1級山岳アルト・デ・アイタナが舞台となったブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージはエンリク・マス(スペイン、モビスター)が勝利。ポガチャル棄権でマイヨロホを受け取ったマスが、スペイン人として2014年以来となるリーダージャージでの区間優勝を飾った。
第9ステージ 8月30日(日)
ラ・ヴィラホヨサ〜アルト・デ・アイタナ 187.4km(山岳)

2018年以来となるスペインのマイヨロホ着用者となったエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos

第9ステージ ラ・ヴィラホヨサ〜アルト・デ・アイタナ image:A.S.O. タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)がマイヨロホ姿で去った翌日、ブエルタ・ア・エスパーニャの1週目は厳しい1級山岳フィニッシュで締めくくられる。しかもコースには平坦区間が見当たらないほどアップダウンを繰り返す、獲得標高差5,000m超のタフなレイアウトだ。
ラ・ヴィラホヨサから選手たちはカテゴリーのつかない丘を越え、最初の2級山岳を登坂。その後も1級、3級、2級、2級と立て続けに越え、下ってから最後に臨むのは1級山岳アルト・デ・アイタナ。登坂距離は22kmと長い一方、平均勾配は5.8%と穏やか。しかし残り6km付近には平均9.4%の厳しい区間があり、その後も8%前後の勾配がフィニッシュまで続く。
逃げはスタート直後に形成され、総合エースを失ったUAEチームエミレーツXRGはパヴェル・シヴァコフ(フランス)を送る。また現役ラストのグランツールを走るアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)など、合計6名がリードを得る。しかしこの日1つ目の2級山岳でメイン集団ではアタックと吸収が繰り返され、メンバーの入れ替えを経て、新たに15名の逃げ集団が出来上がった。

アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)らが形成した逃げ集団 photo:CorVos

プロトンを先導するモビスター photo:A.S.O.
続く1級山岳はサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭通過し、マイヨモンターニャ(山岳賞)争いで首位に浮上。その後も先頭集団の人数は変動し、24名まで膨れ上がる。ブイトラゴは続く3級、2級山岳も先頭を取り、下り区間でアレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ)がアタック。この日は23歳の誕生日だったロメレには、最終山岳を前にシヴァコフと24歳のスペイン王者マルセル・カンプルビ(ピナレロQ36.5プロサイクリング)が追いつき、3名で1級山岳アルト・デ・アイタナ(距離22km/平均5.8%)に入った。
その時点で追走集団とは1分19秒、モビスターが先導するプロトンとは5分8秒差と、逃げ切り勝利も十分に可能なマージンだった。しかしバースデーボーイのロメレが早くも先頭集団から脱落し、メイン集団ではデカトロンCMA CGMが高速牽引でライバルたちに攻撃を仕掛ける。そのペースによってプロトンは追走集団を飲み込み、一気に差が縮まっていく展開にしびれを切らしたシヴァコフがスペイン王者を振り切り、残り10km地点で単独先頭に立った。

1級山岳アルト・デ・アイタナを登っていく選手たち photo:A.S.O.

フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)のアタックは決まらなかった photo:A.S.O.

鋭い加速を見せたリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos
シヴァコフの目標はポガチャル棄権で士気の下がったチームに勝利をもたらすこと。しかしグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、デカトロンCMA CGM)の強烈なペースメイクはシヴァコフとの差を縮め、さらにライバルたちのアシスト陣を引き剥がす。そして残り6.9km地点で、フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)がアタックした。
総合3位ガルの仕掛けは大きな違いを作らなかったものの、精鋭集団をエンリク・マス(スペイン、モビスター)やプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)、オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)など総合上位勢らに絞り込む。一度牽制に入った集団からは総合6位につけるリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックし、大きなリードを築いたものの、オンリーの加速で集団はカラパスを捉えた。
直後にシヴァコフが吸収され、ステージ優勝は総合上位勢に委ねられたかと思われた。しかしここから一度逃げ集団から遅れ、総合勢と共にレース先頭へ舞い戻ったブイトラゴがアタック。これは失敗に終わり、アタックと吸収、そして牽制状態が繰り返される。その均衡を崩したのが、マイヨロホを着るマスだった。

先行するエンリク・マス(スペイン、モビスター)の背後にオスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)がつく photo:CorVos
マスは先導していたマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)ら3名に追いつくと、そのままのスピードで先頭に立つ。その速度に唯一オンリーが食らいつく。その後、一定のペースで踏み続けたログリッチも追いついた。しかし直後にマスが再び踏み込み、ログリッチを引き離すと、先頭2名はラスト1kmを示すゲートをくぐる。
マスはオンリーに先頭を譲ることなく、残り200mで腰を上げる。背後ではオンリーも食らいついたが、マスがそのままフィニッシュラインを通過。マイヨロホを着たスペイン人選手として、2014年のアルベルト・コンタドール以来のステージ優勝となった。

8年ぶり2度目のステージ優勝を飾ったエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos

マイヨロホのリードを拡大したエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos
「タデイ(ポガチャル)の気持ちが分かった。このジャージは本当に翼を授けてくれる。ずっと落ち着いて走ることができたし、この状況を本当にうまくコントロールできた。最後まで感触もよく、ライバルたちの状態を逐一伝えてくれたチームディレクターたちに感謝している」と喜んだマス。
総合2位のログリッチが12秒遅れでフィニッシュしたため、マスは総合リードを1分から1分18秒まで拡大。「正直なところ、かなり慎重になっている。これまでのキャリアで何度も痛い目に遭ってきたからね。でもこれは、これまで味わった中でも最高の気分の一つ。マイヨロホを着て手に入れた勝利は、本当に特別だ」と語っている。
総合上位に大きな変動はなかったものの、セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)が1分44秒遅れの区間11位とタイムを失い、総合4位から7位に順位を落としている。
第9ステージ 8月30日(日)
ラ・ヴィラホヨサ〜アルト・デ・アイタナ 187.4km(山岳)


ラ・ヴィラホヨサから選手たちはカテゴリーのつかない丘を越え、最初の2級山岳を登坂。その後も1級、3級、2級、2級と立て続けに越え、下ってから最後に臨むのは1級山岳アルト・デ・アイタナ。登坂距離は22kmと長い一方、平均勾配は5.8%と穏やか。しかし残り6km付近には平均9.4%の厳しい区間があり、その後も8%前後の勾配がフィニッシュまで続く。
逃げはスタート直後に形成され、総合エースを失ったUAEチームエミレーツXRGはパヴェル・シヴァコフ(フランス)を送る。また現役ラストのグランツールを走るアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)など、合計6名がリードを得る。しかしこの日1つ目の2級山岳でメイン集団ではアタックと吸収が繰り返され、メンバーの入れ替えを経て、新たに15名の逃げ集団が出来上がった。


続く1級山岳はサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭通過し、マイヨモンターニャ(山岳賞)争いで首位に浮上。その後も先頭集団の人数は変動し、24名まで膨れ上がる。ブイトラゴは続く3級、2級山岳も先頭を取り、下り区間でアレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ)がアタック。この日は23歳の誕生日だったロメレには、最終山岳を前にシヴァコフと24歳のスペイン王者マルセル・カンプルビ(ピナレロQ36.5プロサイクリング)が追いつき、3名で1級山岳アルト・デ・アイタナ(距離22km/平均5.8%)に入った。
その時点で追走集団とは1分19秒、モビスターが先導するプロトンとは5分8秒差と、逃げ切り勝利も十分に可能なマージンだった。しかしバースデーボーイのロメレが早くも先頭集団から脱落し、メイン集団ではデカトロンCMA CGMが高速牽引でライバルたちに攻撃を仕掛ける。そのペースによってプロトンは追走集団を飲み込み、一気に差が縮まっていく展開にしびれを切らしたシヴァコフがスペイン王者を振り切り、残り10km地点で単独先頭に立った。



シヴァコフの目標はポガチャル棄権で士気の下がったチームに勝利をもたらすこと。しかしグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、デカトロンCMA CGM)の強烈なペースメイクはシヴァコフとの差を縮め、さらにライバルたちのアシスト陣を引き剥がす。そして残り6.9km地点で、フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)がアタックした。
総合3位ガルの仕掛けは大きな違いを作らなかったものの、精鋭集団をエンリク・マス(スペイン、モビスター)やプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)、オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)など総合上位勢らに絞り込む。一度牽制に入った集団からは総合6位につけるリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックし、大きなリードを築いたものの、オンリーの加速で集団はカラパスを捉えた。
直後にシヴァコフが吸収され、ステージ優勝は総合上位勢に委ねられたかと思われた。しかしここから一度逃げ集団から遅れ、総合勢と共にレース先頭へ舞い戻ったブイトラゴがアタック。これは失敗に終わり、アタックと吸収、そして牽制状態が繰り返される。その均衡を崩したのが、マイヨロホを着るマスだった。

マスは先導していたマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)ら3名に追いつくと、そのままのスピードで先頭に立つ。その速度に唯一オンリーが食らいつく。その後、一定のペースで踏み続けたログリッチも追いついた。しかし直後にマスが再び踏み込み、ログリッチを引き離すと、先頭2名はラスト1kmを示すゲートをくぐる。
マスはオンリーに先頭を譲ることなく、残り200mで腰を上げる。背後ではオンリーも食らいついたが、マスがそのままフィニッシュラインを通過。マイヨロホを着たスペイン人選手として、2014年のアルベルト・コンタドール以来のステージ優勝となった。


「タデイ(ポガチャル)の気持ちが分かった。このジャージは本当に翼を授けてくれる。ずっと落ち着いて走ることができたし、この状況を本当にうまくコントロールできた。最後まで感触もよく、ライバルたちの状態を逐一伝えてくれたチームディレクターたちに感謝している」と喜んだマス。
総合2位のログリッチが12秒遅れでフィニッシュしたため、マスは総合リードを1分から1分18秒まで拡大。「正直なところ、かなり慎重になっている。これまでのキャリアで何度も痛い目に遭ってきたからね。でもこれは、これまで味わった中でも最高の気分の一つ。マイヨロホを着て手に入れた勝利は、本当に特別だ」と語っている。
総合上位に大きな変動はなかったものの、セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)が1分44秒遅れの区間11位とタイムを失い、総合4位から7位に順位を落としている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2026第9ステージ結果
| 1位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 5:10:40 |
| 2位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | |
| 3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:12 |
| 4位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +0:18 |
| 5位 | クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、XDSアスタナ) | +0:20 |
| 6位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | |
| 7位 | ヤルノ・ウィダー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | +0:25 |
| 9位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +0:33 |
| 8位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:54 |
| 10位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:41 |
マイヨロホ(個人総合成績)
| 1位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 28:34:03 |
| 2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +1:18 |
| 3位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +1:39 |
| 4位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | +2:20 |
| 5位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +3:26 |
| 6位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +3:55 |
| 7位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +4:09 |
| 8位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +4:39 |
| 10位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +7:33 |
| 9位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +8:05 |
マイヨプントス(ポイント賞)
| 1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 124pts |
| 2位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 67pts |
| 3位 | アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ) | 59pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
| 1位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 29pts |
| 2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 24pts |
| 3位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 19pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
| 1位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | 28:36:23 |
| 2位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +5:45 |
| 3位 | ヤルノ・ウィダー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | +7:14 |
チーム総合成績
| 1位 | デカトロンCMA CGM | 85:59:01 |
| 2位 | ネットカンパニー・イネオス | +42:30 |
| 3位 | ヴィスマ・リースアバイク | +49:34 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
Amazon.co.jp
レッドブル エナジードリンク シュガーフリー 250mlx24本 (4*6)
Red Bull(レッドブル)
レッドブル エナジードリンク イエローエディション 250ml×24本
レッドブル・ジャパン