「マイヨジョーヌを着て勝ちたかった」と語る総合優勝者ポーリーヌ・フェランプレヴォに対し、2年連続の総合2位に終わったフォレリングは悔しさを滲ませた。女子レースの飛躍的なレベルアップを語るニエウィアドマなど、選手たちのコメントで第4回ツール・ド・フランス・ファムを振り返る。



ステージ優勝&総合優勝 ポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)

独走で2連勝、そして総合優勝を決めたポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

信じられないほど嬉しい。昨日はもちろん素晴らしい日となったが、今日も気を引き締めなければならないと思っていた。しかし序盤の下りで集団後方に下がりすぎてしまい、第2集団に取り残されてしまった。それでもチームメイトは素晴らしい走りで前との差を詰めてくれた。心から感謝している。

今朝、監督たちに「マイヨジョーヌを着てステージ優勝したい」と伝え、そのチャンスが巡ってきた。アタックしたら後続との差が広がり、最後の5kmは本当に苦しかったが、なんとかフィニッシュまで持ちこたえることができた。初出場のツール・ファムを、マイヨジョーヌでの勝利で締めくくることができた。これ以上の喜びはない。

ステージ2位&総合2位 デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)

総合2位に入ったデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:CorVos

第3ステージでの落車が(敗れたことに)直接影響を及ぼしたかどうかは分からない。だけど回復に身体の力を使ったのは事実。第8ステージ(の最終山岳)でサラ(ジガンテ)とポーリーヌのペースについていくことができなかった。その時点で総合優勝は難しいと思ったものの、今日は1つでも総合順位を上げ、ステージ優勝を狙った。チームの走りに応える意味でも勝利が欲しかった。

ツール・ド・スイスで体重を減らしすぎて体調を崩したので、今大会はそれほど減らさず臨んだ。来年以降(フェランプレヴォ)に勝てるかどうかは分からない。例えば来年、エシュロン(横風分断)が起これば体重のある私が有利となる。それに個人タイムトライアルがあったり、私に有利なレイアウトになれば可能性はあるだろう。また、今日サラが遅れたように、必ずしも良いクライマーが総合優勝するわけではない。総合優勝するにはあらゆるスキルが求められるからね。

フェランプレヴォを追いかけるフォレリングとニエウィアドマ photo:A.S.O.

─ライバルと比べて「体重がある」という批判についてどう思うか

そもそも私は身長が高いこともあり、自分が(他選手と比べて)体重があることには誇りにすら感じている。それでも勝てるという例になりたい。今度は登りのあるレースで勝ち、若い選手たちに「痩せてなければ勝てないわけではない」ということを示したい。パワーがあり、一生懸命練習すれば勝てるということをね。

ステージ3位&総合3位 カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)

フォレリングと健闘を称え合うカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) photo:A.S.O.

最高の気分ではないのは、努力して目指していた結果が得られなかったから。でも登りで出した数値を見てみると、キャリア最高の走りだということが分かった。つまり他の選手たちがそれだけ成長し、女子レースのレベルが上がっていることを示している。でも、「ただ成長するだけでは勝てない時代に、勝つために何ができるのだろう」と考えてしまう。90分間の出力値は自己最高だった。昨年大会のラスト2日間と比べても、今年の方がずっと数値は高いのだから。

8日間のレースを終えたところで感じる”キツさ”は、フレッシュな状態で行うトレーニングの30〜40分の高強度とは全くの別物。ステージレースは移動や睡眠時間、ベッドなどコントロールできない要素を考慮しなければならず、回復に影響する変数が多すぎる。だから全てが完璧に整っている練習とは違い、コントロールできないことを受け入れなければならない。

マイヨヴェール(ポイント賞) ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)

区間2勝し、念願のマイヨヴェールを獲得したロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.

ようやく不運のないツール・ド・フランス・ファムとなった。第1回大会は落車リタイアし、2回目は体調不良、昨年も我々にとって最高の大会とはならなかった。でもついに全てが噛み合い、このチャンスを与えてくれたチームに感謝している。

最終日に総合2位から6位に下げたサラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル)

超級山岳に貼った時からコンディションの悪さを感じ、下りで遅れてしまった。その後はタイムロスを最小限にすべく踏み続けたのだが、上手くいかなかった。でも、総合7位だった昨年に比べて大きな成長を感じた大会となった。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.

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