カナダで開催されたグランプリ・シクリスト・ド・ケベックはアタックの応酬に。残り1.5kmで仕掛けたジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)が、新チームに移籍後初勝利を飾った。

ツール・ド・フランス以来の実戦となったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
開催中のブエルタ・ア・エスパーニャが佳境を迎える9月13日、カナダでグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)が行われた。アフリカのルワンダで行われるロード世界選手権(9月28日)に向かう多くの選手たちが出場した大会は、今年で14回目を迎え、過酷な周回コースに多くのクライマーやパンチャーが集結した。
中でも注目を集めたのはツール・ド・フランスで自身4度目の総合優勝を果たし、長い休息から復帰したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)。なお今年限りで引退し、母国最後のレースを走る予定だったマイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック)は体調不良とヘルニアのため不出場。ヘルニアの手術を行うため復帰時期は未定だ。

例年より短縮された12kmコースを巡るGPケベック photo:CorVos
2日後のグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)に先立ち行われたGPケベックは、最大勾配13%のコート・デュ・ラ・モンターニュ(距離375m/平均10%)を含む12kmコースが舞台。例年より600m短いコースを計18周する216kmで争われ、前年覇者マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)を先頭にスタート。クリテリウムさながらにスタート直後から動きが生まれ、4名が逃げを打った。
ルーカ・ヴェルガリート(イタリア、アルペシン・ドゥクーニンク)とフィリプ・マチェユク(ポーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)にカナダ・ナショナルチームの2名を含む逃げグループは、一気に6分のリードを築く。一方のメイン集団はロットとチューダー・プロサイクリングという2つのプロチームを中心に牽引。レースが半分を過ぎると逃げ集団は3名となり、プロトンではティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)が仕掛けた。

レース中盤で仕掛けたティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

プロトンでアタックの時を窺うタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
それに反応したヤン・トラトニク(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)らが追走集団を形成したものの、プロトンが吸収。その後もアタックと吸収が繰り返され、逃げが引き戻された結果、残り33km地点で12名の先頭集団ができあがった。その中にはジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)やパヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツXRG)など優勝候補たちが入った。
EFエデュケーション・イージーポストとジェイコ・アルウラーが先導したメイン集団がハイペースで追走し、その差は1分まで縮まる。そして最終周回に入る直前、プロトンにいたポガチャルがコート・デュ・ラ・モンターニュでアタックした。これをきっかけにした追走集団が先頭を捉え、残り1.5kmでひと塊となったプロトンから今度はアラフィリップが仕掛け、シヴァコフとアルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ)とともに3名による先頭集団を形成した。
この動きが勝利につながり、残り1.5kmの急勾配区間でアラフィリップが2名を引き離す。抜群のタイミングで飛び出し、ハイペースを最後まで維持した元世界王者が両手を広げてフィニッシュに到達。今年スーダル・クイックステップを離れ、加入した新チームに移籍後初勝利をもたらした。

残り1.5kmでアタックし、勝利したジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) photo:CorVos

初優勝を飾ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) photo:CorVos
7月に出場したツール・ド・フランスでは区間5位、3位、8位と、勝利には届かなかったアラフィリップ。「今日、自分が成し遂げたことを実感するには、もう少し時間が必要だ」と喜び、また「感触はよく、戦術が勝敗を決める展開だったので、最後は集中する必要があった。周回を重ねるごとにどんどん厳しくなっていたけれど、勝てて本当に嬉しい」と語った。
終盤に鋭いアタックを見せたポガチャルは、26秒遅れの29位でフィニッシュした。

開催中のブエルタ・ア・エスパーニャが佳境を迎える9月13日、カナダでグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)が行われた。アフリカのルワンダで行われるロード世界選手権(9月28日)に向かう多くの選手たちが出場した大会は、今年で14回目を迎え、過酷な周回コースに多くのクライマーやパンチャーが集結した。
中でも注目を集めたのはツール・ド・フランスで自身4度目の総合優勝を果たし、長い休息から復帰したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)。なお今年限りで引退し、母国最後のレースを走る予定だったマイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック)は体調不良とヘルニアのため不出場。ヘルニアの手術を行うため復帰時期は未定だ。

2日後のグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)に先立ち行われたGPケベックは、最大勾配13%のコート・デュ・ラ・モンターニュ(距離375m/平均10%)を含む12kmコースが舞台。例年より600m短いコースを計18周する216kmで争われ、前年覇者マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)を先頭にスタート。クリテリウムさながらにスタート直後から動きが生まれ、4名が逃げを打った。
ルーカ・ヴェルガリート(イタリア、アルペシン・ドゥクーニンク)とフィリプ・マチェユク(ポーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)にカナダ・ナショナルチームの2名を含む逃げグループは、一気に6分のリードを築く。一方のメイン集団はロットとチューダー・プロサイクリングという2つのプロチームを中心に牽引。レースが半分を過ぎると逃げ集団は3名となり、プロトンではティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)が仕掛けた。


それに反応したヤン・トラトニク(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)らが追走集団を形成したものの、プロトンが吸収。その後もアタックと吸収が繰り返され、逃げが引き戻された結果、残り33km地点で12名の先頭集団ができあがった。その中にはジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)やパヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツXRG)など優勝候補たちが入った。
EFエデュケーション・イージーポストとジェイコ・アルウラーが先導したメイン集団がハイペースで追走し、その差は1分まで縮まる。そして最終周回に入る直前、プロトンにいたポガチャルがコート・デュ・ラ・モンターニュでアタックした。これをきっかけにした追走集団が先頭を捉え、残り1.5kmでひと塊となったプロトンから今度はアラフィリップが仕掛け、シヴァコフとアルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ)とともに3名による先頭集団を形成した。
この動きが勝利につながり、残り1.5kmの急勾配区間でアラフィリップが2名を引き離す。抜群のタイミングで飛び出し、ハイペースを最後まで維持した元世界王者が両手を広げてフィニッシュに到達。今年スーダル・クイックステップを離れ、加入した新チームに移籍後初勝利をもたらした。


7月に出場したツール・ド・フランスでは区間5位、3位、8位と、勝利には届かなかったアラフィリップ。「今日、自分が成し遂げたことを実感するには、もう少し時間が必要だ」と喜び、また「感触はよく、戦術が勝敗を決める展開だったので、最後は集中する必要があった。周回を重ねるごとにどんどん厳しくなっていたけれど、勝てて本当に嬉しい」と語った。
終盤に鋭いアタックを見せたポガチャルは、26秒遅れの29位でフィニッシュした。
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック2025結果
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) | 5:04:32 |
2位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツXRG) | +0:02 |
3位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ) | +0:04 |
4位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +0:14 |
5位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
7位 | アントン・チャーム(デンマーク、XDSアスタナ) | +0:16 |
8位 | アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット) | +0:17 |
9位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | |
10位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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