2012/09/17(月) - 04:32
ゴール2km手前のカウベルグが勝負を決した。ロード世界選手権初日のエリート男子チームタイムトライアル。秒差の拮抗した闘いは、オメガファーマ・クイックステップに軍配が上がった。
1994年以来、実に18年ぶりの開催となる世界選手権チームタイムトライアル。国対抗戦ではなく、トレードチーム(UCIチーム)による闘い。UCIプロチーム、UCIプロコンチネンタルチーム、UCIコンチネンタルチームを合わせた計32チームが、久々に復活したタイトルを懸けて闘った。
スタート地点はエリート女子と同じシッタルトの中心地で、市街地を発ち、幹線道路を走り、丘陵地帯を駆け抜け、最後は「カウベルグ」を駆け上がる。ロードレースと同様に、「カウベルグ」頂上の1.7km先にゴールが置かれている。
53.2kmコースに登場する大きな登りは3つ。「ラング・ラールベルグ(1300m・4.5%)」「ベルグスウェグ(2700m・3.3%)」「カウベルグ(1200m・5.8%)」。アップダウンとコーナーが連続するテクニカルコースだ。
グランツールのチームタイムトライアルは9人での出走で、5番目にフィニッシュした選手のタイムが反映される。しかし、世界選手権のチームタイムトライアルは6人出走で、4番目にフィニッシュした選手のタイムが反映。つまり、実質的に2人しか脱落することが許されない。
どのチームもアップダウンコースで選手を失っていき、限度ギリギリの4人でゴールする。しかし、オメガファーマ・クイックステップのみ、6人を揃えた状態でゴールに飛び込んだ。
現タイムトライアル世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ)、トム・ボーネン(ベルギー)、シルヴァン・シャヴァネル(フランス)、ニキ・テルプストラ(オランダ)、ユルゲン・ファンデワール(ベルギー)、ペーター・ベリトス(スロバキア)を揃えたオメガファーマ・クイックステップは、リクイガス・キャノンデールの暫定トップタイムを1分以上も更新してみせる。先頭でゴールしたマルティンからはガッツポーズが飛び出た。
中間計測ポイントでオメガファーマ・クイックステップに肉薄するタイムを連発したのはBMCレーシングチーム。僅か数秒遅れの好タイムで最後の「カウベルグ」に突入したが、ここで早くも4人に絞られてしまう。
遅れ始めた最後の砦テイラー・フィニー(アメリカ)を待つために、アレッサンドロ・バッラン(イタリア)とフィリップ・ジルベール(ベルギー)が振り返りながらペースを落とす。「4番手で走りながら振り返ると後ろに誰もいなかった。タイムロスを最小限に抑えるために、より深くまで追い込むしかなかった」とフィニー。
一人先行したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)に、「カウベルグ」頂上でフィニー、バッラン、ジルベールの3人が合流。ゴールまでの平坦路で最後の追い込みを見せたが、オメガファーマ・クイックステップのタイムには3秒届かなかった。
後続のオリカ・グリーンエッジは47秒遅れ、そして最終走者のチームスカイは1分32秒遅れ。オメガファーマ・クイックステップが1時間03分17秒のトップタイムで優勝した。平均スピードは50.5km/h。
人一倍大きな笑顔でチームメイトと喜びあったマルティンは「チーム一丸となって結果を掴んだ。常に好ペースを刻めたし、楽しんで走ることが出来たんだ。チームタイムトライアルの復活を歓迎している。チームワークが成功の鍵だったと思う。自分のレースに向けて大きなモチベーションになったよ」とコメントする。マルティンは水曜日の個人タイムトライアルで連覇を狙う。
チームを代表して表彰台で優勝トロフィーを受け取ったオメガファーマ・クイックステップのトム・ステールス監督は「4月にコースを試走し、その際にコースの映像を撮ったんだ。それ以来ずっと研究してきた。どのパートが難しいかを心得ていたし、選手たちは全てのコーナーをためらうことなく上手くこなした」と、勝利の秘訣を明かした。
オメガファーマ・クイックステップの優勝メンバー6名は、アルカンシェルのロゴの入ったチームジャージで2013年シーズンを走る。
ロード世界選手権2012エリート男子チームタイムトライアル結果
1位 オメガファーマ・クイックステップ 1h03'17"
2位 BMCレーシングチーム +03"
3位 オリカ・グリーンエッジ +47"
4位 リクイガス・キャノンデール +1'05"
5位 ラボバンク +1'08"
6位 モビスター +1'18"
7位 カチューシャ +1'19"
8位 レディオシャック・ニッサン +1'21"
9位 チームスカイ +1'32"
10位 ガーミン・シャープ +1'35"
text&photo:Kei Tsuji in Limburg, Netherlands
1994年以来、実に18年ぶりの開催となる世界選手権チームタイムトライアル。国対抗戦ではなく、トレードチーム(UCIチーム)による闘い。UCIプロチーム、UCIプロコンチネンタルチーム、UCIコンチネンタルチームを合わせた計32チームが、久々に復活したタイトルを懸けて闘った。
スタート地点はエリート女子と同じシッタルトの中心地で、市街地を発ち、幹線道路を走り、丘陵地帯を駆け抜け、最後は「カウベルグ」を駆け上がる。ロードレースと同様に、「カウベルグ」頂上の1.7km先にゴールが置かれている。
53.2kmコースに登場する大きな登りは3つ。「ラング・ラールベルグ(1300m・4.5%)」「ベルグスウェグ(2700m・3.3%)」「カウベルグ(1200m・5.8%)」。アップダウンとコーナーが連続するテクニカルコースだ。
グランツールのチームタイムトライアルは9人での出走で、5番目にフィニッシュした選手のタイムが反映される。しかし、世界選手権のチームタイムトライアルは6人出走で、4番目にフィニッシュした選手のタイムが反映。つまり、実質的に2人しか脱落することが許されない。
どのチームもアップダウンコースで選手を失っていき、限度ギリギリの4人でゴールする。しかし、オメガファーマ・クイックステップのみ、6人を揃えた状態でゴールに飛び込んだ。
現タイムトライアル世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ)、トム・ボーネン(ベルギー)、シルヴァン・シャヴァネル(フランス)、ニキ・テルプストラ(オランダ)、ユルゲン・ファンデワール(ベルギー)、ペーター・ベリトス(スロバキア)を揃えたオメガファーマ・クイックステップは、リクイガス・キャノンデールの暫定トップタイムを1分以上も更新してみせる。先頭でゴールしたマルティンからはガッツポーズが飛び出た。
中間計測ポイントでオメガファーマ・クイックステップに肉薄するタイムを連発したのはBMCレーシングチーム。僅か数秒遅れの好タイムで最後の「カウベルグ」に突入したが、ここで早くも4人に絞られてしまう。
遅れ始めた最後の砦テイラー・フィニー(アメリカ)を待つために、アレッサンドロ・バッラン(イタリア)とフィリップ・ジルベール(ベルギー)が振り返りながらペースを落とす。「4番手で走りながら振り返ると後ろに誰もいなかった。タイムロスを最小限に抑えるために、より深くまで追い込むしかなかった」とフィニー。
一人先行したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)に、「カウベルグ」頂上でフィニー、バッラン、ジルベールの3人が合流。ゴールまでの平坦路で最後の追い込みを見せたが、オメガファーマ・クイックステップのタイムには3秒届かなかった。
後続のオリカ・グリーンエッジは47秒遅れ、そして最終走者のチームスカイは1分32秒遅れ。オメガファーマ・クイックステップが1時間03分17秒のトップタイムで優勝した。平均スピードは50.5km/h。
人一倍大きな笑顔でチームメイトと喜びあったマルティンは「チーム一丸となって結果を掴んだ。常に好ペースを刻めたし、楽しんで走ることが出来たんだ。チームタイムトライアルの復活を歓迎している。チームワークが成功の鍵だったと思う。自分のレースに向けて大きなモチベーションになったよ」とコメントする。マルティンは水曜日の個人タイムトライアルで連覇を狙う。
チームを代表して表彰台で優勝トロフィーを受け取ったオメガファーマ・クイックステップのトム・ステールス監督は「4月にコースを試走し、その際にコースの映像を撮ったんだ。それ以来ずっと研究してきた。どのパートが難しいかを心得ていたし、選手たちは全てのコーナーをためらうことなく上手くこなした」と、勝利の秘訣を明かした。
オメガファーマ・クイックステップの優勝メンバー6名は、アルカンシェルのロゴの入ったチームジャージで2013年シーズンを走る。
ロード世界選手権2012エリート男子チームタイムトライアル結果
1位 オメガファーマ・クイックステップ 1h03'17"
2位 BMCレーシングチーム +03"
3位 オリカ・グリーンエッジ +47"
4位 リクイガス・キャノンデール +1'05"
5位 ラボバンク +1'08"
6位 モビスター +1'18"
7位 カチューシャ +1'19"
8位 レディオシャック・ニッサン +1'21"
9位 チームスカイ +1'32"
10位 ガーミン・シャープ +1'35"
text&photo:Kei Tsuji in Limburg, Netherlands
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