イネオスのリードアウトを風除けに使い、ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が軽やかなダッシュでポローニュ4日目を制圧。応援に駆けつけた両親の前でワールドツアー初勝利、キャリア通算10勝目をマークした。

前日落車したポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)は無事出走 photo:CorVos
ツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)も折り返しを過ぎた第4ステージ。201.4kmコースの中盤には2つの1級山岳が控えるものの、長いものでも距離5.3kmで平均5.8%と難易度は低く、そこから60km以上は平坦路。「ザ・スプリンター向け」の1日だ。
前日落車したポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)やラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツXRG)は無事に出走。143名の選手たちがリブニクの街をスタートし、フィリプ・マチェユク(ポーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)と母国ナショナルチームの2人を含む、ポーランドトリオが逃げを打った。

スプリント狙いのヴィスマ・リースアバイクとスーダル・クイックステップが集団を牽引 photo:CorVos
メイン集団をコントロールしたのはラペラ擁するデカトロンAG2Rラモンディアール、ではなく、スプリントを狙うヴィスマ・リースアバイクとスーダル・クイックステップ。序盤にはヴィスマのリードアウト役を担うマシュー・ブレナン(イギリス)が落車したものの、幸い負傷なくレース復帰している。
平穏な一日にスパイスをもたらしたのは山岳賞首位のティモ・キーリッヒ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)だった。1つ目の山岳では集団を抜け出して4位追加し、その後も一人で逃げグループに追いついて2つ目の1級山岳を先頭通過。持ち点を合計41ptsに伸ばすことに成功。さらには中間スプリントも争った末に先着するなど積極的な走りを披露した。
全ての中間ポイントを獲ったキーリッヒは逃げから降り、残ったのはマチェユク一人だけ。終盤戦に入ると集団からジャンプしたロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)が合流したものの、スプリントに向けて意欲を燃やす集団を振り切るには至らなかった。
残り2.5kmでマチェユクとミレージを引き戻し、アルペシン・ドゥクーニンクとイネオス・グレナディアーズ、さらにグルパマFDJがスプリントトレインをぶつけ合いながらフィニッシュ前へ。最終盤にイネオスが主導権を握り返し、4日連続で母国ポーランドの元世界王者、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレアディアーズ)のリードアウトが始まった。
クフィアトコフスキと前日勝者ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレアディアーズ)のゴールデントレインが発進したものの、最終右コーナーでターナーの背後につけたポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が軽やかなスプリントで先頭に立った。

Tレックスポーズでキャリア10勝目を掴んだポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:Tour de Pologne
ターナーの加速ラインを絶妙にブロックしつつ、いち早くトップスピードに乗せたマニエが伸びる。遅れて加速したターナーを2車身ほど突き放す鮮やかなスプリントでマニエが勝利した。
「ワールドツアー初勝利なので、とても嬉しいよ。この美しいT-Rex クイックステップジャージを着て勝利できたことを誇りに思う。ステージ勝利を目標にしていたけれど、今日は自分にぴったりのフィニッシュで爆発的な力を発揮できたので本当に嬉しい。中盤には登りがあって決して楽なステージではなかったけれど、チームメイトがステージをコントロールし、最後の数キロメートルで完璧なポジションを確保してくれた。心から感謝しているよ」と喜ぶマニエにとっては今季5勝目で、プロ通算10勝目。応援に駆けつけた両親の前での嬉しい勝利だったという。

ステージトップスリー photo:Tour de Pologne

危なげなく首位をキープしたポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) photo:Tour de Pologne
「この勝利は今年の次の目標に向けて大きな自信を与えてくれる。もっと勝ち続けたいと思っていますし、ポーランドでの勝利は士気を高める上でも素晴らしいもの。次のステージも積極的に狙っていきたいし、全力で取り組むつもりだ。もし自分の結果が出せなくても喜んでチームメイトのために走りたいと思う」と話している。
ラペラをはじめ、総合上位勢は集団内フィニッシュしたため、大きな総合変動はなし。翌日は終盤に登坂区間が設けられた山岳ステージ。逃げもしくは絞り込まれたメイン集団による争いになりそうだ。

ツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)も折り返しを過ぎた第4ステージ。201.4kmコースの中盤には2つの1級山岳が控えるものの、長いものでも距離5.3kmで平均5.8%と難易度は低く、そこから60km以上は平坦路。「ザ・スプリンター向け」の1日だ。
前日落車したポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)やラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツXRG)は無事に出走。143名の選手たちがリブニクの街をスタートし、フィリプ・マチェユク(ポーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)と母国ナショナルチームの2人を含む、ポーランドトリオが逃げを打った。

メイン集団をコントロールしたのはラペラ擁するデカトロンAG2Rラモンディアール、ではなく、スプリントを狙うヴィスマ・リースアバイクとスーダル・クイックステップ。序盤にはヴィスマのリードアウト役を担うマシュー・ブレナン(イギリス)が落車したものの、幸い負傷なくレース復帰している。
平穏な一日にスパイスをもたらしたのは山岳賞首位のティモ・キーリッヒ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)だった。1つ目の山岳では集団を抜け出して4位追加し、その後も一人で逃げグループに追いついて2つ目の1級山岳を先頭通過。持ち点を合計41ptsに伸ばすことに成功。さらには中間スプリントも争った末に先着するなど積極的な走りを披露した。
全ての中間ポイントを獲ったキーリッヒは逃げから降り、残ったのはマチェユク一人だけ。終盤戦に入ると集団からジャンプしたロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)が合流したものの、スプリントに向けて意欲を燃やす集団を振り切るには至らなかった。
残り2.5kmでマチェユクとミレージを引き戻し、アルペシン・ドゥクーニンクとイネオス・グレナディアーズ、さらにグルパマFDJがスプリントトレインをぶつけ合いながらフィニッシュ前へ。最終盤にイネオスが主導権を握り返し、4日連続で母国ポーランドの元世界王者、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレアディアーズ)のリードアウトが始まった。
クフィアトコフスキと前日勝者ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレアディアーズ)のゴールデントレインが発進したものの、最終右コーナーでターナーの背後につけたポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が軽やかなスプリントで先頭に立った。

ターナーの加速ラインを絶妙にブロックしつつ、いち早くトップスピードに乗せたマニエが伸びる。遅れて加速したターナーを2車身ほど突き放す鮮やかなスプリントでマニエが勝利した。
「ワールドツアー初勝利なので、とても嬉しいよ。この美しいT-Rex クイックステップジャージを着て勝利できたことを誇りに思う。ステージ勝利を目標にしていたけれど、今日は自分にぴったりのフィニッシュで爆発的な力を発揮できたので本当に嬉しい。中盤には登りがあって決して楽なステージではなかったけれど、チームメイトがステージをコントロールし、最後の数キロメートルで完璧なポジションを確保してくれた。心から感謝しているよ」と喜ぶマニエにとっては今季5勝目で、プロ通算10勝目。応援に駆けつけた両親の前での嬉しい勝利だったという。


「この勝利は今年の次の目標に向けて大きな自信を与えてくれる。もっと勝ち続けたいと思っていますし、ポーランドでの勝利は士気を高める上でも素晴らしいもの。次のステージも積極的に狙っていきたいし、全力で取り組むつもりだ。もし自分の結果が出せなくても喜んでチームメイトのために走りたいと思う」と話している。
ラペラをはじめ、総合上位勢は集団内フィニッシュしたため、大きな総合変動はなし。翌日は終盤に登坂区間が設けられた山岳ステージ。逃げもしくは絞り込まれたメイン集団による争いになりそうだ。
ツール・ド・ポローニュ2025第4ステージ
1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 4:36:09 |
2位 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレアディアーズ) | |
3位 | ティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック) | |
4位 | ティボー・グリュエル(フランス、グルパマFDJ) | |
5位 | マディス・ミケルス(エストニア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
6位 | スタニスワフ・アニオコウスキ(ポーランド、コフィディス) | |
7位 | ティム・ファンダイク(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | イェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
9位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) |
個人総合成績
1位 | ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | 16:33:19 |
2位 | ヴィクトル・ランゲロッティ(モナコ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:08 |
3位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | +0:12 |
4位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:14 |
6位 | クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
7位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) | |
8位 | ラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツXRG) | |
9位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:18 |
10位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、アスタナ・カザクスタン) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) |
山岳賞 | トマシュ・ブジンスキ(ポーランド・ナショナルチーム) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツXRG |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour de Pologne, CorVos
photo:Tour de Pologne, CorVos
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