スイスのハイパフォーマンスウェアブランド「アソス」が手掛けるレーシングウェアのEQUIPE Rシリーズ。その中からこの時期にピッタリな半袖ジャージ「EQUIPE R Jersey S11」とビブショーツ「EQUIPE R Bib Shorts S11」をインプレッションしていく。



アソス EQUIPE R Jersey S11 photo:Gakuto Fujiwara

スイス発のハイパフォーマンスウェアブランド「アソス」。同国のナショナルチームをはじめ、スイス籍UCIプロチームであるチューダー・プロサイクリングをサポートし、トップレースにおいても確固たる存在感を発揮するブランドだ。

そんなアソスが展開するレーシングラインが「EQUIPE」シリーズ。そのボトムラインを担う半袖サイクルジャージ「EQUIPE R Jersey S11」は、プロチームからのフィードバックを基に開発されたモデルだ。

六角形パターンの軽量な円形ニット生地「AirCell」を採用 photo:Gakuto Fujiwara

フラップを備え、ビブショーツとの擦れを防いでくれる photo:Gakuto Fujiwara

メインとなる生地には上位モデルのEQUIPE RSと同じ超軽量なAircell素材を採用。オープン構造の六角形パターンに織られたニット生地は非常に薄手で、軽量かつ優れた通気性を実現する。

更に、高い伸縮性も備えたファブリックによってタイトなレースフィットでありながら締め付けの少ない着用感に。EQUIPE R Jersey S11はあらゆるライディングフォームでも身体にフィットしてくれる「第二の皮膚」となる。

口部を覆う布製パネルが中身を安定させる構造になっている photo:Gakuto Fujiwara

腰の部分にはシリコングリッパーを搭載 photo:Gakuto Fujiwara

着用時のストレスを低減すべく、袖口の縫い目は最小限に。ジッパーにはフラップが配置され、ビブショーツへの摩擦を減らしてくれる。背面に配置された3つのポケットは、開口部を覆う布製パネルが中身を安定させる構造により、走行中の荷物の揺れや飛び出しを防いでくれる。

カラーはブラックとフューチャーダスク、テラサンド、ステララベンダーの4色をラインアップ。アソスのロゴが背中のバッグポケットにデザインされ、シンプルなジャージとなっている。サイズはXS~XLサイズの5サイズ展開で、価格は26,950円(税込)。

アソス EQUIPE R Bib Shorts S11 photo:Gakuto Fujiwara

続いて、EQUIPE Rシリーズのビブショーツ「EQUIPE R Bib Shorts S11」はアソスの最新技術が惜しみなく投入された、パフォーマンスと快適性を追求したレーシングフィットのビブショーツである。

非常に高密度なワープニット素材で、絹のような滑らかさと優れた耐摩耗性を両立している「Type.911」テキスタイルをメインファブリックに採用。適度なコンプレッション性によって、高いフィット感を実現している。また、速乾性や防臭機能、UPF50+の紫外線防止効果も備えている。

絹のような滑らかさと優れた耐摩耗性を両立している「Type.911」ファブリックを採用 photo:Gakuto Fujiwara

腰回り上端部から硬い縫い目を排除することで、腹部の圧迫を軽減 photo:Gakuto Fujiwara

ぴったりと身体に貼りつくようなレーシングフィットによって、360°全方位にコンプレッションが働き、下半身の筋肉の収縮をサポート。さらに、エアロ効果を高める引き締まったシルエットも特徴だ。

ウエストの負担を和らげる「ZeroPressure Waist」技術を採用。腰回り上端部から硬い縫い目を排除することで腹部の圧迫を軽減。さらに、生地のシワやたるみをなくして優しいフィット感を実現している。

9mm厚の新型パッド「R S11パッド」 photo:Gakuto Fujiwara

アソス独自の「ゴールデンゲート構造」を継続採用 photo:Gakuto Fujiwara
通気性が高く、汗や蒸れを素早く排出 photo:Gakuto Fujiwara


クッション性を担保するのは9mm厚の新型パッド「R S11パッド」で、アソス独自の「ゴールデンゲート構造」を継続して採用している。パッド中央付近の両サイドが浮いているため、激しいペダリングにおいてもズレることなくライダーに追従する画期的な構造だ。。さらに、ハニカム構造の「3Dワッフル」が通気性を高め、蒸気を素早く排出してくれる。

ビブストラップには腰のたるみを制限し、レースやトレーニングなどで激しいライディング中でも安定を促す「Xフレーム」構造を採用。垂直方向の伸縮を制御するスタビライザーの役割も果たし、パッドを適切な位置に保ってくれる。

激しいライディング中でも安定を促す「Xフレーム」構造のビブストラップを搭載 photo:Gakuto Fujiwara

脚部の裾はローカット仕様で、必要最低限のドット状シリコングリッパーをサイドと後ろ側に配置。肌への刺激を抑えつつ、ペダリング時に筋肉の動きを妨げず、ズレ上がりをしっかりと防止してくれる。

EQUIPE R Bib Shorts S11は機能性だけでなく、豊富なカラーバリエーションも揃っている。基本のブラックに加え、エッジグリーンやシークレットブルーの高級感漂うマットな質感のカラーが展開されており、スタイリングの幅が広がる。XS~XLサイズまでの5サイズが展開されているため、自身の身体にフィットしてくれるサイズが見つかるはず。価格は34,980円(税込)。

それでは編集部インプレッションに移っていこう。


―編集部インプレッション

アソス EQUIPE Rシリーズのインプレッションを担当するのはCW編集部員の高木 photo:Gakuto Fujiwara

アソス EQUIPE Rシリーズのインプレッションを担当するのはCW編集部員の高木(身長175cm、体重60kg)。やせ型の細身体系であるため、ラファやイザドア、パスノーマルではXSサイズ、カステリやウエイブワンではSサイズを愛用している。

アソスは普段から愛用しており、歴代のアソスウェアはサイクルジャージもビブショーツも両方ともXSサイズを着用してきた。今回も、新世代のサイズ感にはなっていると思うがXSサイズを試していく。

襟部分が低いデザインで涼しい photo:Gakuto Fujiwara

実際、ジャージ、ビブショーツ共にジャストサイズ。ジャージは、しっかりとした生地ながら伸縮性に優れ、適度なコンプレッションが心地よい。40℃近い真夏のライドでもテストライドをしていたが、薄く優れた通気性と速乾性も兼ね備えているため、ジャージが汗で身体に張り付くような感覚がなく、ライド中は快適だった。

愛用しているスマートフォンがiPhone 16 pro maxということもあり、本体重量が重く、伸縮性が高いジャージだと背中のポケット内で大きく動いてしまい気になっていた。しかし、EQUIPE R Jersey S11の背面のバックポケットは、開口部を覆う布製パネルが中身を安定させる構造のおかげでポケット内の荷物が動きにくく、揺れや飛び出す心配は不要だった。

一方のショーツは、アソス特有の設計でもある腹部の低さはこの最新作にも共通だ。肩ストラップの位置も改良されて、以前よりも広がっている。これにより腹部の圧迫感がより軽減され、開放的になった。腹圧をかけやすく、安定したライディングフォームをとりやすくなっている。

EQUIPE R Jersey S11はしっかりとした生地で着用感はあるもの、伸縮性に優れるため、着心地が良い photo:Gakuto Fujiwara

パッドはこれまで多くのビブショーツを試してきたが、アソスのインナーパッドは非常に良い。前方から後方にかけて、幅広くカバーしてくれるため、包み込むように保護してくれている感覚があり、非常に快適である。一度でもアソスのビブショーツを履いたことがある方ならば、わかってもらえるだろう。

レースモデルは9mm厚、グラベルやツーリングモデルでは21mm厚と、様々な使用シーンに応じたインナーパッドがラインアップされているが、そのどれもが極上の着用感をもたらしてくれるのがアソスの特徴でもある。

アソスのインナーパッドは前方から後方にかけて、幅広くカバーしてくれるため、包み込むように保護してくれている photo:Gakuto Fujiwara

ちなみに、他社ブランドのビブショーツに搭載されているインナーパッドよりもアソスは分厚くなっているため、日ごろ使っているウェアのブランドによってはサドル高の調整が必要だ。今回はサドル高を1~3mmほど下げている。

さて、その実力はやはり確かなもので、6~7時間の200km近いライドでのテストでも痛みは一切出ることなく快適に走り切れた。パッド自体の出来も秀逸なのだが、アソス独自のゴールデンゲートテクノロジーが良い働きをしている。フローティング構造によってパッドが身体とズレることなく密着するため、その高性能を余すところなく発揮できるのだ

アソス独自のゴールデンゲート構造によって、身体の動きに追従し続けてくれるため、優れたフィット感だった photo:Gakuto Fujiwara

さらに、インナーパッドの厚みによって、深い前傾姿勢でも下腹部の圧迫が軽減されるのもこのショーツの美点。現代的な前乗りポジションに最適化されたレース向きビブショーツだと感じる。

湿度が高く、40℃に迫るような過酷な夏のライドでも、EQUIPE R Jersey S11は心強い味方となる。通気性と速乾性に優れ、大量の汗をかいても不快感が少なく、走っていくうちに乾いていたため、快適さは損なわれない。

現代的な前乗りポジションに最適化されたレース向きビブショーツである photo:Gakuto Fujiwara

一方、ボリューミーなパッドによって快適性を担保しているEQUIPE R Bib Shorts S11は、一見蒸れてしまいそうにも思えるが、3Dワッフルと名付けられたハニカム構造によって通気性を高め、汗や蒸れを素早く排出してくれる。

まとめると、軽量性、通気性、空力性能、そして快適性を高次元で融合させたEQUIPE R Jersey S11は、アソスの技術が詰まったレーシングジャージ、そしてEQUIPE R Bib Shorts S11は長時間のライドでも機能性と快適さを兼ね備えた高性能ビブショーツだと言えよう。

「EQUIPE R Jersey S11」と「EQUIPE R Bib Shorts S11」はトレーニングやロードレースまで使えるハイパフォーマンスウェアだった photo:Gakuto Fujiwara

付け加えれば、EQUIPE R Bib Shorts S11は今回着用しているエッジグリーンのほか、定番のブラック、色鮮やかなシークレットブルーとカラービブショーツも展開されているため、 EQUIPE R Jersey S11のブラックやフューチャーダスク、テラサンド、ステララベンダーとの組み合わせ次第でウェアコーディネートを楽しむことができる。

EQUIPEシリーズを身近にする新作、「EQUIPE R Jersey S11」と「EQUIPE R Bib Shorts S11」は週末のサイクリングや日々のトレーニングから本格的なロードレースまで、パフォーマンスを求めるサイクリストにおすすめのサイクルウェアだ。



アソス EQUIPE R Jersey S11
カラー:ブラック、フューチャーダスク、テラサンド、ステララベンダー
サイズ:XS~XLサイズ
価格:26,950円(税込)

アソス EQUIPE R Bib Shorts S11
カラー:ブラック、シークレットブルー、エッジグリーン
サイズ:XS~XLサイズ
価格:34,980円(税込)

最新ニュース(全ジャンル)