ガーミン・サーヴェロを運営するスリップストリームスポーツは1月23日、チーム規約違反でマシュー・ホワイト監督を解雇したと発表した。チームの発表によると、2009年にホワイト監督がトレント・ロウ(オーストラリア)をスペイン人のチーム外ドクターに紹介したことが解雇の理由だ。

ツアー・ダウンアンダーを制したガーミン・サーヴェロ 右奥にホワイト監督ツアー・ダウンアンダーを制したガーミン・サーヴェロ 右奥にホワイト監督 photo:Kei Tsuji1月23日に閉幕したツアー・ダウンアンダーでキャメロン・マイヤー(オーストラリア)を総合優勝に導いたホワイト監督は、同日、チームからショッキングな解雇通告を受けた。

ホワイト監督は、2009年4月にスペインのルイス・デルモラル医師を元所属選手のロウに紹介し、VO2(最大酸素摂取量)テストを行なったとされる。デルモラル医師は1999年から2003年にかけてUSポスタルのメディカルスタッフを務めていた人物。同チームに関しては、フロイド・ランディス(アメリカ)の告発によりドーピング疑惑が浮上している。

マシュー・ホワイト監督マシュー・ホワイト監督 photo:Makoto Ayanoアンチドーピングに関して厳しいチーム規約を定めているガーミン・サーヴェロは、チームのメディカルスタッフが承認していない医師への選手紹介を禁止している。チーム規約違反として、現役引退後の2008年からチームに携わっているホワイト監督は解雇された。

チームマネージャーを務めるジョナサン・ヴォーターズ氏は電話インタビューに対し「難しい判断だった。マット(ホワイト監督)はこれまで素晴らしい功績をチームに残して来た。友人でもあり、有能な監督だ。だがチーム規約は守られるべきものであり、例外を作ることは許されない」と答える。

ロウは昨年いっぱいでガーミンチームを離れ、現在はペガサススポーツに所属。事の発端は、ロウがガーミンチームのスタッフに過去のVO2テストを通知したこととされている。「どうしてこのタイミングかは分からないが、トレント(ロウ)から10日ほど前に通知を受けた。ツアー・ダウンアンダーに出場する選手たちを尊重し、レース期間中の発表は控えたんだ。マットは不本意ながらも我々の決断を受け入れてくれた。」

ホワイト監督に関しては、オーストラリアで2012年に立ち上がる新チーム・グリーンエッジサイクリングに加入するとの噂が立っている。しかしヴォーターズ監督は今回の解雇とは無関係だと断言した。

text:Gregor Brown in Adelaide, Australia
translation:Kei Tsuji