2009/05/14(木) - 16:53
前半戦最大の山場を迎えたジロ・デ・イタリア・チェンテナリオ(100周年記念大会)。標高1844mのアルペ・ディ・シウージに先頭で突っ込んできたのは注目の総合優勝筆頭のイタリア人でも注目度抜群のアメリカ人でもなく、ブエルタ覇者デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)だった。
マリアローザカラーへの激しい執念
ジロ・デ・イタリアが通過する街はどこもピンク一色。特にスタート地点とゴール地点を迎える街は、どこもかしこもピンク色だ。今日のスタート地点は、昨日ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)が強烈なスプリントで勝利を飾ったサンマルティーノ・ディ・カストロッツァだ。
前日は何とかオーガナイザーにホテルを予約してもらい、ゴール地点近くのスキーリゾートホテルに泊まった(奮発した!)。標高1500mに近いだけに朝夕はかなり冷え込み、昨夜プレスルームを出る頃には半袖でいるのが笑えるほど寒かった。
今日はショートコースなのでスタート時間も遅め。スタート近くを散策していると、街はピンクに溢れていた。ピンクの風船で飾るなんてのは序の口で、一本まるまるピンクに塗られた高さ10m以上の樹も登場!
出走サインが行なわれるヴィラッジョは今日も大盛況。その傍らでは「少しの心遣いが多くの人々を救う」と描かれたバンで、ピンクのリストバンドが1ユーロで売られていた。4月6日にアブルッツォ州ラクイラを中心に襲った大地震の募金活動だ。売り上げは全額、被災者の救済に使われるという。昨日優勝したディルーカも、被災者に勝利を捧げる旨を記者会見で語っていた。
片山右京さん現る! バルロワールドカーに同乗
そしてそして、スタート地点に片山右京さんが現れた。しかも真っ赤なバルロワールドのジャージを着ている! そしてサインボードにスタートサインまでしている! じつはNHKの番組収録のため、ジロを連日観戦。翌日はポルドイ峠に上るという、もちろんロードバイクで。バルロワールドチームからは昨夜に「ジャパニーズF-1ドライバー、UKYO KATAYAMA がチームを訪問してチームカーに乗ります!」というお知らせプレスリリースが届いていた。
右京さんはチームジャージ姿でチームメイト(?)と一緒に選手紹介のひな壇に上り、紹介されて拍手を浴びていた。F-1がメジャースポーツのイタリアでは、右京さんは超スーパースターなのだ。
ドロミテの山々が我々を見下ろす
コースが128kmと短いため、選手たちのスタートを見ずにゴールを目指す。雪に覆われたロッレ峠を抜けて先を急ぐが、どこに行っても山々の美しいこと!!あっけにとられるほどの景色を抜け、最終決戦地アルペ・ディ・シウージの上りに入った。
ゴール地点近くの駐車場にクルマを停める予定だったが、中盤で警備員に止められた。聞けば、残雪の関係でゴール付近に充分な駐車スペースを確保出来ず、関係者も含めてロープウェイで頂上に向かわなければならないことが判明。大急ぎで駐車スペースを確保してゴンドラに飛び乗った。
スタンバイOKの観客たちの頭上を通って標高1850mの頂上に到着。オーストリアが近いため、どこともイタリア語とドイツ語の二重表記だ。
スクリーンに映し出された実況を見ると、シルヴェスタ・シュミット(ポーランド、リクイガス)の鬼気迫る牽引が集団を破壊。「今日はバッソ来るか??」とフェンス越しに観客と話していたが、最終ストレートに現れたのは2度のブエルタ覇者、ロシアのメンショフだった。
流暢なスペイン語インタビュー
「コンディションの良さを感じていたので、これまでのジロより好成績を残せると思っていた。誰もが難関山岳ステージで結果を残せて良かった」と、レース後の記者会見でメンショフは流暢なスペイン語で語る。
「他チームの攻撃で集団は縮小して、僕は有力グループに残った。ゴールが近づいて後ろに下がる理由が無かったからラスト300mで飛び出したんだ」と、ジロ初勝利のロシア人はコメント。メンショフはこれでグランツール全てでのステージ優勝を果たした。ツールでは2006年にプラ・ド・ベレの頂上ゴールを制している。
マリアローザを獲得したのは2007年大会覇者のディルーカ。昨日のステージ優勝に続き、マリアローザのロヴクヴィストを3秒突き放して2位でゴールした。マリアローザはもちろんのこと、それよりもステージ連勝を狙っていたのだろう。
「今日のステージでマリアローザ争いは7人ぐらいに絞られた」とは新リーダージャージの弁。60kmオーバーのタイムトライアルの重要性を強調し、「この選手はタイムトライアルで強くて、この選手は・・・」と、ライバルたち一人一人とのタイム差をチェックしていたのが印象的だった。
翌日の第6ステージは248kmのロングコース。なんと今日のステージの倍近い。頂上ゴールでは無いが、山岳が連続して登場する。明日の朝は早そうなので、そろそろ標高2000mほどの山小屋に設置されたプレスルームを出ます。係員が「あと20分でロープウェーが止まるぞ!」って走り回ってます。
Photo&text:Kei Tsuji
マリアローザカラーへの激しい執念
ジロ・デ・イタリアが通過する街はどこもピンク一色。特にスタート地点とゴール地点を迎える街は、どこもかしこもピンク色だ。今日のスタート地点は、昨日ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)が強烈なスプリントで勝利を飾ったサンマルティーノ・ディ・カストロッツァだ。
前日は何とかオーガナイザーにホテルを予約してもらい、ゴール地点近くのスキーリゾートホテルに泊まった(奮発した!)。標高1500mに近いだけに朝夕はかなり冷え込み、昨夜プレスルームを出る頃には半袖でいるのが笑えるほど寒かった。
今日はショートコースなのでスタート時間も遅め。スタート近くを散策していると、街はピンクに溢れていた。ピンクの風船で飾るなんてのは序の口で、一本まるまるピンクに塗られた高さ10m以上の樹も登場!
出走サインが行なわれるヴィラッジョは今日も大盛況。その傍らでは「少しの心遣いが多くの人々を救う」と描かれたバンで、ピンクのリストバンドが1ユーロで売られていた。4月6日にアブルッツォ州ラクイラを中心に襲った大地震の募金活動だ。売り上げは全額、被災者の救済に使われるという。昨日優勝したディルーカも、被災者に勝利を捧げる旨を記者会見で語っていた。
片山右京さん現る! バルロワールドカーに同乗
そしてそして、スタート地点に片山右京さんが現れた。しかも真っ赤なバルロワールドのジャージを着ている! そしてサインボードにスタートサインまでしている! じつはNHKの番組収録のため、ジロを連日観戦。翌日はポルドイ峠に上るという、もちろんロードバイクで。バルロワールドチームからは昨夜に「ジャパニーズF-1ドライバー、UKYO KATAYAMA がチームを訪問してチームカーに乗ります!」というお知らせプレスリリースが届いていた。
右京さんはチームジャージ姿でチームメイト(?)と一緒に選手紹介のひな壇に上り、紹介されて拍手を浴びていた。F-1がメジャースポーツのイタリアでは、右京さんは超スーパースターなのだ。
ドロミテの山々が我々を見下ろす
コースが128kmと短いため、選手たちのスタートを見ずにゴールを目指す。雪に覆われたロッレ峠を抜けて先を急ぐが、どこに行っても山々の美しいこと!!あっけにとられるほどの景色を抜け、最終決戦地アルペ・ディ・シウージの上りに入った。
ゴール地点近くの駐車場にクルマを停める予定だったが、中盤で警備員に止められた。聞けば、残雪の関係でゴール付近に充分な駐車スペースを確保出来ず、関係者も含めてロープウェイで頂上に向かわなければならないことが判明。大急ぎで駐車スペースを確保してゴンドラに飛び乗った。
スタンバイOKの観客たちの頭上を通って標高1850mの頂上に到着。オーストリアが近いため、どこともイタリア語とドイツ語の二重表記だ。
スクリーンに映し出された実況を見ると、シルヴェスタ・シュミット(ポーランド、リクイガス)の鬼気迫る牽引が集団を破壊。「今日はバッソ来るか??」とフェンス越しに観客と話していたが、最終ストレートに現れたのは2度のブエルタ覇者、ロシアのメンショフだった。
流暢なスペイン語インタビュー
「コンディションの良さを感じていたので、これまでのジロより好成績を残せると思っていた。誰もが難関山岳ステージで結果を残せて良かった」と、レース後の記者会見でメンショフは流暢なスペイン語で語る。
「他チームの攻撃で集団は縮小して、僕は有力グループに残った。ゴールが近づいて後ろに下がる理由が無かったからラスト300mで飛び出したんだ」と、ジロ初勝利のロシア人はコメント。メンショフはこれでグランツール全てでのステージ優勝を果たした。ツールでは2006年にプラ・ド・ベレの頂上ゴールを制している。
マリアローザを獲得したのは2007年大会覇者のディルーカ。昨日のステージ優勝に続き、マリアローザのロヴクヴィストを3秒突き放して2位でゴールした。マリアローザはもちろんのこと、それよりもステージ連勝を狙っていたのだろう。
「今日のステージでマリアローザ争いは7人ぐらいに絞られた」とは新リーダージャージの弁。60kmオーバーのタイムトライアルの重要性を強調し、「この選手はタイムトライアルで強くて、この選手は・・・」と、ライバルたち一人一人とのタイム差をチェックしていたのが印象的だった。
翌日の第6ステージは248kmのロングコース。なんと今日のステージの倍近い。頂上ゴールでは無いが、山岳が連続して登場する。明日の朝は早そうなので、そろそろ標高2000mほどの山小屋に設置されたプレスルームを出ます。係員が「あと20分でロープウェーが止まるぞ!」って走り回ってます。
Photo&text:Kei Tsuji
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