スイス籍のプロチーム、Q36.5プロサイクリングがサム・ベネット(アイルランド、デカトロンAG2Rラモンディアール)を獲得。チームは来季に向けエディ・ダンバー(アイルランド)などを補強し、ベネットの加入でロースターを確定させた。



2020年ツールでマイヨヴェールを獲得したサム・ベネット(アイルランド) photo:Makoto.AYANO

「このチームでは最高の走りを見せるだけではなく、若手選手を導き、大きなことを成し遂げる手助けができると思っている。このチームが成長と発展を遂げ、既に最高の舞台で素晴らしい成果をあげる姿を見てきた。その一員になれることに興奮している」とベネットは語った。契約期間は2026年末までの1年間。

2014年にネットアップ・エンデューラ(現レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)でプロデビューしたベネットは35歳。ドゥクーニンク・クイックステップ(現スーダル・クイックステップ)に移籍した2020年のツール・ド・フランスでは、区間2勝と共にマイヨヴェール(ポイント賞)を獲得。ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャでも勝利したことによって全てのグランツールで区間優勝を達成した。2022年にボーラに復帰したものの、これまでのように勝ち星を重ねることができず、デカトロンAG2Rラモンディアールへ活躍の場を求めた。

今季4勝を飾ったものの、全てが1クラス(上から3番目のカテゴリー)のレース。一方で、ワールドツアーのティレーノ〜アドリアティコで区間2位と勝利に迫り、ジロ・デ・イタリアは6位ながらいまだトップスプリンターと競い合える力を示した。

ダンバーら実力者を加え戦力底上げ

同じくQ36.5に加入したエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

Q36.5プロサイクリングは来シーズンに向け、他にも総合エースを担えるエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)を獲得。アルペシン・ドゥクーニンクからは共にワンデーレースを得意とするクインテン・ヘルマンスとクサンドロ・ムーリッセ(ともにベルギー)、フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)など、ワールドチーム所属選手を中心に10名を獲得する大型補強を実施した。

そしてベネットの加入によりUCIの登録上限である30名に達したため、2026年に臨むロースターが確定した。ブエルタで総合3位に入ったトーマス・ピドコック(イギリス)を中心に、スプリントエースはベネットが務め、2年契約のダンバーは1週間程度のステージレースとグランツールで区間優勝を狙う構えを見せる。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Q36.5 Pro Cycling Team

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