2011年3月6日、西フランドル3日間レース(UCI2.1)最終日に行なわれた第2ステージでニコ・エークハウト(ベルギー、アンポスト・ショーンケリー)が勝利。20名の精鋭グループに入った新城幸也(ユーロップカー)はステージ10位に入り、総合13位でレースを終えた。

ハンドルを投げでゴールするニコ・エークハウト(ベルギー、アンポスト・ショーンケリー)とジミー・カスペール(フランス、ソール・ソジャサン)ハンドルを投げでゴールするニコ・エークハウト(ベルギー、アンポスト・ショーンケリー)とジミー・カスペール(フランス、ソール・ソジャサン) photo:Cor Vos西フランドル3日間レース最終日はニーウポールトからイフテゲムまでの199.5km。中盤にかけてモンテベルグやケンメルベルグなど、登りが6カ所設定されている。

この日は30km地点でリーダージャージのジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)を含む20名が先行し、後方の集団を引き離した。先頭集団の中には新城幸也(ユーロップカー)やドミニク・ロラン(カナダ、FDJ)、ジミー・アングルヴァン(フランス、ソール・ソジャサン)の姿。レディオシャックは総合トップスリーを含む4名を先頭集団に送り込んだ。

総合優勝に輝いたジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)総合優勝に輝いたジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック) photo:Cor Vos結局最後まで後方集団は追いつかず、先頭20名の精鋭グループが先行したままゴールへ。ラスト20km地点でヤン・ギセリンク(ベルギー、HTC・ハイロード)がアタックして独走に持ち込んだが、レディオシャックが状況をコントロールし、ラスト3kmでギセリンクを吸収する。

最後は20名によるスプリント勝負に持ち込まれ、ロングスパートを仕掛けたバート・デバッカー(ベルギー、スキル・シマノ)は最終ストレートで失速。ジミー・カスペール(フランス、ソール・ソジャサン)を写真判定で下したエークハウトが勝利した。

エークハウトは1970年生まれの40歳。過去にはロットやコルストロープ、トップスポート・フラーンデレンに所属し、ベルギーレースを中心に勝利を重ねた。2006年にはベルギー選手権を制し、同年UCIヨーロッパツアーの年間チャンピオンに輝いている。

エークハウトはベルギーSporzaのインタビューで久々の勝利を喜ぶ。「まだ勝ったことが信じられない。ハイスピードで追い上げたカスペールを振り切ることができて良かったよ。これがキャリア81勝目。昨シーズン背中を痛めてしまったので、こうして再び勝利の舞台に立てたことに驚いている。とにかく今日は素晴らしい一日だった。でもこれが最後かもしれない。今シーズンこれ以上勝てなかったとしてももう満足だ」。

リーダージャージを着るジェシー・サージェント(ニュージーランド)は、レディオシャックのチームメイトたちに一日中サポートされ、ステージ12位でフィニッシュ。初日の個人タイムトライアルで築いたリードを最後まで守り抜き、総合優勝に輝いた。

「今日は安全に走るために集団前方で走っていたんだ。横風で集団が分裂する可能性があった。狙っていたわけじゃないけど、気付いたら先頭集団に入っていた。ゴールまで先行し続けるとは予想していなかった。でもチームメイトのオリビエラとロセレル、クヴィアトコウスキが集団を引き続けてくれたおかげで逃げ切ることができた」。

サージェントは2005年のトラック世界選手権ジュニアの団体追い抜きで優勝。ニュージーランド代表として出場した2008年北京五輪団体追い抜きで銅メダルを獲得している。これがロードレースのキャリア最大の勝利だが、まだトラック競技との両立を続けると言う。

「ロードレースだけを追っているファンはまだ僕を知らないかもしれない。今はまだトラック競技を満喫している。次のロンドン五輪までトラック競技がメインだ。でも徐々にロードレースの出場回数を増やしたい。2012年のロンドン五輪以降はフルタイムでロードレースに専念するよ。次の目標は3月26日のトラック世界選手権だ」。まだサージェントは22歳。覚えていて損はない名前だ。

この日、精鋭集団の中でレースを展開し、最後はチームメイトのセバスティアン・シャヴァネル(フランス)のアシストを務めた新城幸也は10位でフィニッシュ。総合13位で3日間のレースを終えた。ユキヤは自身のTwitterで「今日は20人程の逃げに乗って、逃げ切ったが…最後は脚が無くて、結果は残念です」と悔やむ。しかし調子は上々。クラシックシーズンでの活躍に期待したい。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはベルギーSporzaおよびレディオシャック公式サイトより。

西フランドル3日間レース2011第2ステージ結果
1位 ニコ・エークハウト(ベルギー、アンポスト・ショーンケリー)   4h31'24"
2位 ジミー・カスペール(フランス、ソール・ソジャサン)
3位 ドミニク・ロラン(カナダ、FDJ)
4位 バート・デバッカー(ベルギー、スキル・シマノ)
5位 セバスティアン・シャヴァネル(フランス、ユーロップカー)
6位 クラース・ロデウィック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
7位 ヤール・サロメイン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
8位 ミカル・クヴィアトコウスキ(ポーランド、レディオシャック)
9位 マチュー・ラダニュ(フランス、FDJ)
10位 新城幸也(日本、ユーロップカー)

個人総合成績
1位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック) 8h33'02"
2位 セバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)      +10"
3位 ミカル・クヴィアトコウスキ(ポーランド、レディオシャック)
4位 ドミニク・ロラン(カナダ、FDJ)                 +15"
5位 マチュー・ラダニュ(フランス、FDJ)               +18"
6位 イェンス・モーリス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)      +19"
7位 ジミー・アングルヴァン(フランス、ソール・ソジャサン)      +20"
8位 ニコ・エークハウト(ベルギー、アンポスト・ショーンケリー)    +24"
9位 セバスティアン・シャヴァネル(フランス、ユーロップカー)     +33"
10位 クラース・ロデウィック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)   +40"
13位 新城幸也(日本、ユーロップカー)                +49"

ポイント賞
ドミニク・ロラン(カナダ、FDJ)

スプリント賞
ドミニク・ロラン(カナダ、FDJ)

新人賞
ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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