先頭グループへ合流するトーマス・ピドコック(イギリス) (c)Val di Sole Bike Land マチュー・ファンデルプール(オランダ)とアラン・ハザリー(南アフリカ)。両者ともに勝負に絡めず沈んだ (c)Val di Sole Bike Land ボワシ、マルタン、マティス・アザロといった強豪フランス勢が先頭を固め、ピドコックとファンデルプールは30番手付近でスタートループをクリアする。波に乗るボワシは1周目の登坂区間でペースアップを続け、2周目に入る頃にはフランス勢3名を含む8名の先頭グループが形成される。ピドコックは15秒ほど遅れた大集団の中で様子を伺い、ファンデルプールはその後方。試走での落車負傷を引きずっていたピドコックはやがて大集団を抜け出して単独追走を仕掛けた一方、「レースのかなり早い段階で自分の脚の状態が悪いことに気づいていた」と振り返るファンデルプールはそのままの位置で沈むこととなってしまう。
アルドリッジを引き離すトーマス・ピドコック(イギリス) (c)Val di Sole Bike Land ラスト1周半を独走するトーマス・ピドコック(イギリス) (c)Val di Sole Bike Land 先頭グループ内で数的優位を維持していたフランス勢はボワシ一人だけとなり、反対にイギリスはピドコックとアルドリッジの2人に。全8周回の6周目に入ると「残り2周回、差をつけられるかどうか見てみようと思った」と振り返るピドコックが登坂区間でアタックする。落車の影響を感じさせない断続的なペースアップでボワシをドロップさせ、7周目の登坂でヴィダウレを、時間を置いてチームメイトのアルドリッジも切れ味鋭いアタックで引きちぎる。こうして1周半を残してピドコックの独走が始まった。
バイクを掲げてフィニッシュするトーマス・ピドコック(イギリス) (c)Val di Sole Bike Land 「今回の勝利を(レース中の事故で逝去した)フィン・ターリングと(その兄の)ジョシュに贈りたい。ブエルタに参戦したジョシュの姿を見て信じられない気持ちになったよ。彼と、彼の家族に捧げる勝利だ」と、イネオス時代にチームメイトだったターリング一家について、涙を浮かべながらインタビューで答えたピドコック。レースについては「一度でも限界を超えてはいけないコースだから、痛めた腰の具合を見ながらどこまでペースを上げられるか見ていたんだ。来年はもっとロードレースに照準を合わせるけれど、アルカンシエルを着る機会を探して楽しみたい。チャーリー(アルドリッジ)は凄い走りだったよ。彼の所属するキャノンデールチームは今季を通して素晴らしい成績を出していると思う」とコメントを残している。
MTB世界選手権2026 XCO男子エリート表彰台 (c)Val di Sole Bike Land また、ファンデルプールはスタート時点からポジションを上げることはできずに4分40秒遅れの30位でフィニッシュ。MTBでアルカンシエルを掴むという夢は今年も実現しなかった。「今日は脚に全く力が入らなかった。本当に調子が悪かった。先週と今週のトレーニングでは調子が良かったけれど、マウンテンバイクのコースは嘘をつかない。去年は力を発揮できない予感はあったけれど、今年は良い結果を期待していんだ。でも、もうどうすることもできない。残念だけどこういう日もある」と、昨年の29位に続く失速に失望を隠していない。