ブリテン4日目の登坂スプリントを制したのはロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング)を抑えて総合首位に浮上した。

総合首位を目標にスタートに臨むマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
第21回ロイズバンク・ツアー・オブ・ブリテン(UCI2.Pro)は序盤3日間の平坦ステージを終え、総合成績を左右する丘陵/山岳ステージがスタート。全6ステージのうち最長の186.9kmとなる第4ステージの後半は連続する激坂とミニ山岳の連打で、距離1kmほどの登坂3連発を越え、距離900mで平均勾配7%超えの登りを3回登る。3回目の頂上がフィニッシュだ。
この日はスプリンターのローリー・タウンセンド(アイルランド、Q36.5プロサイクリング)を含む4名逃げが決まり、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)のステージ優勝を目論むスーダル・クイックステップがメイン集団のコントロールを行う展開で進む。
この日は合計6箇所の山岳ポイントが用意され、同ランキングで首位浮上するには絶好の機会だった。登坂力で頭一つ抜けるヴィクトル・フェルクーイェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ)は4番目の山岳ポイントまでを全て先頭通過し、目論見通り翌日の山岳ジャージ着用権利を奪い取っている。

レースを動かしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
メイン集団が動いたのは、多くの観客が詰めかけた第4山岳(フィニッシュ登坂と同じバートン・ダセットヒル)だった。7%勾配でエヴェネプールが仕掛け、19歳のアンドリュー・オーガスト(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)やパヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツ)、バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)が追従する。五輪王者が引っ張る追走グループは集団を引き離し、すぐに目の前に迫っていた逃げグループを飲み込んだ。
しかし、この危険な逃げを他チームが見逃すはずもなく、下りと平坦で人数を回復したメイン集団は、総合首位コーイではなく、登坂力を備える同2位マシュー・ブレナン(イギリス)で最終総合成績を狙うヴィスマ・リースアバイクやグルパマFDJの追走でペースを上げ、残り15kmでエヴェネプールたちを引き戻す。2回目のバートン・ダセットヒルはハイペースのままアタック無しで超え、勝負はフィニッシュとなる3回目のバートン・ダセットヒルへ。

残り250m、ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)が一気にスプリントを開始する photo:CorVos

ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング)を前に出さずに加速するロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が流し先行でペースを作り、その番手につけていたエヴェネプールはメカトラブルを気にするような仕草で後退してしまう。段階的にペースを上げるワトソンにMTB出身のミラン・ファデル(オランダ、Q36.5プロサイクリング)が並びかけたが、250mを残してロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)とジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング)が加速する。一気に後続を突き放した2人のマッチスプリントの末、先頭でもがき続けたグレゴワールが両手を振り上げた。

登坂スプリントを制したロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos

2秒差で総合首位に立ったロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
「本当に素晴らしい勝利だ。ここで勝つことは大きな目標だったんだ。レムコが勝負を仕掛ける前に抜け出そうという選手が多かったので、簡単ではなかったんだ。でも、我慢強く必要な時だけ踏むことでうまく対処できたんだ」と喜ぶグレゴワールは、3位以下を2秒引き離したことで総合リーダージャージも獲得(2秒リード)。「最後の200mは4%とそれほど難しくないので、最終コーナー手前でスプリントするように」というチームの的確な指示を守っての勝利だった。
グレゴワールが総合首位に立ち、ブレナンが2秒差、アラフィリップが4秒差で追う僅差だが、翌日は距離5.5kmで平均7.3%を誇る山岳「ザ・タンブル」にフィニッシュするクイーンステージ。今日動いたエヴェネプールやモレマ、オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)、ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)といったクライマーも逆転のために動いてくるはずだ。

第21回ロイズバンク・ツアー・オブ・ブリテン(UCI2.Pro)は序盤3日間の平坦ステージを終え、総合成績を左右する丘陵/山岳ステージがスタート。全6ステージのうち最長の186.9kmとなる第4ステージの後半は連続する激坂とミニ山岳の連打で、距離1kmほどの登坂3連発を越え、距離900mで平均勾配7%超えの登りを3回登る。3回目の頂上がフィニッシュだ。
この日はスプリンターのローリー・タウンセンド(アイルランド、Q36.5プロサイクリング)を含む4名逃げが決まり、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)のステージ優勝を目論むスーダル・クイックステップがメイン集団のコントロールを行う展開で進む。
この日は合計6箇所の山岳ポイントが用意され、同ランキングで首位浮上するには絶好の機会だった。登坂力で頭一つ抜けるヴィクトル・フェルクーイェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ)は4番目の山岳ポイントまでを全て先頭通過し、目論見通り翌日の山岳ジャージ着用権利を奪い取っている。

メイン集団が動いたのは、多くの観客が詰めかけた第4山岳(フィニッシュ登坂と同じバートン・ダセットヒル)だった。7%勾配でエヴェネプールが仕掛け、19歳のアンドリュー・オーガスト(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)やパヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツ)、バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)が追従する。五輪王者が引っ張る追走グループは集団を引き離し、すぐに目の前に迫っていた逃げグループを飲み込んだ。
しかし、この危険な逃げを他チームが見逃すはずもなく、下りと平坦で人数を回復したメイン集団は、総合首位コーイではなく、登坂力を備える同2位マシュー・ブレナン(イギリス)で最終総合成績を狙うヴィスマ・リースアバイクやグルパマFDJの追走でペースを上げ、残り15kmでエヴェネプールたちを引き戻す。2回目のバートン・ダセットヒルはハイペースのままアタック無しで超え、勝負はフィニッシュとなる3回目のバートン・ダセットヒルへ。


サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が流し先行でペースを作り、その番手につけていたエヴェネプールはメカトラブルを気にするような仕草で後退してしまう。段階的にペースを上げるワトソンにMTB出身のミラン・ファデル(オランダ、Q36.5プロサイクリング)が並びかけたが、250mを残してロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)とジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング)が加速する。一気に後続を突き放した2人のマッチスプリントの末、先頭でもがき続けたグレゴワールが両手を振り上げた。


「本当に素晴らしい勝利だ。ここで勝つことは大きな目標だったんだ。レムコが勝負を仕掛ける前に抜け出そうという選手が多かったので、簡単ではなかったんだ。でも、我慢強く必要な時だけ踏むことでうまく対処できたんだ」と喜ぶグレゴワールは、3位以下を2秒引き離したことで総合リーダージャージも獲得(2秒リード)。「最後の200mは4%とそれほど難しくないので、最終コーナー手前でスプリントするように」というチームの的確な指示を守っての勝利だった。
グレゴワールが総合首位に立ち、ブレナンが2秒差、アラフィリップが4秒差で追う僅差だが、翌日は距離5.5kmで平均7.3%を誇る山岳「ザ・タンブル」にフィニッシュするクイーンステージ。今日動いたエヴェネプールやモレマ、オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)、ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)といったクライマーも逆転のために動いてくるはずだ。
ツアー・オブ・ブリテン2025第4ステージ結果
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 4:06:18 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング) | |
3位 | エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:02 |
4位 | オレリアン・パレパントル(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール) | |
5位 | エリアス・マリス(ベルギー、フランダース・バロワーズ) | |
6位 | ティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック) | |
7位 | トーン・アールツ(ベルギー、ロット) | |
8位 | アンドレアス・ストックブロ(デンマーク、ユニベット・ティティマ・ロケッツ) | |
9位 | ブラディ・ギルモア(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) | |
10位 | エウラリオ・アフォンソ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) |
個人総合成績
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 13:55:08 |
2位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:02 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング) | +0:04 |
4位 | マッツ・ウェンツェル(ルクセンブルク、エキポ ケルンファルマ) | +0:06 |
5位 | サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:08 |
6位 | エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | アンドレアス・ストックブロ(デンマーク、ユニベット・ティティマ・ロケッツ) | +0:09 |
8位 | ブラディ・ギルモア(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) | +0:12 |
9位 | ミラン・ファデル(オランダ、Q36.5プロサイクリング) | |
10位 | ティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック) |
その他の特別賞
山岳賞 | ヴィクトル・フェルクーイェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ) |
ポイント賞 | オラフ・コーイ(オランダ、ィスマ・リースアバイク) |
ヤングライダー賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | リドル・トレック |
text:So.Isobe
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