メニーズの展示会では、スラムの新型FORCEとRIVAL、プロロゴの2026年モデル、ヴィットリアのシクロクロス用インサートなど最新製品が披露された。ポガチャル三冠記念のシーコンアイウェアや日邦電機の新型ポンプなど、注目プロダクトをレポートする。



スラムが今年モデルチェンジを行ったFORCE AXS

スラムは今年、ロードコンポーネントのFORCEとRIVALがモデルチェンジを行い、フラッグシップのテクノロジーをミドルグレードへと伝播させた。軽量性とコントロール性に磨きをかけており、FORCEやRIVALを採用した完成車の種類も増えてきている。

メニーズはモデルチェンジ直後にも展示会を開き、ショップスタッフにお披露目をしていたが、秋の展示会でもFORCEとRIVALの注目度の高さは変わらず。改めて新型の特徴を紹介しよう。

コンセプトは"エフォートレス・エクスパンデッド"。RED AXSで実現させたストレスフリーなプラットフォームをミドルグレードにも反映させることが明確に掲げられており、操作しやすいブレーキレバーなどをFORCEとRIVALにも適用。繊細なブレーキコントロールが可能となっている。

レバーの形状を一新し握りやすくした

さらにFORCEはオートトリム機構を搭載したフロントディレイラーや、軽量となったリアディレイラー、クランクセットなど進化する部分は多い。RIVALも機能を取捨選択しながら、変速性能や軽量性を兼ね備えたレバー、ディレイラー、クランクセットを作り上げている。

マウンテンバイクコンポーネントも新作が次々とリリースされており、その中でも注目されたのが銀色に輝く限定モデルだった。これはスラムの38年の歴史を記念した"1987 Collection"として、国内で10セットのみ展開されるというスペシャルモデルだ。

スラムが1987 Collectionをリリースした

創業年を示す1987が刻まれている
ディレイラーもシルバーカラーとされている



XOをベースとしたアルミクランクからチェーンリング、ディレイラー、スプロケットまでを銀色で統一。全世界で1987個限定となり、特別ロゴと設立した1987年を示す刻印が施されている。シルバーコンポーネントで組み上げたい方にはぴったりだろう。

またスラムは機械式変速のEagle 90/70を無線電動変速のGXにアップデートするキットも用意している。実際に構造をチェックするとシンプルに作られており、入れ替え作業も簡単に行えそうだ。機械式から電動にアップデートしやすいのは、ユーザーフレンドリーな仕組みと言えるだろう。

GXグレードのディレイラー機構が別売のアップグレードキット

メニーズが取り扱うブランドの中で注目の存在がシーコンだ。今年のプロレースで圧倒的な力を見せつけたタデイ・ポガチャルが着用するアイウェアとしても有名だ。

今回の展示会ではポガチャルがジロ、ツール、ブエルタで勝利した際に着用していた総合リーダーカラーのアイウェアが一堂に会しており、その存在感は一際だった。さらに日本に一冊しかないというポガチャルの三冠を記念した本も用意されており、ポガチャルの強さを感じられるようになっていた。

グランツールの総合リーダーカラーの限定モデルもリリースされている

ポガチャルの三冠を讃える特別本が出版されているという



プロロゴは2026年モデルでは、エンデュランス仕様の「NDR」ラインが大幅に拡充された。SCRATCHとDIMENSION R2にそれぞれNDRバージョンが追加されている。

NDRは「エンデュランス」の略称で、ロードバイクからマウンテンバイクまで幅広いジャンルに対応する汎用性の高いサドルとして位置づけられている。通常のサドルと比較してパッドが3mm厚くなっており、クッション性が向上。通常のサドルではクッションが物足りないと感じる初心者ライダーにも推奨できる仕様となっている。

DIMENSION R2などもCPC対応モデルが追加された

3DプリントパッドサドルはSCRATCH、NAGOが揃う

プロロゴが開発した独自技術CPCが採用されるモデルも拡充される。今回はNAGO R4とDIMENSION R2に追加されており、グリップ力が15%、エアロ性能が10%、振動吸収性が15%向上を果たしている。サドル上で滑らなくなることが大きなメリットで、どの位置に座ってもライダーは安定したパワー伝達が可能となっている。

また今年のプロロゴはSCRATCH M5 3Dという3Dプリントパッドモデルも注目プロダクトだ。SCRATCH M5が3Dプリントパッドとなることで、NAGO R4 3Dと合わせて2種類の展開に。部分ごとにクッション性を変化させる最新鋭のサドルはぜひ試してもらいたい。

ヴィットリアからシクロクロス専用のインサートが登場
ヴィンゲゴーのブエルタ総合優勝を讃えるレッドカラーのCorsa Pro



ヴィットリアの注目プロダクトはシクロクロス用のタイヤインサート、AIR-LINER CYCLOCROSSだ。グラベルとの兼用ではなくシクロクロス用の専用形状とすることで、タイヤの柔軟性を維持しつつ、リム打ちパンクを防げるプロテクション性を実現する。

また、チューブレスタイヤの場合は低圧運用すると、タイヤが横に捩れるような力が加わった際、ビードが一瞬浮いてしまう現象が発生する。専用インサートを入れることで、その現象を防ぐこともでき、チューブレスタイヤの運用のデメリットを解消してくれる。

ヴィットリアはヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)によるブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝を讃え、サイドウォールを赤色に染め上げた特別モデルを用意。日本国内でも限定品として販売されており、赤色のバイクのトータルコーディネートにぴったりなタイヤとなっている。

日邦電機のエルシード SIXという新型小型ポンプが登場した

小型ポンプで注目を集めた日邦電機のエルシード BL-01。DCモーターメーカーとして蓄積してきた技術を詰め込んだ電動ポンプは手のひらに収まる大きさと軽さで話題を呼んでいた。そんな日邦電機が新しい小型ポンプ、エルシード SIXをリリースする。

新型ポンプのSIXは、モーターや充電池の改善を行なっているが、価格を抑えめに作ったモデル。サイズも若干大きめに設計し、内部のエアフローも改良、そして新パネルで操作性を向上しているという。11月下旬より発売される予定だ。

ソフト99の自転車コーティングシリーズ、velogue

フォグシールドはアイウェアの内側に塗布するのにおすすめ
レインホッパーなどコーティング技術がスポーツ用品に活かされている



またメニーズは自動車コーティングで知られるソフト99も取り扱っている。ソフト99は自転車用コーティングとしてvelogueシリーズを展開しており、独自技術を活かしてハイパフォーマンス性能を実現している。velogueシリーズはショップで施工を行うプロ向け製品のため、展示会に訪れたショップスタッフに丁寧に説明を行なっていたのが印象的。取扱店も続々増えているとのことのため、ぜひチェックしてもらいたい。

オフィチーネ・バッタリンのバイクも注目だ

Report:Gakuto Fujiwara
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