MTB、クロスカントリーの女子エリート新チャンピオンに輝いたのはシーナ・フライ(スイス)。圧倒的な走りでレースを絞り込み、2021年のXCCに続くキャリア2回目のアルカンシエルを手に入れた。



現地時間13時に女子エリートレースがスタート (c)Val di Sole Bike Land

イタリア北部トレンティーノ=アルト・アディジェ州のスキーリゾート地、ヴァル・ディ・ソーレで開催されたMTB世界選手権。最終日にはクロスカントリーのU23、男女エリートレースが行われ、合計4人の新世界チャンピオンが選りすぐられた。

女子エリートレースに出場したのは、ディフェンディングチャンピオンであるジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン)や、先週末のW杯優勝者であるシーナ・フライ(スイス)を筆頭にする50名。木の根が張り出したテクニカル区間や高速ダウンヒルまでバリエーションに富むコースは1周回3,500mで、獲得標高153m。アルカンシエルを決める場に相応しい晴天の下、現地時間13時にレースが始まった。

先頭グループを組むシーナ・フライ(スイス)とマルティナ・ベルタ(イタリア) (c)Val di Sole Bike Land

ライン選択が重要となるロックセクションの登り (c)Val di Sole Bike Land

ダッシュを決めてレースを引っ張ったのはリズヴェッズだった。序盤からハイペースを刻んでレースを絞り込むという、普段通りの走りを続ける前王者に続いたのはフライや母国開催の世界選手権に燃えるマルティナ・ベルタ(イタリア)、2024年覇者で、先日閉幕したツール・ド・フランス・ファムでマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を手に入れていたプック・ピーテルセ(オランダ)たち。前XCC世界女王であるアレッサンドラ・ケラー(スイス)はメカトラブルによって20番手に落ち、さらにレース中盤のチェーンジャムで後退。XCCもチームメイトとの接触で勝負権を逃していたケラーにとっては苦い世界選となってしまう。

レース開始15分ほどでリスヴェッズとフライ、そしてベルタによる3人グループが先行し、その中で頭ひとつ抜けた登坂ペースを刻んだフライが3周目に独走に持ち込んだ。タイトル防衛を狙っていたリスヴェッズは一気に遅れてポジションを落とし、さらに後輪パンクで表彰台争いからも脱落。母国ファンの声援に後押しされるベルタは何度か食い下がったものの、今季一番の走りを披露するフライから遅れをとった。

ファステストラップを刻んで独走するシーナ・フライ(スイス) (c)Val di Sole Bike Land

母国ファンの声援に後押しされるマルティナ・ベルタ(イタリア)

2024年の世界女王プック・ピーテルセ(オランダ)が4番手で追走 (c)Val di Sole Bike Land

「今日はただ自分と対話しながら走ることに集中していた。速く走れるところは速く走って、リカバリーできるところはリカバリーに徹するように心がけた」と振り返るフライは、大きなミスもトラブルもなく、ヴァル・ディ・ソーレの世界選コースを飛ぶように走る。その後ろではニコル・コラー(スイス)がベルタを捉えて銀メダル争いを繰り広げ、4番手ピーテルセも必死に追走。しかし、その誰よりも速いペースを刻んだのはフライだった。

7周回中の4周回で最速ラップを刻んだフライは、最終的に1分以上のリードを積み重ねてフィニッシュへ。2021年のXCCに続く、XCOでは初となる世界チャンピオンに輝いた。コラーとの激しいスプリントによる2位争いを制したのはベルタ。MTB大国であるスイスが女子エリートレースを制すのは2017年のヨランダ・ネフ以来実に9年ぶりだ。

圧倒的な走りでXCO女子エリートを制したシーナ・フライ(スイス) photo:UCI

MTB世界選手権2026 XCO女子エリート表彰台 (c)Val di Sole Bike Land

「ここ2年間はずっと苦労していて、今季も序盤戦は世界選手権で勝つなんて現実的じゃなかったと思う。でもシーズンの途中で具体的な目標になったように思う。まだ勝てた実感がないけれど、残りのW杯でアルカンシエルを着るのが楽しみ」と、勝利したフライは言う。1週間前のW杯を制した好調を維持しての強い世界タイトル獲得となった。
MTB世界選手権2026 XCO女子エリート結果
1位 シーナ・フライ(スイス) 1:27:50
2位 マルティナ・ベルタ(イタリア) +1:07
3位 ニコル・コラー(スイス) +1:07
4位 プック・ピーテルセ(オランダ) +1:25
5位 サマラ・マクスウェル(ニュージーランド) +1:48
6位 イヴィ・リチャーズ(イギリス) +1:58
7位 ジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン) +2:29
8位 ラウラ・スティガー(オーストリア) +2:41
9位 サヴィリア・ブランク(アメリカ) +2:48
10位 ヘイリー・バッテン(アメリカ) +3:13
text:So Isobe

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