ポストノルド・ツアー・オブ・デンマーク第4ステージで、プロトンから飛び出したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が30kmを独走勝利した。母国で今大会2勝目を挙げると共に、総合優勝を大きく引き寄せた。



プロトンを飛び出し、逃げ集団に合流したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:Lidl - Trek

5日間の日程で行われるポストノルド・ツアー・オブ・デンマーク(UCI2.Pro)も、残すところあと2日。今大会最長距離となる226.9kmは平坦基調だが、終盤の周回コースはアップダウンが連続する。スタートし、28.8km地点にある中間スプリントを総合首位のマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)がトップで通過。その後、ロベ・ヘイス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)ら7名が逃げ集団を形成した。

リドル・トレックが先導するメイン集団に対し、逃げグループは最大4分のリードを得た。このまま終盤にプロトンが逃げを捉える、典型的なスプリントステージになると思われたレースだが、中盤でその予想を裏切る動きが生まれる。残り68kmでピーダスンがアタックし、それに唯一、同じデンマーク出身のウィリアム・ブルームレヴィ(ウノエックス・モビリティ)が付き合った。

追走した2名は逃げ集団に合流すると、ピーダスンが再び加速する。このペースアップには、昨年までイスラエル・プレミアテックに所属していたマッズ・ウルスシュミット(デンマーク・ナショナルチーム)が食らいつく。しかし終盤の周回コースに突入すると、フィニッシュ手前の急坂でウルスシュミットも遅れ、残り30kmでピーダスンは単独先頭に立った。

30km独走で勝利したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:PostNord Tour of Denmark

追走集団の協調態勢が整わなかったため、先頭との差は縮まらず、残り3kmからピーダスンは更に加速。そのままフィニッシュラインを通過し、大会初日に続く今大会2勝目を手にした。

ピーダスンは「アタックは作戦ではなく、自然発生的なものだった。僕はそんなに計算高いタイプではないからね。でも総合を狙うブルームレヴィが一緒にきてくれた。2度目のアタックでは、今度はウルスシュミットが協力してくれた。最後の周回コースは本当にキツかった。身体の力を出し尽くした気持ちだよ」とコメントした。

区間2位には31秒遅れでティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が入り、ピーダスンは総合首位のリードを10秒から58秒まで拡大することに成功している。

今大会2勝目と総合リードを拡大したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:Lidl - Trek
ポストノルド・ツアー・オブ・デンマーク2025第4ステージ
1位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) 5:12:26
2位 ティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:31
3位 アントワーヌ・ロート(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール・ディベロップメントチーム) +0:32
4位 モーテン・オーリンノルトフト(デンマーク、チーム・コロクイック)
5位 マティアシュ・コペツキー(チェコ、チーム ノボ ノルディスク)
個人総合成績
1位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) 11:40:42
2位 ニクラス・ラーセン(デンマーク、BHS・PLベトン・ボーネホルム) +0:58
3位 ルカシュ・クビシュ(スロバキア、ユニベット・ティテマ・ロケッツ) +1:18
4位 ヤコブ・ソデルクヴィスト(スウェーデン、リドル・トレック) +1:22
5位 アレック・セガールト(ベルギー、ロット) +1:27
その他の特別賞
ポイント賞 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)
山岳賞 マティアス・マルムベア(デンマーク、エアトックス・カールラス)
ヤングライダー賞 ヤコブ・ソデルクヴィスト(スウェーデン、リドル・トレック)
チーム総合成績 リドル・トレック
text:Sotaro.Arakawa
photo:PostNord Tour of Denmark