2010/10/05(火) - 01:32
シマノVSほか全チーム。いわきクリテの決勝はまさにその構図。シマノの全員が交互にアタック、他チームが追走に。最後は集団ゴールを制した鈴木真理(シマノレーシング)が大会4連覇を果たした。
10月3日(日)、福島県いわき市21世紀の森公園でJサイクルツアー第15戦、クリテリウムinいわきが行われた。公園内の園路を使ったクリテリウム。1周1.43kmを35周する49.85kmで、カーブや直角コーナー、狭い区間や路面の凹凸がありスピードとテクニックの必要なコース。
「ユキヤが世界戦で9位!」会場にニュースが流れるとどよめく。TR決勝で選手がスタートラインについたそのとき、ちょうど世界選手権エリート男子がゴール。ユキヤの快挙に誰もが高揚する。日本の自転車シーンにとっての歴史的瞬間にTRがスタート。
いわきクリテには予選がある。土曜日の予選2組で各15名と日曜日朝の敗者復活戦「おはようクリテ」(土曜日参加しない選手も含む)の10名で、合計40名が決勝に出られる。さすがにシマノ、ブリヂストン・アンカー、宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグ・コラテックの各選手は全員が決勝進出だ。
スタートからアタックがかかる。ラップタイムは2分5秒前後と、他クラスよりも10秒以上速い。コースの性格上、40人が一列棒状になるのは半分以上の箇所で、特に周回の終盤は完全に一列。後方にいる選手は徐々に千切れていく。
序盤からシマノのアタックが連続する。村上純平、阿部嵩之、島田真琴、飯野嘉則、鈴木譲、畑中勇介、鈴木真理。そう、シマノレーシングの参加7人全員が交互にアタックする。特に村上、阿部は単独で逃げる場面が多い。
これらを追走するのは柿沼章・斉藤翔太・辻善光(宇都宮ブリッツェン)、涌本正樹・澤田賢匠(マトリックスパワータグ・コラテック)、飯島誠(チームブリヂストン・アンカー) ら。カウンターで彼らがアタックする場面も。
シマノ主導で動くが決定的な逃げはできない。例年ならば数人の逃げができることが多いが、今回はすべての逃げがつぶされる。
そして終盤、逃げができないときに備え、各チームがまとまってゴールスプリントに備える。最終周回、ハイスピードのまま先頭はシマノ勢が固めて最終コーナーへ。
最後のストレートは村上が先頭。辻、鈴木真理、飯島、畑中の並び。辻が満を持してスパート、そして鈴木も反対側からスパート。辻が先行したが鈴木が並び、抜き去る。畑中も追い上げる。ゴールは鈴木が余裕のガッツポーズでこの大会4連覇。
シマノ勢が圧倒的な強さを見せたが、シマノの第一の作戦はシマノだけの逃げを作ることだった。しかしブリッツェンをはじめ各チームが激しく追撃してこれを阻止した。ニッポ、愛三がいなくてBSアンカーはエスポワール勢が中心。この陣容ではシマノが圧勝かと思われたが、少なくとも途中の走りでは束になれば互角で、全員が力を出し尽くす好レースだった。
優勝の鈴木真理
「4連覇はできたけれども、チームとしては敗北と言っていい。アベタカが逃げてそれにシマノが単独合流、などとしたかったが。他チームの攻撃が強くてシマノだけの逃げを作れなかった」
「今日のエースはボクではないです。若手が逃げて勝つ、それが目標だったので。若手は皆、自分が勝とうと走っている。辻選手も強いので集団ゴールはチームとして避けたかった。ボクはその集団ゴールの場合に行く役目でした」
3位の辻善光
「集団のスピードは全く落ちなかった。シマノがエンドレスでアタックをかけて、それを柿沼さんと斉藤が追ってくれたので助かった。ゴール前はシマノの列車に入り込んだけれど、僕の後ろが真理さんだったのでこのスプリントは不利だなと思った」
「シマノがまとまっていて強かった。途中であれほど動いたシマノのメンバーが、最後にみんな上位に来るのはすごいポテンシャルを持っている。チームの動きのミスはなかった。ボクの力が足りなかったです」
結果
TR 49.85km
1位 鈴木真理(シマノレーシング)1時間15分33秒
2位 畑中勇介(シマノレーシング)
3位 辻善光(宇都宮ブリッツェン)
4位 鈴木譲(シマノレーシング)+01秒
5位 村上純平(シマノレーシング)
6位 飯島誠(チームブリヂストン・アンカー)
7位 小坂光(宇都宮ブリッツェン)
8位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
9位 小室雅成(湘南ベルマーレ)+02秒
10位 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)
FR 24.6km
1位 西加南子(LUMINARIA)41分48秒
2位 高橋奈美(JBCF J-FEMININ)
3位 堀友紀代(Ready Go JAPAN)
BR-1 42.7km
1位 阿部健弥(チーム スキップ)1時間08分58秒
2位 相原浩(チーム スキップ)
3位 平井栄一(ブリヂストン・エスポワール)
4位 中西昭夫(竹芝サイクルレーシング)
5位 井上人志(クラブシルベスト)
6位 内野直也(湘南ベルマーレ・コムレイド)
ER 35.55km
1位 熊坂和也(かぶちゃん農園・ボンシャンス飯田)59分53秒
2位 高田雄太(たかだフレンドレーシング)+01秒
3位 中川正一(バルバクラブ)
4位 菱沼由季典(Esperance Stage我逢人)
5位 篠崎一夫(NAMAZU PLUS TOCHIGI)+02秒
6位 大場重幸(SUBARU RT)
photo&text:高木秀彰
10月3日(日)、福島県いわき市21世紀の森公園でJサイクルツアー第15戦、クリテリウムinいわきが行われた。公園内の園路を使ったクリテリウム。1周1.43kmを35周する49.85kmで、カーブや直角コーナー、狭い区間や路面の凹凸がありスピードとテクニックの必要なコース。
「ユキヤが世界戦で9位!」会場にニュースが流れるとどよめく。TR決勝で選手がスタートラインについたそのとき、ちょうど世界選手権エリート男子がゴール。ユキヤの快挙に誰もが高揚する。日本の自転車シーンにとっての歴史的瞬間にTRがスタート。
いわきクリテには予選がある。土曜日の予選2組で各15名と日曜日朝の敗者復活戦「おはようクリテ」(土曜日参加しない選手も含む)の10名で、合計40名が決勝に出られる。さすがにシマノ、ブリヂストン・アンカー、宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグ・コラテックの各選手は全員が決勝進出だ。
スタートからアタックがかかる。ラップタイムは2分5秒前後と、他クラスよりも10秒以上速い。コースの性格上、40人が一列棒状になるのは半分以上の箇所で、特に周回の終盤は完全に一列。後方にいる選手は徐々に千切れていく。
序盤からシマノのアタックが連続する。村上純平、阿部嵩之、島田真琴、飯野嘉則、鈴木譲、畑中勇介、鈴木真理。そう、シマノレーシングの参加7人全員が交互にアタックする。特に村上、阿部は単独で逃げる場面が多い。
これらを追走するのは柿沼章・斉藤翔太・辻善光(宇都宮ブリッツェン)、涌本正樹・澤田賢匠(マトリックスパワータグ・コラテック)、飯島誠(チームブリヂストン・アンカー) ら。カウンターで彼らがアタックする場面も。
シマノ主導で動くが決定的な逃げはできない。例年ならば数人の逃げができることが多いが、今回はすべての逃げがつぶされる。
そして終盤、逃げができないときに備え、各チームがまとまってゴールスプリントに備える。最終周回、ハイスピードのまま先頭はシマノ勢が固めて最終コーナーへ。
最後のストレートは村上が先頭。辻、鈴木真理、飯島、畑中の並び。辻が満を持してスパート、そして鈴木も反対側からスパート。辻が先行したが鈴木が並び、抜き去る。畑中も追い上げる。ゴールは鈴木が余裕のガッツポーズでこの大会4連覇。
シマノ勢が圧倒的な強さを見せたが、シマノの第一の作戦はシマノだけの逃げを作ることだった。しかしブリッツェンをはじめ各チームが激しく追撃してこれを阻止した。ニッポ、愛三がいなくてBSアンカーはエスポワール勢が中心。この陣容ではシマノが圧勝かと思われたが、少なくとも途中の走りでは束になれば互角で、全員が力を出し尽くす好レースだった。
優勝の鈴木真理
「4連覇はできたけれども、チームとしては敗北と言っていい。アベタカが逃げてそれにシマノが単独合流、などとしたかったが。他チームの攻撃が強くてシマノだけの逃げを作れなかった」
「今日のエースはボクではないです。若手が逃げて勝つ、それが目標だったので。若手は皆、自分が勝とうと走っている。辻選手も強いので集団ゴールはチームとして避けたかった。ボクはその集団ゴールの場合に行く役目でした」
3位の辻善光
「集団のスピードは全く落ちなかった。シマノがエンドレスでアタックをかけて、それを柿沼さんと斉藤が追ってくれたので助かった。ゴール前はシマノの列車に入り込んだけれど、僕の後ろが真理さんだったのでこのスプリントは不利だなと思った」
「シマノがまとまっていて強かった。途中であれほど動いたシマノのメンバーが、最後にみんな上位に来るのはすごいポテンシャルを持っている。チームの動きのミスはなかった。ボクの力が足りなかったです」
結果
TR 49.85km
1位 鈴木真理(シマノレーシング)1時間15分33秒
2位 畑中勇介(シマノレーシング)
3位 辻善光(宇都宮ブリッツェン)
4位 鈴木譲(シマノレーシング)+01秒
5位 村上純平(シマノレーシング)
6位 飯島誠(チームブリヂストン・アンカー)
7位 小坂光(宇都宮ブリッツェン)
8位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
9位 小室雅成(湘南ベルマーレ)+02秒
10位 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)
FR 24.6km
1位 西加南子(LUMINARIA)41分48秒
2位 高橋奈美(JBCF J-FEMININ)
3位 堀友紀代(Ready Go JAPAN)
BR-1 42.7km
1位 阿部健弥(チーム スキップ)1時間08分58秒
2位 相原浩(チーム スキップ)
3位 平井栄一(ブリヂストン・エスポワール)
4位 中西昭夫(竹芝サイクルレーシング)
5位 井上人志(クラブシルベスト)
6位 内野直也(湘南ベルマーレ・コムレイド)
ER 35.55km
1位 熊坂和也(かぶちゃん農園・ボンシャンス飯田)59分53秒
2位 高田雄太(たかだフレンドレーシング)+01秒
3位 中川正一(バルバクラブ)
4位 菱沼由季典(Esperance Stage我逢人)
5位 篠崎一夫(NAMAZU PLUS TOCHIGI)+02秒
6位 大場重幸(SUBARU RT)
photo&text:高木秀彰
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