2010/10/14(木) - 23:41
雷が響く大雨のなかスタートしたツアー・オブ・ハイナン第4ステージ。大雨被害の影響でコースが短縮され開催された。ステージ優勝は集団スプリントを制したケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)の手に。
深夜から建物が揺れるくらいの雷と豪雨に見舞われたスタート地点。朝になり雨は止んだものの、選手たちがサインをし始める頃から再び降り始め、スコールのような大雨の中でスタートを迎えた。
第4ステージは距離が短縮され103.6kmの平坦ステージとなる。途中3ヶ所にスプリントポイントが用意されているが、目立った上り区間はない。レースは序盤から頻繁にアタックがかかるもどれも決まらないまま速いペースで進んでいく。
レースをコントロールするのは、リーダージャージを着るヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)のアスタナと出身国カザフスタンのナショナルチームだ。
最初のスプリントポイントをトップ通過したのは、エンリケ・マタ(フットオン・セルヴェット、スペイン)だったが、2つ目、3つ目のスプリントポイントはイグリンスキーがチームメイトの鉄壁のアシストにより難なく獲得。ボーナスタイムも6秒獲得する。
最初は痛さを感じる激しい雨だったが、レースが後半に差し掛かるにつれ、晴れ間が見えるほどに回復した。目立った機材トラブルは少なかったように思われるが、後半に起こった落車で鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム、日本)とジェリーベリー・サイクリングの選手のバイクが絡まってしまう。しかし、すぐに2人とも走りだし、問題なく集団に復帰。
レースはアスタナがコントロールするままゴールを迎える。「ゴール手前1kmの地点までケニーを連れて行くのがチームの役目でした」と振り返るのは土井雪広(スキル・シマノ、日本)。
スキル・シマノのトレインがケニーを残り1kmまで加速させ、ケニーはロシア・ナショナルチームの列車の後ろに付き、最後に前に出て優勝した。さらに土井は「インターバルがかかるスプリントよりもスピードのあるスプリントがケニーの得意パターン。今日はそのいいパターンに嵌りましたね。5,000ドル獲得です!」と嬉しそうに話す。
ステージ優勝したケニーは「今日はチームメイトのおかげで勝てたステージだったと思う。今回、スキル・シマノの目的は2つ。できるだけ多くのステージ優勝をすることと、中国人選手たちを総合上位でゴールさせることなんだ。明日からも頑張るよ!」とコメント。
愛三工業レーシングチームは、スプリントで惜しくも上位に食い込むことはできなかった。スプリンター西谷泰治はステージ18位フィニッシュ。総合は順位を1つ落とし3位となった。
「ケニーの後ろに付いたが、うまく位置取りをすることができなかった。この先、大きな山岳がないので、おそらくイグリンスキーは、スプリントポイントやゴールスプリントでタイムを稼ぐことになると思う。だから、この先スプリント勝負が多くなると読んでいます。ステージ優勝を狙うには、いい展開なので、明日以降も頑張りたいと思います」と話す。
イグリンスキーは2つのスプリントポイントだけでなく、ステージ2位に入る大健闘。ボーナスタイムを計12秒獲得し、総合2位のジョニー・ウォーカー(フットオン・セルヴェット、オーストラリア)に15秒の差をつけた。「チームみんなの力で、2位のウォーカーを大きく引き離すことに成功した。明日からもチーム一丸となって走りたいと思う」とコメント。
明日、第5ステージのコースも当初の予定より短くショートカットされている。レースと一緒に動いていると大きな被害を受けた町を避けるため、その深刻さを目にすることはできないが、報道を見るかぎり50年ぶりと言われる大雨の被害は甚大だ。「たくさん降ったからもう降らないよ」なんて現地の人は話しているが、この先も雨の予報が出ているとか。このまま無事にレースが進むことを願う。
ツアー・オブ・ハイナン2010第4ステージ結果
1位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)2:19:37
2位 ヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)
3位 イヴァン・コバレフ(ロシア・ナショナルチーム、ロシア)
18位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム、日本)
47位 土井雪広(スキル・シマノ、日本)
52位 福田真平(愛三工業レーシングチーム、日本)
65位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム、日本
73位 盛一大(愛三工業レーシングチーム、日本)
106位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム、日本)2:19:57
個人総合成績
1 ヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)12:05:21
2 ジョニー・ウォーカー(フットオン・セルヴェット、オーストラリア)+15秒
3 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム、日本)+16秒
13 盛一大(愛三工業レーシングチーム、日本)+22秒
18 土井雪広(スキル・シマノ、日本)+22秒
32 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム、日本)+28秒
56 福田真平(愛三工業レーシングチーム、日本)+2分42秒
82 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム、日本)+3分02秒
アジア最高位
ヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)
ポイント賞
ヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)
山岳賞
アルカイス・ドゥーラン(フットオン・セルヴェット、スペイン)
text&photo:Sonoko Tanaka
深夜から建物が揺れるくらいの雷と豪雨に見舞われたスタート地点。朝になり雨は止んだものの、選手たちがサインをし始める頃から再び降り始め、スコールのような大雨の中でスタートを迎えた。
第4ステージは距離が短縮され103.6kmの平坦ステージとなる。途中3ヶ所にスプリントポイントが用意されているが、目立った上り区間はない。レースは序盤から頻繁にアタックがかかるもどれも決まらないまま速いペースで進んでいく。
レースをコントロールするのは、リーダージャージを着るヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)のアスタナと出身国カザフスタンのナショナルチームだ。
最初のスプリントポイントをトップ通過したのは、エンリケ・マタ(フットオン・セルヴェット、スペイン)だったが、2つ目、3つ目のスプリントポイントはイグリンスキーがチームメイトの鉄壁のアシストにより難なく獲得。ボーナスタイムも6秒獲得する。
最初は痛さを感じる激しい雨だったが、レースが後半に差し掛かるにつれ、晴れ間が見えるほどに回復した。目立った機材トラブルは少なかったように思われるが、後半に起こった落車で鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム、日本)とジェリーベリー・サイクリングの選手のバイクが絡まってしまう。しかし、すぐに2人とも走りだし、問題なく集団に復帰。
レースはアスタナがコントロールするままゴールを迎える。「ゴール手前1kmの地点までケニーを連れて行くのがチームの役目でした」と振り返るのは土井雪広(スキル・シマノ、日本)。
スキル・シマノのトレインがケニーを残り1kmまで加速させ、ケニーはロシア・ナショナルチームの列車の後ろに付き、最後に前に出て優勝した。さらに土井は「インターバルがかかるスプリントよりもスピードのあるスプリントがケニーの得意パターン。今日はそのいいパターンに嵌りましたね。5,000ドル獲得です!」と嬉しそうに話す。
ステージ優勝したケニーは「今日はチームメイトのおかげで勝てたステージだったと思う。今回、スキル・シマノの目的は2つ。できるだけ多くのステージ優勝をすることと、中国人選手たちを総合上位でゴールさせることなんだ。明日からも頑張るよ!」とコメント。
愛三工業レーシングチームは、スプリントで惜しくも上位に食い込むことはできなかった。スプリンター西谷泰治はステージ18位フィニッシュ。総合は順位を1つ落とし3位となった。
「ケニーの後ろに付いたが、うまく位置取りをすることができなかった。この先、大きな山岳がないので、おそらくイグリンスキーは、スプリントポイントやゴールスプリントでタイムを稼ぐことになると思う。だから、この先スプリント勝負が多くなると読んでいます。ステージ優勝を狙うには、いい展開なので、明日以降も頑張りたいと思います」と話す。
イグリンスキーは2つのスプリントポイントだけでなく、ステージ2位に入る大健闘。ボーナスタイムを計12秒獲得し、総合2位のジョニー・ウォーカー(フットオン・セルヴェット、オーストラリア)に15秒の差をつけた。「チームみんなの力で、2位のウォーカーを大きく引き離すことに成功した。明日からもチーム一丸となって走りたいと思う」とコメント。
明日、第5ステージのコースも当初の予定より短くショートカットされている。レースと一緒に動いていると大きな被害を受けた町を避けるため、その深刻さを目にすることはできないが、報道を見るかぎり50年ぶりと言われる大雨の被害は甚大だ。「たくさん降ったからもう降らないよ」なんて現地の人は話しているが、この先も雨の予報が出ているとか。このまま無事にレースが進むことを願う。
ツアー・オブ・ハイナン2010第4ステージ結果
1位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)2:19:37
2位 ヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)
3位 イヴァン・コバレフ(ロシア・ナショナルチーム、ロシア)
18位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム、日本)
47位 土井雪広(スキル・シマノ、日本)
52位 福田真平(愛三工業レーシングチーム、日本)
65位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム、日本
73位 盛一大(愛三工業レーシングチーム、日本)
106位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム、日本)2:19:57
個人総合成績
1 ヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)12:05:21
2 ジョニー・ウォーカー(フットオン・セルヴェット、オーストラリア)+15秒
3 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム、日本)+16秒
13 盛一大(愛三工業レーシングチーム、日本)+22秒
18 土井雪広(スキル・シマノ、日本)+22秒
32 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム、日本)+28秒
56 福田真平(愛三工業レーシングチーム、日本)+2分42秒
82 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム、日本)+3分02秒
アジア最高位
ヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)
ポイント賞
ヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ、カザフスタン)
山岳賞
アルカイス・ドゥーラン(フットオン・セルヴェット、スペイン)
text&photo:Sonoko Tanaka
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