新城幸也が所属するトスカーナNIPPOラリが、新たにディベロップメントチームを創設した。今年2月のアジア選手権でU23王者となった鎌田晃輝(チーム右京)と、トップチームでトレーニー(研修生)として走った岩村元嗣の2名が所属する。



トスカーナNIPPOラリの育成チームに加入した鎌田晃輝(チーム右京) photo:Satoru Kato

UCI(国際自転車競技連合)が12月10日に公表した登録リストで「トスカーナNIPPOラリ」と記載されたのは、昨年までソリューションテック・ヴィーニファンティーニという名で活動していたイタリア籍のプロチーム。2025年から新城幸也を加え、ツール・ド・熊野やツール・ド・九州など国内レースにも参戦し、知名度を高めた。

そんなチームがこの度、ディベロップメントチームを創設した。チーム名の正式発表はまだないが、所属選手は9名。日本人は鎌田と岩村の2名で、他はイタリア人が6名、フランス人が1名という構成だ。

トップチームのトレーニーを経て加入した岩村元嗣 photo:Satoru Kato

岩村はチームユーラシア - iRCタイヤに所属していた18歳で、今年8月からトレーニーとしてソリューションテックに合流。宇都宮ジャパンカップを含め4レースに出場した。一方の21歳の鎌田はチーム右京から加入。日本選手権U23カテゴリーのロードレースとタイムトライアルで優勝した経験を持ち、今年2月にタイで行われたアジア選手権ではU23のロードレースで優勝した。

NIPPOによると、選手たちは今年10月に監督に就任した水谷壮宏氏を含め、トップチームのスタッフ陣から直接指導を受ける予定。またチームNIPPO代表である大門宏氏が、組織運営と戦略的発展において中心的役割を担うとしている。以下はトップチームのGMであるセルジュ・パルサーニ氏と、大門氏のコメント。



セルジュ・パルサーニGM

今回のロースターは、我々の育成プロジェクトが掲げる精神と使命を完璧に体現しています。まず、長期的ビジョンを共有し、信頼を寄せてくれたNIPPOに深く感謝します。鎌田晃輝選手と岩村元嗣選手という質の高い日本人選手に加え、チームのジュニア育成アカデミー出身の若手やヨーロッパの有望株が集まったことで、非常にバランスが良く刺激に満ちたチームとなりました。日本人選手にとってはヨーロッパの環境で成長する大きな機会となり、同時にアカデミーの選手たちにとっても国際レベルを肌で感じる絶好の機会となります。我々の目標は、プロへの道を具体的かつ信頼性の高い形で示すことです。

大門宏代表

鎌田選手も岩村選手も大学生でありながら、すでに大きな存在感を示しています。鎌田選手はU23初年度にして全日本選手権ロードレースを制し、今年はタイで行われたアジア選手権でも優勝し、アジアチャンピオンに輝きました。岩村選手はイタリア・アブルッツォを拠点とするジュニアチーム、Vini Fantini–Zincoran への短期派遣も経験、2024年には国内レースで表彰台に上り、スイスでの世界選手権では悪天候による落車がありながらも25位で完走しました。このプロジェクトによって、彼らがさらなる成長を遂げ、U23カテゴリーで日本人として初めてジロ・デッレ・レジョーニの表彰台に立った新城幸也選手の記録を上回り、さらなる飛躍を遂げてくれることを期待しています。

photo: Yuichiro Hosoda