2011/04/02(土) - 12:45
ワンデークラシック最大のタイトル「ロンド・ファン・フラーンデレン」は一体誰の手に落ちるのか?昨年圧勝を収めたファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)に、地元フランドルの期待を背負うトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)が挑む。今年も世界最高峰のクラシックレーサーが出揃った。
カンチェラーラvsボーネン!レオパードvsクイックステップ?
カンチェラーラとボーネン。今年もこの2人を中心にタイトル争奪戦が巻き起こるのは間違いないだろう。
昨年の第94回大会で、両者は一騎打ちを繰り広げた。ゴール44km手前のモーレンベルグでカンチェラーラが仕掛けると、ボーネンだけが合流。スイスチャンピオンとベルギーチャンピオンの最強コンビは後続を引き離したまま難所ミュール・カペルミュールに突入した。
最大勾配19.8%のこの激坂でカンチェラーラがペースアップを図ると、ボーネンは堪らず脱落してしまう。独走体制に持ち込んだカンチェラーラは、ボーネンを1分15秒引き離す走りでゴールに飛び込んだ。
ライバルたちが消耗した地点でアタックを仕掛け、独走に持ち込むのがカンチェラーラの勝ちパターンだ。昨年のロンドだけでなく、ミラノ〜サンレモやパリ〜ルーベでも同様の独走勝利を飾っている。独走に持ち込めば、誰にも手が付けられない感がある。
カンチェラーラは1週間前のE3プライス・フラーンデレンでも独走で連覇を達成。コンディションはピークに達している。本人はこのロンドとパリ〜ルーベで連覇を狙う心意気。王者の威厳がそのコメントの中に見て取れる。「E3プライスは何としても連覇したかった。この調子でロンドとパリ〜ルーベも連覇したい。プレッシャー?もちろんプレッシャーは大きい。それは当然のことだ。そのプレッシャーに負けていては、レースに勝てるわけがない」。
レオパード・トレックにはスチュアート・オグレディ(オーストラリア)という心強いスーパーアシストがいる。E3プライスでもオグレディがカンチェラーラの独走をお膳立てした。カンチェラーラの厳しいマークを振りほどくため、オグレディが重要な役割を果たすことになるだろう。カンチェラーラ=オグレディのコンビはパリ〜ルーベでも実証済みだ。
対するボーネンの強みはスプリンターとしての爆発力だ。近年は独走力を身につけているが、そのスプリント力は健在。1週間前のヘント〜ウェベルヘムでも得意のスプリントで久々のメジャータイトルを手にした。カンチェラーラの独走を阻止し、スプリントに持ち込むことができればボーネンに有利な展開になる。
ボーネンの相棒はシルヴァン・シャヴァネル(フランス)。ヘント〜ウェベルヘムでもシャヴァネルが終盤に逃げたことで、ボーネンは力を貯めることができた。地元ベルギーチームとしての威信をかけて、クイックステップはヘルト・ステーグマン(ベルギー)やニキ・テルプストラ(オランダ)ら、ベストメンバーをロンドに送り込む。
「これで(カンチェラーラと)1勝1敗だって?いや、まだ0勝0敗だ」。ボーネンは慎重な態度を崩さない。なお、ヘント〜ウェベルヘムには宿敵カンチェラーラが出場していない。クイックステップはカンチェラーラを徹底的にマークし、ボーネンを集団スプリントに導きたい考え。レオパード・トレックvsクイックステップの闘いに注目したい。
アウトサイダーと呼ぶには豪華なその他の有力選手たち
カンチェラーラとボーネンの二強が互いを激しくマークする分、その他の選手たちにチャンスが回ってくる。
ガーミン・サーヴェロは、世界チャンピオンのトル・フースホフト(ノルウェー)、ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア)、タイラー・ファラー(アメリカ)という鉄壁の構え。アシストとしてロジャー・ハモンド(イギリス)やアンドレアス・クリアー(ドイツ)が控えており、最強チームと名乗れるほどの戦闘力だ。
2009年から2年連続3位に入っているフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)は、「北のクラシック」と「アルデンヌ・クラシック」の両方で闘える希有なクラシックレーサー。昨年アムステル・ゴールドレースで勝利し、ジロ・ディ・ロンバルディアで連覇を果たした。
今年は急坂の数が18と多い。つまり昨年よりも起伏に富んだコースであり、ジルベール本人は「今年のコースは自分向きだ」と自信を覗かせる。ロンバルディアに続く2つ目の「モニュメント」制覇なるか。
石畳が敷かれたワンデークラシックを走れる数少ないスペイン人として知られるフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)は、「北のクラシック」の上位常連。ヘント〜ウェベルヘムでは2005年大会2位。パリ〜ルーベでも2007年2位、2010年3位という成績を残す。ロンドでは2008年3位で、スペイン人選手として初めて表彰台に登っている。
チームスカイはフレチャの他にもエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー)やマシュー・ヘイマン(オーストラリア)、イアン・スタナード(イギリス)、そしてジェレイント・トーマス(イギリス)を揃える盤石の体制だ。
クイックステップ所属時代の2008年と2009年にロンドを制しているステイン・デヴォルデル(ベルギー)は、今年プロチーム入りを果たしたヴァカンソレイユ・DCMのエースとしてロンドに帰ってくる。
昨年ベルギーで史上初めてロードとTTでナショナルチャンピオンに輝いたデヴォルデルだが、今季は低迷中。決してベストコンディションとは言えない。今季好調のトーマス・デヘント(ベルギー)やリエーベ・ヴェストラ(オランダ)が積極的にレースを動かしてくるだろう。
ヘント〜ウェベルヘムに引き続き、BMCレーシングチームは屈強なメンバー編成だ。2007年大会覇者のアレッサンドロ・バッラン(イタリア)を中心に、トップ10経験者が5名出場。タフレースの終盤にメンバーを残すことができれば、有利にレースを進めることができる。フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー)やジョージ・ヒンカピー(アメリカ)らがバッランを支える。
2008年大会6位、2009年大会5位のフィリッポ・ポッツァート(イタリア)はロシアのカチューシャを率いる。カチューシャのメンバーリストには、KBCデパンヌ3日間レースで落車し、前歯を折ったレイフ・ホステ(ベルギー)も含まれている。ホステは2004年、2006年、2007年のロンドで2位に入った33歳のベテランだ。
セミクラシックのドワーズ・ドア・フラーンデレンで劇的な逃げ切りを飾ったニック・ナイエンス(ベルギー)は、今年からサクソバンク・サンガードのエースを担う。ロンドでは2008年に2位に入っている。
昨年最多勝をマークしたHTC・ハイロードは、ミラノ〜サンレモを制したマシュー・ゴス(オーストラリア)とベルンハルト・アイゼル(オーストリア)の二枚看板。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)は2年連続の出場だが、昨年はタイムオーバーに終わっている。
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)はダークホースとして不気味な存在だ。サガンはヘント〜ウェベルヘムで積極的に逃げたが、ゴール前で吸収されて49位。KBCデパンヌ3日間レースでは第1ステージ6位、第2ステージ3位という成績を残しているが、ロンドに集中するためにリタイアしている。初出場のロンドでどんな走りを見せるのだろうか。
また、ヘント〜ウェベルヘムに引き続いて別府史之(レディオシャック)がロンドに挑む。フミは2年ぶり3度目のロンド出場。フミのレース直前インタビュー記事は後ほどお伝えします!
有力選手ピックアップ(数字はUnibetによるオッズ)
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)2.5
ディフェンディングチャンピオン。“リトルフランドル”と呼ばれる1週間前のE3プライス・フラーンデレンを圧倒的な独走で連覇。
トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)7.5
ベルギーの期待を背負う2度の優勝経験者(2005年と2006年)。1週間前のヘント〜ウェベルヘムでは集団スプリントを制して2度目の優勝。
フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)9
フランドル地方ではなく、ワロンヌ地方出身のクラシックレーサー。過去にジロ・ディ・ロンバルディア、アムステル・ゴールドレース、パリ〜トゥールを制している。2009年から2年連続3位。
ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)20
ミラノ〜サンレモとE3プライスで積極的な動き。2009年大会2位。
トル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)20
現ロード世界チャンピオン。2006年大会14位。
アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)21
2007年大会の優勝者。以降の大会で下位に沈んでいるが、今季ストラーデビアンケで2位に入り、ミラノ〜サンレモ4位。
ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)22
2008年から大会2連覇を達成。しかし今季は低迷し、ベストコンディションとは言えない。
フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)28
2009年大会5位、2008年大会6位。
フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)35
2008年大会でスペイン人選手として初めて表彰台に登ったクラシックレーサー。
ニック・ナイエンス(ベルギー、サクソバンク・サンガード)35
2008年大会2位。今季ドワーズ・ドア・フラーンデレン優勝。
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)35
初出場。世界が注目する弱冠21歳のオールラウンダー。今季ジロ・ディ・サルデーニャ総合優勝。ヘント〜ウェベルヘムで果敢に逃げを試みた。
シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)40
昨年大会24位。ヘント〜ウェベルヘムでは上記のサガンとともにエスケープ。ボーネンの良き相棒としてアタックでレースをかき回す。
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)55
2009年大会66位。アキレス腱に不安を抱えるノルウェーの星。
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)55
昨年大会5位。今季ドワーズ・ドア・フラーンデレン3位、ヘント〜ウェベルヘム3位。
フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)55
2008年大会8位。今季ミラノ〜サンレモ9位。
マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)70
ミラノ〜サンレモ優勝者。1週間前のヘント〜ウェベルヘムは体調不良により途中リタイア。2009年大会67位、昨年大会91位。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)150
昨年ロンドデビューを飾るも、タイムオーバーにより完走ならず。
ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、HTC・ハイロード)175
フランドルクラシックを得意とするオーストリア人。昨年ヘント〜ウェベルヘムで優勝。2008年大会11位、昨年大会16位。
ロジャー・ハモンド(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)200
ガーミン・サーヴェロが誇る高い戦力の一角。昨年大会7位。
イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)350
2008年大会73位、昨年大会84位。1週間前のヘント〜ウェベルヘムでは果敢に逃げるも、ラスト150mで吸収。
text:Kei Tsuji, Gregor Brown in Brugge, Belgium
カンチェラーラvsボーネン!レオパードvsクイックステップ?
カンチェラーラとボーネン。今年もこの2人を中心にタイトル争奪戦が巻き起こるのは間違いないだろう。
昨年の第94回大会で、両者は一騎打ちを繰り広げた。ゴール44km手前のモーレンベルグでカンチェラーラが仕掛けると、ボーネンだけが合流。スイスチャンピオンとベルギーチャンピオンの最強コンビは後続を引き離したまま難所ミュール・カペルミュールに突入した。
最大勾配19.8%のこの激坂でカンチェラーラがペースアップを図ると、ボーネンは堪らず脱落してしまう。独走体制に持ち込んだカンチェラーラは、ボーネンを1分15秒引き離す走りでゴールに飛び込んだ。
ライバルたちが消耗した地点でアタックを仕掛け、独走に持ち込むのがカンチェラーラの勝ちパターンだ。昨年のロンドだけでなく、ミラノ〜サンレモやパリ〜ルーベでも同様の独走勝利を飾っている。独走に持ち込めば、誰にも手が付けられない感がある。
カンチェラーラは1週間前のE3プライス・フラーンデレンでも独走で連覇を達成。コンディションはピークに達している。本人はこのロンドとパリ〜ルーベで連覇を狙う心意気。王者の威厳がそのコメントの中に見て取れる。「E3プライスは何としても連覇したかった。この調子でロンドとパリ〜ルーベも連覇したい。プレッシャー?もちろんプレッシャーは大きい。それは当然のことだ。そのプレッシャーに負けていては、レースに勝てるわけがない」。
レオパード・トレックにはスチュアート・オグレディ(オーストラリア)という心強いスーパーアシストがいる。E3プライスでもオグレディがカンチェラーラの独走をお膳立てした。カンチェラーラの厳しいマークを振りほどくため、オグレディが重要な役割を果たすことになるだろう。カンチェラーラ=オグレディのコンビはパリ〜ルーベでも実証済みだ。
対するボーネンの強みはスプリンターとしての爆発力だ。近年は独走力を身につけているが、そのスプリント力は健在。1週間前のヘント〜ウェベルヘムでも得意のスプリントで久々のメジャータイトルを手にした。カンチェラーラの独走を阻止し、スプリントに持ち込むことができればボーネンに有利な展開になる。
ボーネンの相棒はシルヴァン・シャヴァネル(フランス)。ヘント〜ウェベルヘムでもシャヴァネルが終盤に逃げたことで、ボーネンは力を貯めることができた。地元ベルギーチームとしての威信をかけて、クイックステップはヘルト・ステーグマン(ベルギー)やニキ・テルプストラ(オランダ)ら、ベストメンバーをロンドに送り込む。
「これで(カンチェラーラと)1勝1敗だって?いや、まだ0勝0敗だ」。ボーネンは慎重な態度を崩さない。なお、ヘント〜ウェベルヘムには宿敵カンチェラーラが出場していない。クイックステップはカンチェラーラを徹底的にマークし、ボーネンを集団スプリントに導きたい考え。レオパード・トレックvsクイックステップの闘いに注目したい。
アウトサイダーと呼ぶには豪華なその他の有力選手たち
カンチェラーラとボーネンの二強が互いを激しくマークする分、その他の選手たちにチャンスが回ってくる。
ガーミン・サーヴェロは、世界チャンピオンのトル・フースホフト(ノルウェー)、ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア)、タイラー・ファラー(アメリカ)という鉄壁の構え。アシストとしてロジャー・ハモンド(イギリス)やアンドレアス・クリアー(ドイツ)が控えており、最強チームと名乗れるほどの戦闘力だ。
2009年から2年連続3位に入っているフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)は、「北のクラシック」と「アルデンヌ・クラシック」の両方で闘える希有なクラシックレーサー。昨年アムステル・ゴールドレースで勝利し、ジロ・ディ・ロンバルディアで連覇を果たした。
今年は急坂の数が18と多い。つまり昨年よりも起伏に富んだコースであり、ジルベール本人は「今年のコースは自分向きだ」と自信を覗かせる。ロンバルディアに続く2つ目の「モニュメント」制覇なるか。
石畳が敷かれたワンデークラシックを走れる数少ないスペイン人として知られるフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)は、「北のクラシック」の上位常連。ヘント〜ウェベルヘムでは2005年大会2位。パリ〜ルーベでも2007年2位、2010年3位という成績を残す。ロンドでは2008年3位で、スペイン人選手として初めて表彰台に登っている。
チームスカイはフレチャの他にもエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー)やマシュー・ヘイマン(オーストラリア)、イアン・スタナード(イギリス)、そしてジェレイント・トーマス(イギリス)を揃える盤石の体制だ。
クイックステップ所属時代の2008年と2009年にロンドを制しているステイン・デヴォルデル(ベルギー)は、今年プロチーム入りを果たしたヴァカンソレイユ・DCMのエースとしてロンドに帰ってくる。
昨年ベルギーで史上初めてロードとTTでナショナルチャンピオンに輝いたデヴォルデルだが、今季は低迷中。決してベストコンディションとは言えない。今季好調のトーマス・デヘント(ベルギー)やリエーベ・ヴェストラ(オランダ)が積極的にレースを動かしてくるだろう。
ヘント〜ウェベルヘムに引き続き、BMCレーシングチームは屈強なメンバー編成だ。2007年大会覇者のアレッサンドロ・バッラン(イタリア)を中心に、トップ10経験者が5名出場。タフレースの終盤にメンバーを残すことができれば、有利にレースを進めることができる。フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー)やジョージ・ヒンカピー(アメリカ)らがバッランを支える。
2008年大会6位、2009年大会5位のフィリッポ・ポッツァート(イタリア)はロシアのカチューシャを率いる。カチューシャのメンバーリストには、KBCデパンヌ3日間レースで落車し、前歯を折ったレイフ・ホステ(ベルギー)も含まれている。ホステは2004年、2006年、2007年のロンドで2位に入った33歳のベテランだ。
セミクラシックのドワーズ・ドア・フラーンデレンで劇的な逃げ切りを飾ったニック・ナイエンス(ベルギー)は、今年からサクソバンク・サンガードのエースを担う。ロンドでは2008年に2位に入っている。
昨年最多勝をマークしたHTC・ハイロードは、ミラノ〜サンレモを制したマシュー・ゴス(オーストラリア)とベルンハルト・アイゼル(オーストリア)の二枚看板。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)は2年連続の出場だが、昨年はタイムオーバーに終わっている。
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)はダークホースとして不気味な存在だ。サガンはヘント〜ウェベルヘムで積極的に逃げたが、ゴール前で吸収されて49位。KBCデパンヌ3日間レースでは第1ステージ6位、第2ステージ3位という成績を残しているが、ロンドに集中するためにリタイアしている。初出場のロンドでどんな走りを見せるのだろうか。
また、ヘント〜ウェベルヘムに引き続いて別府史之(レディオシャック)がロンドに挑む。フミは2年ぶり3度目のロンド出場。フミのレース直前インタビュー記事は後ほどお伝えします!
有力選手ピックアップ(数字はUnibetによるオッズ)
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)2.5
ディフェンディングチャンピオン。“リトルフランドル”と呼ばれる1週間前のE3プライス・フラーンデレンを圧倒的な独走で連覇。
トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)7.5
ベルギーの期待を背負う2度の優勝経験者(2005年と2006年)。1週間前のヘント〜ウェベルヘムでは集団スプリントを制して2度目の優勝。
フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)9
フランドル地方ではなく、ワロンヌ地方出身のクラシックレーサー。過去にジロ・ディ・ロンバルディア、アムステル・ゴールドレース、パリ〜トゥールを制している。2009年から2年連続3位。
ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)20
ミラノ〜サンレモとE3プライスで積極的な動き。2009年大会2位。
トル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)20
現ロード世界チャンピオン。2006年大会14位。
アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)21
2007年大会の優勝者。以降の大会で下位に沈んでいるが、今季ストラーデビアンケで2位に入り、ミラノ〜サンレモ4位。
ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)22
2008年から大会2連覇を達成。しかし今季は低迷し、ベストコンディションとは言えない。
フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)28
2009年大会5位、2008年大会6位。
フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)35
2008年大会でスペイン人選手として初めて表彰台に登ったクラシックレーサー。
ニック・ナイエンス(ベルギー、サクソバンク・サンガード)35
2008年大会2位。今季ドワーズ・ドア・フラーンデレン優勝。
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)35
初出場。世界が注目する弱冠21歳のオールラウンダー。今季ジロ・ディ・サルデーニャ総合優勝。ヘント〜ウェベルヘムで果敢に逃げを試みた。
シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)40
昨年大会24位。ヘント〜ウェベルヘムでは上記のサガンとともにエスケープ。ボーネンの良き相棒としてアタックでレースをかき回す。
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)55
2009年大会66位。アキレス腱に不安を抱えるノルウェーの星。
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)55
昨年大会5位。今季ドワーズ・ドア・フラーンデレン3位、ヘント〜ウェベルヘム3位。
フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)55
2008年大会8位。今季ミラノ〜サンレモ9位。
マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)70
ミラノ〜サンレモ優勝者。1週間前のヘント〜ウェベルヘムは体調不良により途中リタイア。2009年大会67位、昨年大会91位。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)150
昨年ロンドデビューを飾るも、タイムオーバーにより完走ならず。
ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、HTC・ハイロード)175
フランドルクラシックを得意とするオーストリア人。昨年ヘント〜ウェベルヘムで優勝。2008年大会11位、昨年大会16位。
ロジャー・ハモンド(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)200
ガーミン・サーヴェロが誇る高い戦力の一角。昨年大会7位。
イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)350
2008年大会73位、昨年大会84位。1週間前のヘント〜ウェベルヘムでは果敢に逃げるも、ラスト150mで吸収。
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