2012/01/19(木) - 17:51
2012年1月19日、大集団によるスプリント勝負に持ち込まれたツアー・ダウンアンダー第3ステージは、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)の勝利で幕を閉じた。ボーナスタイム10秒を獲得したグライペルは再びリーダージャージを獲得。大会最強スプリンターの力を誇示した。
ダウンアンダー第3ステージは、アデレード市内のアンレーからエンカウンターベイに向かって南下。2級山岳セリックスヒルと海に面した平野を駆け抜け、観光地ビクターハーバーにゴールする。ゴール前には少しの起伏があるものの、スプリンター向きのステージだと言える。
最高気温が30度前後という平均的な1月の気候の中、131名の選手たちがアンレーをスタート。
標高差150mを駆け上がる最初の5kmで、ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)、トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)、エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)のアタックが決まる。
この3名にアイルランドチャンピオンのマシュー・ブラマイヤー(オメガファーマ・クイックステップ)が合流するとアタック合戦は終了。先頭4名は協力して5分のリードを稼ぎ出した。
42.9km地点の2級山岳セリックスヒルはデヘントが先頭通過。10ポイントを獲得したデヘントはウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)を抜いて暫定で山岳賞トップに。
その後もデヘントの勢いは止まらず、65km地点と89.4km地点のスプリントポイントも先頭で通過してみせる。デヘントは合計6秒のボーナスタイムを獲得し、総合での順位を4位まで上げた。
レース後半の平坦区間に入るとメイン集団のペースが上がり、逃げグループとのタイム差は縮小傾向に。逃げグループからブラマイヤーが単独で飛び出すシーンも見られたが、結局ゴールまで42kmを残して全て吸収。
スプリンターチームの支配下に置かれたメイン集団はハイペースを維持してビクターハーバーへ。ゴール前の丘でUniSAオーストラリアやエウスカルテル勢によるアタックがかかるも、スプリンターチームがこれを封じ込める。下りとテクニカルなコーナーで縦に長く伸びた大集団が、港町ビクターハーバーに突入した。
ラボバンクが主導権を握ったが、エースを担うマイケル・マシューズ(オーストラリア)が番手を下げたためトレインは機能せず。ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、FDJ・ビッグマット)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)と力勝負を繰り広げたグライペルが、ゴールラインで片手を突き上げた。
「この勝利は病院にいるユルゲン・ルーランズに捧げたい」。ゴール後、グライペルはチームメイトたちと勝利を喜びながら、第1ステージで落車リタイアしたもう一人のチームメイトを気遣う。
「今日もチームメイトたちのおかげで勝つことが出来た。今日はラスト1km地点での位置取りが勝負の鍵を握ったと思う。チームメイトたちに『ラスト1kmの時点で5〜6番手につける必要がある』と告げたら、彼らはそれを実行に移し、そして自分がその仕事を完了させた」
ボーナスタイム10秒を獲得したグライペルは、コーラーを8秒上回って総合首位に。多くのクライマーたちに対して20秒のリードを得ているが、グライペル本人は「総合トップに返り咲いたことは嬉しいけど、特にボーナスタイムを狙っていたわけじゃなかった。今年のウィランガヒルは厳しすぎるので、総合優勝は難しいと思っている。チームの目標であるステージ2勝をすでに達成したんだ」と語っている。
エーススプリンターや総合狙いのチームメイトを守る役目を担った宮澤崇史(チームサクソバンク)は、グライペルと同タイムの集団内でゴール。「スタートからゴールまでずっと脚を使う一日だった」とタフなレースを振り返っている。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
ツアー・ダウンアンダー2012第3ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3h21'55"
2位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、FDJ・ビッグマット)
3位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
4位 マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)
5位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、グリーンエッジ)
6位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)
7位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
8位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
9位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
10位 クリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)
81位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク)
個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 11h54'52"
2位 マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム) +08"
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク) +12"
4位 トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) +14"
5位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ) +16"
6位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)
7位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
8位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア) +17"
10位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、カチューシャ) +20"
112位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +12'45"
山岳賞
トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
新人賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
チーム総合成績
UniSAオーストラリア
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
ダウンアンダー第3ステージは、アデレード市内のアンレーからエンカウンターベイに向かって南下。2級山岳セリックスヒルと海に面した平野を駆け抜け、観光地ビクターハーバーにゴールする。ゴール前には少しの起伏があるものの、スプリンター向きのステージだと言える。
最高気温が30度前後という平均的な1月の気候の中、131名の選手たちがアンレーをスタート。
標高差150mを駆け上がる最初の5kmで、ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)、トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)、エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)のアタックが決まる。
この3名にアイルランドチャンピオンのマシュー・ブラマイヤー(オメガファーマ・クイックステップ)が合流するとアタック合戦は終了。先頭4名は協力して5分のリードを稼ぎ出した。
42.9km地点の2級山岳セリックスヒルはデヘントが先頭通過。10ポイントを獲得したデヘントはウィリアム・クラーク(オーストラリア、UniSAオーストラリア)を抜いて暫定で山岳賞トップに。
その後もデヘントの勢いは止まらず、65km地点と89.4km地点のスプリントポイントも先頭で通過してみせる。デヘントは合計6秒のボーナスタイムを獲得し、総合での順位を4位まで上げた。
レース後半の平坦区間に入るとメイン集団のペースが上がり、逃げグループとのタイム差は縮小傾向に。逃げグループからブラマイヤーが単独で飛び出すシーンも見られたが、結局ゴールまで42kmを残して全て吸収。
スプリンターチームの支配下に置かれたメイン集団はハイペースを維持してビクターハーバーへ。ゴール前の丘でUniSAオーストラリアやエウスカルテル勢によるアタックがかかるも、スプリンターチームがこれを封じ込める。下りとテクニカルなコーナーで縦に長く伸びた大集団が、港町ビクターハーバーに突入した。
ラボバンクが主導権を握ったが、エースを担うマイケル・マシューズ(オーストラリア)が番手を下げたためトレインは機能せず。ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、FDJ・ビッグマット)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)と力勝負を繰り広げたグライペルが、ゴールラインで片手を突き上げた。
「この勝利は病院にいるユルゲン・ルーランズに捧げたい」。ゴール後、グライペルはチームメイトたちと勝利を喜びながら、第1ステージで落車リタイアしたもう一人のチームメイトを気遣う。
「今日もチームメイトたちのおかげで勝つことが出来た。今日はラスト1km地点での位置取りが勝負の鍵を握ったと思う。チームメイトたちに『ラスト1kmの時点で5〜6番手につける必要がある』と告げたら、彼らはそれを実行に移し、そして自分がその仕事を完了させた」
ボーナスタイム10秒を獲得したグライペルは、コーラーを8秒上回って総合首位に。多くのクライマーたちに対して20秒のリードを得ているが、グライペル本人は「総合トップに返り咲いたことは嬉しいけど、特にボーナスタイムを狙っていたわけじゃなかった。今年のウィランガヒルは厳しすぎるので、総合優勝は難しいと思っている。チームの目標であるステージ2勝をすでに達成したんだ」と語っている。
エーススプリンターや総合狙いのチームメイトを守る役目を担った宮澤崇史(チームサクソバンク)は、グライペルと同タイムの集団内でゴール。「スタートからゴールまでずっと脚を使う一日だった」とタフなレースを振り返っている。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
ツアー・ダウンアンダー2012第3ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3h21'55"
2位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、FDJ・ビッグマット)
3位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
4位 マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)
5位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、グリーンエッジ)
6位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)
7位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
8位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
9位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
10位 クリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)
81位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク)
個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 11h54'52"
2位 マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム) +08"
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク) +12"
4位 トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) +14"
5位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ) +16"
6位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)
7位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
8位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア) +17"
10位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、カチューシャ) +20"
112位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +12'45"
山岳賞
トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
新人賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
チーム総合成績
UniSAオーストラリア
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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