集団スプリントで決着したツール・ド・ルクセンブルク2日目。来年ロットでのプロ昇格が決まっている21歳、マチュー・コッケルマン(ルクセンブルク・ナショナルチーム)が強豪を退け金星を挙げた。



前日勝者でリーダージャージを着るロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) (c)ŠKODA Tour Luxembourg

西ヨーロッパの小国ながら有力な自転車選手を輩出するルクセンブルク。そのベネルクス三国の一つで開催中なのが、同国最大のステージレースであるツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.Pro)だ。第2ステージは168.4kmの平坦ステージで行われた。

序盤、下部チーム所属のバティスト・ジレ(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)ら7名が逃げ、グルパマFDJが先導するメイン集団に対し最大4分のリードを得る。5名に人数の減った逃げグループは最後に2周する15kmコースに突入。主導権はプロトンの牽引を担ったアルペシン・ドゥクーニンクへと移り、残り5kmで逃げは吸収された。

ルクセンブルク王者のアルトゥール・クルッカース(チューダー・プロサイクリング) (c)ŠKODA Tour Luxembourg

ラスト1kmからはEFエデュケーション・イージーポストが集団先頭でトレインを組み、エーススプリンターであるマライン・ファンデンベルフ(オランダ)のためにハイペースを刻む。ルクセンブルク王者のアルトゥール・クルッカース(チューダー・プロサイクリング)が集団の中ほどで落車するなか、長い最終ストレートに入り、デカトロンAG2Rラモンディアールのリードアウトからアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア)より先にファンデンベルフがスプリントを開始した。

残り250mからファンデンベルフによる意表を突く踏み込みだったが、その背後にトム・ドネンウィルト(フランス、グルパマFDJ)らがピッタリとつく。ファンデンベルフは長い間先頭で踏み続けたものの、フィニッシュ手前でドネンウィルトが抜き、さらに大外から驚異的なスピードを見せたマチュー・コッケルマン(ルクセンブルク・ナショナルチーム)が先頭でフィニッシュラインを通過。ワールドツアーのスプリンターたちを退け、母国ルクセンブルクで金星を挙げた。

スプリント勝利したマチュー・コッケルマン(ルクセンブルク・ナショナルチーム) photo:CorVos

金星を挙げたマチュー・コッケルマン(ルクセンブルク・ナショナルチーム) (c)ŠKODA Tour Luxembourg

ロットの下部チームに所属し、今大会はナショナルチームの一員として出場したコッケルマンは21歳。シクロクロスのU23国内王者にも輝いたコッケルマンは今年、自身の2度目のTT国内選手権のU23で通算2度目の優勝を果たし、ツール・ド・ラヴニールでもステージ優勝。その勢いを母国レースにつなげ、来季のトップチーム昇格も決まっている。

2位にはヴェンドラーメが入り、3位はドネンウィルト。ロングスプリントが不発に終わったファンデンベルフは5位だった。

プロデビューを前にプロ初勝利を掴んだマチュー・コッケルマン(ルクセンブルク・ナショナルチーム) (c)ŠKODA Tour Luxembourg
ツール・ド・ルクセンブルク2025第2ステージ結果
1位 マチュー・コッケルマン(ルクセンブルク・ナショナルチーム) 3:48:47
2位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)
3位 トム・ドネンウィルト(フランス、グルパマFDJ)
4位 ティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
5位 マライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
個人総合成績
1位 ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) 7:29:22
2位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロン・AG2Rラモンディアール) +0:04
3位 マライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
4位 マルク・ヒルシ(スイス、チューダープロサイクリング) +0:06
5位 ティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:10
その他の特別賞
山岳賞 ミル・モラン(ルクセンブルク・ナショナルチーム)
ポイント賞 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)
ヤングライダー賞 ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)
チーム総合成績 EFエデュケーション・イージーポスト
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, ŠKODA Tour Luxembourg

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