2012/07/30(月) - 07:24
降りしきる雨の中、逃げ切った3名のゴールスプリントに持ち込まれたロンドンオリンピック女子ロードレース。過去にロードレース、トラックレース、シクロクロスで世界チャンピオンに輝いているマリアンヌ・フォス(オランダ)が、オリンピックロードレースのタイトルを初獲得した。
7月29日、前日の男子ロードレースと同じ「ザ・マル」を発着するコースで女子ロードレースが行なわれた。男子との違いは「ボックスヒル」周回コースの周回数で、女子はここを2周。全長140kmのコースに、全日本チャンピオン萩原麻由子を含む66名が挑んだ。
レースは生憎の雨の中をスタート。大きな水たまりが出来た濡れたコースでアタックが繰り返されたが、決定的な動きが生まれないまま「ボックスヒル」の周回コースに入る。アメリカやオランダ、オーストラリア勢の果敢なアタックが功を奏さないまま、周回コースの2周目に入った。
2周目の「ボックスヒル」でエマ・プーリー(イギリス)やユーディト・アルント(ドイツ)らが飛び出したが、これも決まらない。
するとゴールまで50kmを残した登りでオルガ・ザベリンスカワ(ロシア)がアタック。これにマリアンヌ・フォス(オランダ)とリジー・アーミステッド(イギリス)、シェリー・オールズ(アメリカ)が加わり、強力な4名による逃げが形成された。
フォスら4名は残り30km地点で27秒リード。集団スプリントに持ち込みたいドイツやイタリアが強力にメイン集団を牽引したが、雨に濡れたテクニカルコースは少人数の逃げに味方した。
先頭からオールズが脱落し、フォス、アーミステッド、ザベリンスカワが39秒のリードでラスト20km。メイン集団とのタイム差は縮まるどころか拡大を続け、ゴールまで10kmを残してタイム差は45秒に。3名の逃げ切りが決まった。
「ザ・マル」の最終ストレートに余裕を持って到着した3名によるゴールスプリント。先行するザベリンスカワの後ろから加速したフォスが、地元イギリスの声援を受けるアーミステッドを振り切る。フォスが悲願の金メダルを獲得した。
優勝したフォスは、ロード世界選手権制覇、UCIワールドカップ3度制覇、シクロクロス世界選手権5度制覇、トラック世界選手権スクラッチレース&ポイントレース制覇という輝かしい成績を残している多才な25歳。
オリンピックでは2008年北京オリンピックのポイントレースで優勝しているが、ロードでのタイトルはこれが初めて。2007年から5年連続ロード世界選手権2位を経験しているフォスが、4年に1度の栄冠を掴んだ。
「ビッグチャンスだと思っていたけど、一つでもミスをすればリジー(アーミステッド)が金メダルを獲得する状況だった。リジーはスプリント力があるし、最後の最後まで確信を持てなかった。良いタイミングでスプリントに持ち込めたと思う」と、オランダに今大会初金メダルをもたらしたフォス。
フォスは今年5月に鎖骨骨折を経験したが、6月29日から7月7日までイタリアで行なわれたジロ・デ・イタリア・フェミニーレ(女子レース)で2連覇を達成。調子を戻してロンドンに乗り込んでいた。
出走者66名で完走者59名。日本から唯一参戦した萩原麻由子(サイクルベースあさひ)は、レース序盤にかけて集団前方に位置。しかしレース終盤のペースアップに伴って遅れ、途中リタイアに終わっている。
選手コメントは大会公式サイトより。
ロンドンオリンピック2012女子ロードレース結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ) 3h35'29"
2位 リジー・アーミステッド(イギリス)
3位 オルガ・ザベリンスカワ(ロシア) +02"
4位 イナヨーコ・テウテンベルグ(ドイツ) +27"
5位 ジョルジャ・ブロンジーニ(イタリア)
6位 エマ・ヨハンソン(スウェーデン)
7位 シェリー・オールズ(アメリカ)
8位 ポーリン・フェランプレヴォ(フランス)
9位 リースベット・デヴォフト(ベルギー)
10位 オード・ビアニック(フランス)
DNF 萩原麻由子(日本)
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
7月29日、前日の男子ロードレースと同じ「ザ・マル」を発着するコースで女子ロードレースが行なわれた。男子との違いは「ボックスヒル」周回コースの周回数で、女子はここを2周。全長140kmのコースに、全日本チャンピオン萩原麻由子を含む66名が挑んだ。
レースは生憎の雨の中をスタート。大きな水たまりが出来た濡れたコースでアタックが繰り返されたが、決定的な動きが生まれないまま「ボックスヒル」の周回コースに入る。アメリカやオランダ、オーストラリア勢の果敢なアタックが功を奏さないまま、周回コースの2周目に入った。
2周目の「ボックスヒル」でエマ・プーリー(イギリス)やユーディト・アルント(ドイツ)らが飛び出したが、これも決まらない。
するとゴールまで50kmを残した登りでオルガ・ザベリンスカワ(ロシア)がアタック。これにマリアンヌ・フォス(オランダ)とリジー・アーミステッド(イギリス)、シェリー・オールズ(アメリカ)が加わり、強力な4名による逃げが形成された。
フォスら4名は残り30km地点で27秒リード。集団スプリントに持ち込みたいドイツやイタリアが強力にメイン集団を牽引したが、雨に濡れたテクニカルコースは少人数の逃げに味方した。
先頭からオールズが脱落し、フォス、アーミステッド、ザベリンスカワが39秒のリードでラスト20km。メイン集団とのタイム差は縮まるどころか拡大を続け、ゴールまで10kmを残してタイム差は45秒に。3名の逃げ切りが決まった。
「ザ・マル」の最終ストレートに余裕を持って到着した3名によるゴールスプリント。先行するザベリンスカワの後ろから加速したフォスが、地元イギリスの声援を受けるアーミステッドを振り切る。フォスが悲願の金メダルを獲得した。
優勝したフォスは、ロード世界選手権制覇、UCIワールドカップ3度制覇、シクロクロス世界選手権5度制覇、トラック世界選手権スクラッチレース&ポイントレース制覇という輝かしい成績を残している多才な25歳。
オリンピックでは2008年北京オリンピックのポイントレースで優勝しているが、ロードでのタイトルはこれが初めて。2007年から5年連続ロード世界選手権2位を経験しているフォスが、4年に1度の栄冠を掴んだ。
「ビッグチャンスだと思っていたけど、一つでもミスをすればリジー(アーミステッド)が金メダルを獲得する状況だった。リジーはスプリント力があるし、最後の最後まで確信を持てなかった。良いタイミングでスプリントに持ち込めたと思う」と、オランダに今大会初金メダルをもたらしたフォス。
フォスは今年5月に鎖骨骨折を経験したが、6月29日から7月7日までイタリアで行なわれたジロ・デ・イタリア・フェミニーレ(女子レース)で2連覇を達成。調子を戻してロンドンに乗り込んでいた。
出走者66名で完走者59名。日本から唯一参戦した萩原麻由子(サイクルベースあさひ)は、レース序盤にかけて集団前方に位置。しかしレース終盤のペースアップに伴って遅れ、途中リタイアに終わっている。
選手コメントは大会公式サイトより。
ロンドンオリンピック2012女子ロードレース結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ) 3h35'29"
2位 リジー・アーミステッド(イギリス)
3位 オルガ・ザベリンスカワ(ロシア) +02"
4位 イナヨーコ・テウテンベルグ(ドイツ) +27"
5位 ジョルジャ・ブロンジーニ(イタリア)
6位 エマ・ヨハンソン(スウェーデン)
7位 シェリー・オールズ(アメリカ)
8位 ポーリン・フェランプレヴォ(フランス)
9位 リースベット・デヴォフト(ベルギー)
10位 オード・ビアニック(フランス)
DNF 萩原麻由子(日本)
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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