ヴィスマ・リースアバイクがマシュー・ブレナン(イギリス)と2029年まで契約を延長した。今季プロデビューした2005年生まれのブレナンは、ワールドツアーでの4勝を含む今季12勝と大ブレイク。来季のさらなる活躍が期待される。



今季12勝を飾ったマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

「ここまで大きく成長できたのはチームのおかげ。スタッフや選手を含め、誰もが自分をより良い選手へと導いてくれる存在で、何よりここでは信頼を感じることができる。プレッシャーのない環境で、長い時間をかけて次のステップへ進める機会を与えてもらえたことを、とても嬉しく、心から感謝している」と、ブレナンは契約更新の理由をそう語った。

2005年生まれのブレナンは、2023年のトラックジュニア世界選手権で2つの金メダル(マディソンと個人パシュート)を獲得。その後、ヴィスマ・リースアバイクの育成チームを経て、2025年に19歳ながらプロデビューを果たした。

転機となったのは、3月20日にフランスで行われたグランプリ・ド・ドナン(UCI1.Pro)。育成チームでワンデーレースを2連勝中だったブレナンは、石畳レースの集団スプリントを制してプロ初勝利を飾る。続くボルタ・ア・カタルーニャはヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)の怪我により急遽出場が決まり、初日と5日目の集団スプリントで勝利を挙げた。パリ〜ルーベのメンバーに抜擢された勢いそのままに、ツール・ド・ロマンディの第1ステージでも勝利した。

ツアー・オブ・ノルウェーでは総合優勝にも輝いた photo:CorVos

その後もブレナンの快進撃は止まらず、ツアー・オブ・ノルウェーでは区間2勝(2度の2位)を記録し、総合優勝を飾ると、ワールドツアーであるツール・ド・ポローニュで区間優勝。母国イギリスでのツアー・オブ・ブリテンでも勝利を挙げ、シーズン通算12勝とネオプロらしからぬ堂々たる成績を残した。

グリシャ・ニールマン監督はブレナンについて、「我々の育成組織を経てきた選手なので、もちろん以前からよく知っていたが、マシューは今季、良い意味で本当に我々を驚かせてくれた。チームとしては、常に彼のレベルに合わせてアプローチを調整し、適したレースや課題を与えてきた。今季は大きな成長を遂げたが、まだ学ぶべきことは多くある」とコメント。「彼との取り組みを長期的なプロジェクトと捉えている。今後数年で、彼が最高レベルへとステップアップできるよう支えていきたい。これからも彼は、我々を驚かせ続けてくれるかもしれない」と、未来へのプランについて言及した。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Team Visma | Lease a Bike