢野大介さんからチーム加入のお話を頂きました。その後夏ごろにSpeedvagen Cyclocross Team正式結成が決まり、正式にメンバーとして迎えられました。
沢田 「ブリヂストンアンカー所属の選手として自転車中心の生活を送り、2012年はひたすらにそれだけ。フルに選手生活を経験した最初の1年でした。
―皆さん同年代ですが、お互いをどう意識していますか?
横山 「前田君はテクニック、沢田君はパワー。ライバルとして見るととても手強く、一緒のレースに出るとやりづらいライバルですね」
前田 「自分はウィリーなどテクニックを付けるのが好きで、正直僕一人だけ遊びつつそんな練習ばかりしていました(笑)。その間に周りは走る練習を積んでいたと思うので、そこが反省点ですね。ですので体力面の差を埋めていくのが課題です」
中原 「周りと比べると足りないところがありすぎる感じが否めません。これからじっくり詰めていき、苦手な部分を克服してきたいですね」
中井 「周りにMTB選手が多くいますので、僕もつられて出場してみたくなるのが本音です。バイクを持ってないこともありますが、この先大学進学の道に進むためその線は無いでしょう」
沢田 「ここにいませんが、小橋(勇利、ボンシャンス飯田)君はアジア選で一緒に出場してから仲良くなって、良くメールでやり取りをしています。とても強くて面白く、刺激になりますね」
―海外レースに出場する機会もあった2012年シーズンですが、いかがでしたか?
横山 「国内のロードジュニア選手を対象に行われるジュニアキャンプに参加すると一つ上も強いし、同年代のロード選手はみんな強いし刺激になります。キャンプに参加するジュニアの選手はカテゴリーのレースで結果を残すことを最大の目的にし、海外レースを意識しています」
前田 「2012年は初めて海外のレースに出場しましたが、世界選も含めてとにかくレースの濃さが国内レースとは全く違います。国内レースでは経験出来ないようなことがスタート前から体験できました」
横山 「ロードも同じ」
沢田 「みんな世界選を経験してから、その走り方が変わってきています」
前田 「そういう(海外レース)場所で走ると、国内レースとは得られるものが全く異なります」
中原 「僕もそう感じましたね」
沢田 「僕もまた早く海外でレース活動をしたいですね」
中井 「沢田君は海外の方が住んでる期間が長いのに(笑)」
沢田 「日本に戻るとどうしても海外レースの感覚を忘れてしまいます。スポット参戦ではスタートから埋もれてしまうんです。何戦がレースを走って掴めるものがあります。ですから海外でレースをするんだったら、長期間でないといけないと感じています」
横山 「そう。次第に自分がハイレベルなレースに慣れてくるのが分かるんです」
沢田 「向こうの選手が速いのもありますが、例えばシクロクロスでもC2からC1に上がっても走れるのに慣れがいる。体力的には同じでもスタートの速さが違うので、気持ちで引いてしまって実力が出せない事が多い」
横山 「海外はスタートの密度も違うからタイヤがハスっても周りはビビらないし、落車覚悟で走っています」
前田 「ホントにどけどけ!とみんなそんな感じです。海外には行きたいですが、ジュニアで獲得したUCIポイントをU23には持ちこせないので行きづらいというところもありますね」
中原 「来年の沢田君は、スタートは後ろからになる?」
沢田 「ワールドカップは事前にUCIレースを走ってポイントを獲得しておけば、スタート位置は案外前になるんです。ジュニア自体レースは少ないし、得られるポイントも少ない。15位でないと1ポイントしか貰えないのでジュニアで稼ぐのは相当速くないといけないですね」
前田 「その代わりにUCIポイントは全日本や大陸選手権で稼ぎます」
沢田 「来年はU23とエリートは混走になるので、日本のJシリーズにあたるフランスカップでは(ジュリアン)アブサロンと一緒のレースを走ることになります。表彰は別ですが」
一同「かっこいい!」
中原 「アブサロンとは試走で一緒になったことがありますが、それでもついていくことができませんでした(笑)」
前田 「世界選の試走で速い選手がいるなと思ったら、その選手がアブサロンだったことがあります。実際に走っているからWEBの映像と自分が重ねることができ、こんなスピードで走れるのか!と驚きます。やはりレースに出ないと得られないことは多いです」
―2013シーズンの目標は?
横山 「国内ではシクロクロスのチャンピオンは獲ったので、スケジュール次第ですが更にロードとMTBで勝ち、三冠を獲りたい。2013年はロードをメインに走るので、アジア選手権でも良い結果を残したいと思います。」
前田 「とりあえず沢田君と中原君を押さえて、全日本MTB・U23チャンプを獲ることです」
沢田 「来シーズンの国内レースはMTB全日本選手権のみの予定です。ですのでコンディションを合わせるのが難しいでしょうが、獲りにいきたいですね。海外ではワールドカップを中心に走ります。U23カテゴリーは未知の世界ですが、頑張りたいです」
中井 「来年は京都産業大学に進学し、ロードとトラック競技が中心となるでしょう。大学レースで優勝し、インカレも狙っていきたい。その一方でシクロクロスにもできるだけ参加したいと考えています」
中原 「来シーズンも何戦かワールドカップに出る予定にしています。そこでの結果と、全日本MTB U23チャンプの防衛はしたいと思っています」
Interview:Akihiro.NAKAO
今のジュニア・U23世代には今後を期待される選手が多い。2012年のMTB-XCOジュニア・シクロクロスU23チャンプの沢田時(ブリヂストンアンカー)、MTB-XCO U23チャンプ中原義貴(キャノンデール/リンゴロード)、MTB-XCOアジア選手権ジュニアチャンプの前田公平(Speedvagen Cyclocross Team)、シクロクロス世界選手権に出場する中井路雅(岩井商会レーシング)、シクロクロスジュニアチャンプの横山航太(篠ノ井高校)らは世界選手権や国内トップレースを走り、2012年シーズンでは自身の経験値を上げてきた。
12月23日に開催された2012-2013年関西シクロクロス第6戦、くろんど池には、シクロクロスはもちろん、ロード、MTBで活躍する上記の若手選手たちが集結。2012年シーズンの総括と、2013年シーズンへの抱負と目標をインタビューした。
―2012年からサポート契約を結んだ沢田・中原・前田各選手、どういったシーズン/契約に至る経緯だったのでしょう?
中原 「レース活動をしている中でキャノンデールとの関係ができつつあり、移籍は自分からの希望でした。シーズン途中でしたが契約を結ぶ事ができ嬉しく思っています。
前田 「昨年度のシクロクロスシーズン終盤に、八ヶ岳バイシクルスタジオの矢野大介さんからチーム加入のお話を頂きました。その後夏ごろにSpeedvagen Cyclocross Team正式結成が決まり、正式にメンバーとして迎えられました。
沢田 「ブリヂストンアンカー所属の選手として自転車中心の生活を送り、2012年はひたすらにそれだけ。フルに選手生活を経験した最初の1年でした。
―皆さん同年代ですが、お互いをどう意識していますか?
横山 「前田君はテクニック、沢田君はパワー。ライバルとして見るととても手強く、一緒のレースに出るとやりづらいライバルですね」
前田 「自分はウィリーなどテクニックを付けるのが好きで、正直僕一人だけ遊びつつそんな練習ばかりしていました(笑)。その間に周りは走る練習を積んでいたと思うので、そこが反省点ですね。ですので体力面の差を埋めていくのが課題です」
中原 「周りと比べると足りないところがありすぎる感じが否めません。これからじっくり詰めていき、苦手な部分を克服してきたいですね」
中井 「周りにMTB選手が多くいますので、僕もつられて出場してみたくなるのが本音です。バイクを持ってないこともありますが、この先大学進学の道に進むためその線は無いでしょう」
沢田 「ここにいませんが、小橋(勇利、ボンシャンス飯田)君はアジア選で一緒に出場してから仲良くなって、良くメールでやり取りをしています。とても強くて面白く、刺激になりますね」
―海外レースに出場する機会もあった2012年シーズンですが、いかがでしたか?
横山 「国内のロードジュニア選手を対象に行われるジュニアキャンプに参加すると一つ上も強いし、同年代のロード選手はみんな強いし刺激になります。キャンプに参加するジュニアの選手はカテゴリーのレースで結果を残すことを最大の目的にし、海外レースを意識しています」
前田 「2012年は初めて海外のレースに出場しましたが、世界選も含めてとにかくレースの濃さが国内レースとは全く違います。国内レースでは経験出来ないようなことがスタート前から体験できました」
横山 「ロードも同じ」
沢田 「みんな世界選を経験してから、その走り方が変わってきています」
前田 「そういう(海外レース)場所で走ると、国内レースとは得られるものが全く異なります」
中原 「僕もそう感じましたね」
沢田 「僕もまた早く海外でレース活動をしたいですね」
中井 「沢田君は海外の方が住んでる期間が長いのに(笑)」
沢田 「日本に戻るとどうしても海外レースの感覚を忘れてしまいます。スポット参戦ではスタートから埋もれてしまうんです。何戦がレースを走って掴めるものがあります。ですから海外でレースをするんだったら、長期間でないといけないと感じています」
横山 「そう。次第に自分がハイレベルなレースに慣れてくるのが分かるんです」
沢田 「向こうの選手が速いのもありますが、例えばシクロクロスでもC2からC1に上がっても走れるのに慣れがいる。体力的には同じでもスタートの速さが違うので、気持ちで引いてしまって実力が出せない事が多い」
横山 「海外はスタートの密度も違うからタイヤがハスっても周りはビビらないし、落車覚悟で走っています」
前田 「ホントにどけどけ!とみんなそんな感じです。海外には行きたいですが、ジュニアで獲得したUCIポイントをU23には持ちこせないので行きづらいというところもありますね」
中原 「来年の沢田君は、スタートは後ろからになる?」
沢田 「ワールドカップは事前にUCIレースを走ってポイントを獲得しておけば、スタート位置は案外前になるんです。ジュニア自体レースは少ないし、得られるポイントも少ない。15位でないと1ポイントしか貰えないのでジュニアで稼ぐのは相当速くないといけないですね」
前田 「その代わりにUCIポイントは全日本や大陸選手権で稼ぎます」
沢田 「来年はU23とエリートは混走になるので、日本のJシリーズにあたるフランスカップでは(ジュリアン)アブサロンと一緒のレースを走ることになります。表彰は別ですが」
一同「かっこいい!」
中原 「アブサロンとは試走で一緒になったことがありますが、それでもついていくことができませんでした(笑)」
前田 「世界選の試走で速い選手がいるなと思ったら、その選手がアブサロンだったことがあります。実際に走っているからWEBの映像と自分が重ねることができ、こんなスピードで走れるのか!と驚きます。やはりレースに出ないと得られないことは多いです」
―2013シーズンの目標は?
横山 「国内ではシクロクロスのチャンピオンは獲ったので、スケジュール次第ですが更にロードとMTBで勝ち、三冠を獲りたい。2013年はロードをメインに走るので、アジア選手権でも良い結果を残したいと思います。」
前田 「とりあえず沢田君と中原君を押さえて、全日本MTB・U23チャンプを獲ることです」
沢田 「来シーズンの国内レースはMTB全日本選手権のみの予定です。ですのでコンディションを合わせるのが難しいでしょうが、獲りにいきたいですね。海外ではワールドカップを中心に走ります。U23カテゴリーは未知の世界ですが、頑張りたいです」
中井 「来年は京都産業大学に進学し、ロードとトラック競技が中心となるでしょう。大学レースで優勝し、インカレも狙っていきたい。その一方でシクロクロスにもできるだけ参加したいと考えています」
中原 「来シーズンも何戦かワールドカップに出る予定にしています。そこでの結果と、全日本MTB U23チャンプの防衛はしたいと思っています」
Interview:Akihiro.NAKAO
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