チーム改革を進めるイネオス・グレナディアーズがサム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の獲得を発表した。同選手はこの3年で急成長を遂げている29歳で、チーム唯一のピュアスプリンターとなる。



ツアー・ダウンアンダーで2年連続の区間3勝をマークしているサム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

「グレナディアーズの一員となれることを楽しみにしている。スプリンターとしてさらなる成長をし、大きな結果を狙ううえで、ここは理想的な環境だ。チームに貢献しながら多くを学び、このチームが誇る『意図を持ったレース』を実践していきたい」と、ウェルスフォードは語った。契約は2027年末までの2年間だ。

ウェルスフォードはトラックも走る29歳のスプリンター。ジュニア時代にはトラック世界選手権で2冠(チームパシュートとオムニアム)を達成し、エリートになった後もチームパシュートやスクラッチなど、中距離種目で何度も世界王者に輝く。また2024年のパリ五輪でもチームパシュートで金メダルを獲得している。

そのためロードでのプロ転向は比較的遅く、26歳だった2022年にチームDSM(現ピクニック・ポストNL)でプロデビュー。2024年からはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエに移籍し、その年のツアー・ダウンアンダーでは区間3勝を挙げてポイント賞を獲得。2025年も区間3勝を挙げ、2年連続のポイント賞に輝いた。

新天地での成功を願うサム・ウェルスフォード(オーストラリア) photo:CorVos

加入するイネオスは、現場のトップであるレーシングディレクターに就任したゲラント・トーマスが「これまでチームに純粋なスプリンターは多くなかった」と語る通り、総合に特化したチーム構成となっている。しかし今年5月まではカレブ・ユアン(オーストラリア)も所属し、かつてチームに在籍したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)がスポーツディレクターとして加入することも決まっている。

トーマスはウェルスフォードについて「彼のフィジカル能力については、すでに大きな可能性を感じており、まだ引き出せる部分が多く残っていると考えている。我々はフィニッシュに向けてスプリンターを的確な位置に導くことに長けており、サムにも勝利のチャンスを与えていくつもりだ」と、期待を語った。

新加入や契約更新の発表が例年より遅れていたイネオスだが、ウェルスフォードの加入によって29名となり、あと1枠の行方が注目される。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos