オランダ、フルストでいよいよUCIシクロクロス世界選手権の本戦がスタート。男女ともにオランダ勢の活躍が期待されている大会には8名の日本勢も参戦。コースと男女エリートレースをプレビューします。
スピード勝負のオランダ大会、8名の日本勢が世界に挑む

ダイナミックな直登を組み合わせた平坦コース photo:UCI
アルカンシエルを決める頂上決戦、第77回UCIシクロクロス世界選手権が1月30日(金)にオランダ南西部にある、ゼーウス・フラーンデレン地域東部東側に位置する街フルストで開幕した。初日のチームリレーで開催国オランダが優勝を挙げ、今日(1月31日)と明日(2月1日)の2日間で合計6人の世界チャンピオンが誕生する。
例年ワールドカップを招聘するフルストの特設コース(1周3.3km)は、これまでの定番レイアウトに変更を加え、窪んだ人工池周辺の激登り/激下りと平坦を組み合わせた高速レイアウトだ。日本代表監督の竹之内悠いわく、「もちろん急な登坂は降りないといけませんが、それ以外はずっとハイスピードで踏んでいける。平均速度が高く差がつきづらいので日本選手にもチャンスがある」。会期中の天候は曇り時々雨で、圧倒的な差がつくほどの重たい泥にはならない模様だ。
本日1月31日(土)に開催されるのは女子ジュニア、男子U23、女子エリートの3カテゴリーで、最終日となる2月1日(日)には男子ジュニア、女子U23、男子エリートの3カテゴリーでチャンピオンが選りすぐられる。

シクロクロス世界選手権 日本代表チーム。チームリレーを走り終えて photo:Nobuhiko Tanabe
現日本王者の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は参戦せず、女子エリートには渡部春雅(Liv Racing Japan/OlandaBase/Watersley)が、男子U23には野嵜然新(桐光学園高等学校/drawer THE RACING)と柚木伸元(日本大学/シマノレーシング)が、男子ジュニアには山田駿太郎(竹園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム)と三上将醐(横浜立野高等学校/ATHLETUNE CORAGGIO KAWANISHI U-19)が、女子ジュニアには石川七海(八千代松陰高等学校)と日吉彩華(岐阜第一高等学校/Asia Union TCS Racing Team)、そして小林碧(並木中等教育学校/AX Cyclocross team)の3人が参戦。若手重視のメンバーが日本ナショナルチームとして日の丸を背負って大一番に望む。
ファンデルプールの新記録樹立に期待、ネイスはオランダ相手にどう戦う?

試走を重ねるマチュー・ファンデルプール(オランダ) photo:UCI

先週末、歴代最多となるワールドカップ51勝目をマークしたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:CorVos 
世界選手権最多優勝記録に期待のかかるファンデルプール photo:CorVos
休みどころのないスピードコース。母国レースに意気込むマチュー・ファンデルプール(オランダ)が明確な優勝候補であることは、もはや疑いようのない事実。例年と異なるトレーニングが功を奏していると自負するファンデルプールは、今年出場した12レース全てで圧勝という途轍も無い強さでフルストに乗り込んだ。
パワーでも、泥や砂、轍をさばくスキルでもライバル勢を大きく突き放すファンデルプールは、これまで2015年、2019年、2020年、2021年、2023年、2024年、そして2025年と合計7度世界選手権を制し、現在はエリック・デ・フラミンク(ベルギー)が持つ最多優勝記録に並んでいる状態だ。今季中盤には「もうシクロクロスで獲得すべき記録はもうあまり残っていない」と語り、シクロクロスからの引退を示唆しているファンデルプールは先週にスヴェン・ネイス(ベルギー)が保有していたワールドカップ最多優勝記録も塗り替えたばかり。ロードレース専念への弾みとなる大記録樹立にオランダファンの期待は熱い。

エリートカテゴリーに初参戦するティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)。既に今季はファンアールトらを破り勝利を挙げている photo:CorVos

ベルギーの期待を背負うティボー・ネイスとニルス・ファンデプッテ photo:UCI
オランダチームを支えるもう一人の柱は、現U23世界王者で、今年エリートに初挑戦するティボー・デルフロッソだ。ファンデルプールと同じアルペシン・プレミアテックに所属する22歳は、今年ゾルダーやディーゲムといった高速サーキットで優勝し、自国開催の選手権でメダル獲得の最有力候補の一人。ヨリス・ニューウェンハイスや、今季限りの引退を表明しているラース・ファンデルハールも母国チームの屋台骨を背負う存在だ。
2018年以来となるエリート男子タイトル獲得に挑むのがライバル国ベルギーだ。エースを務めるのは昨年銅メダルを獲得したティボー・ネイス。今シーズンのシクロクロスで5勝を挙げ、ワールドカップ総合2位という好成績を残したネイスは直近2レースで表彰台を逃しているが、持ち前のアグレッシブな走りでファンデルプールに食い下がりたいところ。レース中の落車でシーズン終了となったワウト・ファンアールトの穴を埋める以上の活躍がベルギーファンからは求められている。安定した戦績を残すニルス・ファンデプッテやマイケル・ファントーレンハウトらはオランダに待ったをかけられるだろうか?
オランダ/ベルギー以外で上位争いに食い込んでくるのはフェリペ・オルツ(スペイン)やケビン・クーン(スイス)、フィリッポ・フォンタナ(イタリア)、キャメロン・メイソン(イギリス)といった面々。直近のレースを見るにトップ5に食い込んでいる可能性もあると言えるだろう。
オランダ圧倒の予想大。不安材料を抱えるブラントはタイトル奪還なるか

今季圧倒的な成績を見せたルシンダ・ブラント(オランダ)だが、直近のレースは怪我と不調に苦しんだ photo:CorVos
フェム・ファンエンペルの無期限引退というニュースに揺れた女子シクロクロス世界。女子エリートレースはこれにより、2022年にマリアンヌ・フォス(オランダ)がルシンダ・ブラント(オランダ)を破って以来、初めて「新たな世界女王」が誕生することになる。
フォスとファンエンペル不在の今季、シーズンを支配したのはルシンダ・ブラント(オランダ)だ。18勝という圧倒的な数字を叩き出してワールドカップの総合優勝を射止めたものの、シーズン後半はナショナル選手権で敗れて以来負けが続き、直近のマースメヘレンでは10位と「63回連続表彰台」という記録が途絶えてしまった。ふくらはぎの痛みによる最終戦DNSも懸念材料だが、本人は「慌てる必要はない」と冷静であることに努めている。

プック・ピーテルセ(オランダ)は初のシクロクロス世界タイトルなるか photo:UCI

今季絶好調のアマンディーヌ・フークネ(フランス)。オランダ勢に待ったを掛けられるか photo:CorVos
2度目のレインボージャージ獲得を狙うブラントのライバルは同じくオランダの若手勢。その中での最有力候補は23歳のプック・ピーテルセ(オランダ)。元MTB世界女王は圧倒的なテクニックとアグレッシブな走りを武器に、直近のW杯最終2連戦を連勝。過去にフルストのコースで2勝を挙げている相性の良さも好材料と言えるだろう。セイリン・アルバラード(オランダ)とシリン・ニンクアンローイ(オランダ)もこの二人に割って入る有力候補。インゲ・ファンデルヘイデンやアニック・ファンアルフェン(共にオランダ)らはシーズン序盤ほどの好調ぶりを維持していないが、シングルリザルトに絡むことは間違いないだろう。
絶対優位を誇るオレンジ軍団を突破できる可能性があるのは、キャリア最高のシーズンを過ごしているアマンディーヌ・フークネ(フランス)だ。今季11回の表彰台を獲得し、W杯最終戦でも3位に入った若手は更なる弾みをつけられるか。急成長を見せ、特にスピードコースに強いクリスティナ・ゼマノバ(チェコ)や、馬力のあるゾーイ・バックステット(イギリス)、カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー)、サラ・カサソラ(イタリア)もトップ10以上を目指せる逸材だ。
男女エリートはJ SPORTSで生中継
先述の通り、日本ナショナルチームとして挑むのは8名のチャレンジャー。初日のチームリレーを4分17秒遅れの12位で終えたチームの雰囲気は良く、竹之内監督曰く「各選手自信を持って試走できていたし期待がもてますね。特に三上選手と柚木選手はコースを上手く走れていましたね」と評価する。長らく日本選手団をサポートする現地スタッフチームのサポートのもと、各選手がそれぞれの目標を携えて過酷な大一番に挑む。
男女エリートレースはJ SPORTSで生中継される。各カテゴリーの出場選手に向けて声援を送りたい。
スピード勝負のオランダ大会、8名の日本勢が世界に挑む

アルカンシエルを決める頂上決戦、第77回UCIシクロクロス世界選手権が1月30日(金)にオランダ南西部にある、ゼーウス・フラーンデレン地域東部東側に位置する街フルストで開幕した。初日のチームリレーで開催国オランダが優勝を挙げ、今日(1月31日)と明日(2月1日)の2日間で合計6人の世界チャンピオンが誕生する。
例年ワールドカップを招聘するフルストの特設コース(1周3.3km)は、これまでの定番レイアウトに変更を加え、窪んだ人工池周辺の激登り/激下りと平坦を組み合わせた高速レイアウトだ。日本代表監督の竹之内悠いわく、「もちろん急な登坂は降りないといけませんが、それ以外はずっとハイスピードで踏んでいける。平均速度が高く差がつきづらいので日本選手にもチャンスがある」。会期中の天候は曇り時々雨で、圧倒的な差がつくほどの重たい泥にはならない模様だ。
本日1月31日(土)に開催されるのは女子ジュニア、男子U23、女子エリートの3カテゴリーで、最終日となる2月1日(日)には男子ジュニア、女子U23、男子エリートの3カテゴリーでチャンピオンが選りすぐられる。

現日本王者の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は参戦せず、女子エリートには渡部春雅(Liv Racing Japan/OlandaBase/Watersley)が、男子U23には野嵜然新(桐光学園高等学校/drawer THE RACING)と柚木伸元(日本大学/シマノレーシング)が、男子ジュニアには山田駿太郎(竹園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム)と三上将醐(横浜立野高等学校/ATHLETUNE CORAGGIO KAWANISHI U-19)が、女子ジュニアには石川七海(八千代松陰高等学校)と日吉彩華(岐阜第一高等学校/Asia Union TCS Racing Team)、そして小林碧(並木中等教育学校/AX Cyclocross team)の3人が参戦。若手重視のメンバーが日本ナショナルチームとして日の丸を背負って大一番に望む。
ファンデルプールの新記録樹立に期待、ネイスはオランダ相手にどう戦う?



休みどころのないスピードコース。母国レースに意気込むマチュー・ファンデルプール(オランダ)が明確な優勝候補であることは、もはや疑いようのない事実。例年と異なるトレーニングが功を奏していると自負するファンデルプールは、今年出場した12レース全てで圧勝という途轍も無い強さでフルストに乗り込んだ。
パワーでも、泥や砂、轍をさばくスキルでもライバル勢を大きく突き放すファンデルプールは、これまで2015年、2019年、2020年、2021年、2023年、2024年、そして2025年と合計7度世界選手権を制し、現在はエリック・デ・フラミンク(ベルギー)が持つ最多優勝記録に並んでいる状態だ。今季中盤には「もうシクロクロスで獲得すべき記録はもうあまり残っていない」と語り、シクロクロスからの引退を示唆しているファンデルプールは先週にスヴェン・ネイス(ベルギー)が保有していたワールドカップ最多優勝記録も塗り替えたばかり。ロードレース専念への弾みとなる大記録樹立にオランダファンの期待は熱い。


オランダチームを支えるもう一人の柱は、現U23世界王者で、今年エリートに初挑戦するティボー・デルフロッソだ。ファンデルプールと同じアルペシン・プレミアテックに所属する22歳は、今年ゾルダーやディーゲムといった高速サーキットで優勝し、自国開催の選手権でメダル獲得の最有力候補の一人。ヨリス・ニューウェンハイスや、今季限りの引退を表明しているラース・ファンデルハールも母国チームの屋台骨を背負う存在だ。
2018年以来となるエリート男子タイトル獲得に挑むのがライバル国ベルギーだ。エースを務めるのは昨年銅メダルを獲得したティボー・ネイス。今シーズンのシクロクロスで5勝を挙げ、ワールドカップ総合2位という好成績を残したネイスは直近2レースで表彰台を逃しているが、持ち前のアグレッシブな走りでファンデルプールに食い下がりたいところ。レース中の落車でシーズン終了となったワウト・ファンアールトの穴を埋める以上の活躍がベルギーファンからは求められている。安定した戦績を残すニルス・ファンデプッテやマイケル・ファントーレンハウトらはオランダに待ったをかけられるだろうか?
オランダ/ベルギー以外で上位争いに食い込んでくるのはフェリペ・オルツ(スペイン)やケビン・クーン(スイス)、フィリッポ・フォンタナ(イタリア)、キャメロン・メイソン(イギリス)といった面々。直近のレースを見るにトップ5に食い込んでいる可能性もあると言えるだろう。
オランダ圧倒の予想大。不安材料を抱えるブラントはタイトル奪還なるか

フェム・ファンエンペルの無期限引退というニュースに揺れた女子シクロクロス世界。女子エリートレースはこれにより、2022年にマリアンヌ・フォス(オランダ)がルシンダ・ブラント(オランダ)を破って以来、初めて「新たな世界女王」が誕生することになる。
フォスとファンエンペル不在の今季、シーズンを支配したのはルシンダ・ブラント(オランダ)だ。18勝という圧倒的な数字を叩き出してワールドカップの総合優勝を射止めたものの、シーズン後半はナショナル選手権で敗れて以来負けが続き、直近のマースメヘレンでは10位と「63回連続表彰台」という記録が途絶えてしまった。ふくらはぎの痛みによる最終戦DNSも懸念材料だが、本人は「慌てる必要はない」と冷静であることに努めている。


2度目のレインボージャージ獲得を狙うブラントのライバルは同じくオランダの若手勢。その中での最有力候補は23歳のプック・ピーテルセ(オランダ)。元MTB世界女王は圧倒的なテクニックとアグレッシブな走りを武器に、直近のW杯最終2連戦を連勝。過去にフルストのコースで2勝を挙げている相性の良さも好材料と言えるだろう。セイリン・アルバラード(オランダ)とシリン・ニンクアンローイ(オランダ)もこの二人に割って入る有力候補。インゲ・ファンデルヘイデンやアニック・ファンアルフェン(共にオランダ)らはシーズン序盤ほどの好調ぶりを維持していないが、シングルリザルトに絡むことは間違いないだろう。
絶対優位を誇るオレンジ軍団を突破できる可能性があるのは、キャリア最高のシーズンを過ごしているアマンディーヌ・フークネ(フランス)だ。今季11回の表彰台を獲得し、W杯最終戦でも3位に入った若手は更なる弾みをつけられるか。急成長を見せ、特にスピードコースに強いクリスティナ・ゼマノバ(チェコ)や、馬力のあるゾーイ・バックステット(イギリス)、カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー)、サラ・カサソラ(イタリア)もトップ10以上を目指せる逸材だ。
男女エリートはJ SPORTSで生中継
先述の通り、日本ナショナルチームとして挑むのは8名のチャレンジャー。初日のチームリレーを4分17秒遅れの12位で終えたチームの雰囲気は良く、竹之内監督曰く「各選手自信を持って試走できていたし期待がもてますね。特に三上選手と柚木選手はコースを上手く走れていましたね」と評価する。長らく日本選手団をサポートする現地スタッフチームのサポートのもと、各選手がそれぞれの目標を携えて過酷な大一番に挑む。
男女エリートレースはJ SPORTSで生中継される。各カテゴリーの出場選手に向けて声援を送りたい。
日本ナショナルチームメンバー
| 女子エリート | 渡部春雅(Liv Racing Japan/OlandaBase/Watersley) |
| 男子U23 | 野嵜然新(桐光学園高等学校/drawer THE RACING) |
| 柚木伸元(日本大学/シマノレーシング) | |
| 男子ジュニア | 山田駿太郎(竹園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム) |
| 三上将醐(横浜立野高等学校/ATHLETUNE CORAGGIO KAWANISHI U-19) | |
| 女子ジュニア | 石川七海(八千代松陰高等学校) |
| 日吉彩華(岐阜第一高等学校/Asia Union TCS Racing Team) | |
| 小林碧(並木中等教育学校/AX Cyclocross team) |
UCIシクロクロス世界選手権2025 大会スケジュール
| 1月30日(金) | チームリレー | 現地13:35〜(日本時間20:35) |
| 1月31日(土) | 女子ジュニア(石川、日吉、小林出場) | 現地11:05〜(日本時間19:05) |
| 男子U23(野嵜、柚木出場) | 現地13:10〜(日本時間21:10) | |
| 女子エリート(渡部出場) | 現地15:10〜(日本時間23:10) | |
| 2月1日(日) | 男子ジュニア(山田、三上出場) | 現地11:05〜(日本時間19:05) |
| 女子U23 | 現地13:10〜(日本時間21:10) | |
| 男子エリート | 現地15:10〜(日本時間23:10) |
text:So Isobe
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