2024/12/19(木) - 18:00
ブリヂストンがラインアップするロードバイク用タイヤ"EXTENZA"。昨年フルモデルチェンジを果たし、トレンドをキャッチアップした最新モデルとして生まれ変わった新型EXTENZAを紹介しよう。
ブリヂストンの誇るEXTENZA、15年の歴史。
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8年ぶりとなるフルモデルチェンジを遂げたブリヂストン EXTENZA R1X (c)ブリヂストンサイクル
日本が世界に誇るタイヤブランドであるブリヂストン。世界有数のタイヤメーカーであり、モータースポーツの世界においても確かな実績を積み上げてきたブリヂストンは、その高性能と信頼性によって高い評価を得てきた。
そのカバー範囲は自転車にも及んでおり、2009年にブランド初のロードバイクタイヤとして初代"EXTENZA RR1"をリリース。ブリヂストンのロードバイクタイヤを待望してきたサイクリストの期待通り、初代EXTENZA RR1は高い性能を発揮し、多くのサイクリストから高評価を得た。
しかし、ブリヂストンはそこに甘んじることなく1年後にフルモデルチェンジを敢行。オールラウンドモデルのRR1X、ハイグリップモデルのRR1HG、軽量モデルのR1SLという三本柱へとラインアップを拡充し、用途やコースに応じて最適な解を選べる体制を整えた。
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2015年にデビューしたEXTENZA R1シリーズ。オールラウンダーのR1X、軽量なR1S、グリップ重視のR1Gの3モデル展開だった
その5年後となる2015年には2度目のフルモデルチェンジを果たす。"R"を一つ減らし、"EXTENZA R1"シリーズへとその名を変え、その性能に磨きをかけた。
ラインアップは第2世代同様にオールラウンドモデルのR1X、ハイグリップモデルのR1G、軽量モデルのR1Sという3モデル構成で、進化したコンパウンドやケーシングにより、それぞれの得意分野を更に伸ばしたのが第3世代のEXTENZAシリーズだった。
そして時が経つこと8年。2023年にEXTENZAシリーズが待望のフルモデルチェンジを果たすことが発表された。
最新モデルに相応しい完全新設計となった第4世代EXTENZA
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チームブリヂストンサイクルの選手らが乗り込み、エンジニアと緊密な協力関係を築き上げた (c)ブリヂストンサイクル
前作のデビュー以来、ロードバイクを取り巻く環境は大きく変化した。ディスクブレーキが主流となり、物理的制約を取り払われたタイヤはワイド化の一途を辿っている。チューブレスレディの普及も進み、フックレスリムなど新たな設計も登場してきている。
このように大きな変化を遂げたロード用タイヤを取り巻く環境に対し、ブリヂストンはEXTENZAをイチから再設計することを決断。ただ、時が移り、世界が変わってもEXTENZAのコンセプトはブレていない。
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ブリヂストン EXTENZA R1X クリンチャー (c)ブリヂストンサイクル
「プロがレースで戦えるタイヤ」。それが新型EXTENZAの根底にある設計思想だ。そのために、ブリヂストンの開発陣はチームブリヂストンサイクリングの選手らの濃密で緊密なフィードバックを受け、現代のレーシングタイヤに求められる要件を細やかに定義してきた。
こうして作り上げられた新型EXTENZAは、「ワイドリム/タイヤへの対応」、「チューブレスレディモデルの追加」、「グリップ、耐久性、転がり抵抗の進化」という3つの課題をクリアするタイヤとして生まれ変わった。
ワイドリムとタイヤへの対応、つまり新しくなったETRTO規格への対応と言っても、単に寸法を拡げただけではない。新型EXTENZAではトレッドの幅を15%拡大することで、ドライ・ウェット路面の両方で安定したコーナー性能を実現した。
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耐パンク性も向上。プロにとっても、ホビーライダーにとっても大切な要素だ (c)ブリヂストンサイクル
ワイド化による断面形状の変化、そしてグリップ力の向上による限界点の向上による高速化も相まって、バイクをより倒しこむようになっていた選手らから寄せられたのが、このトレッド幅の拡大という要望だった。
重量や転がり抵抗といった他の要素にも影響する部分ではあるが、それらとのバランスを取りつつEXTENZAはその要望を実現。「プロがレースで戦えるタイヤ」として、選手らが納得する一本となったという。
コーナーでのグリップと同様にプロにとって重要なのが高い耐パンク性能だ。パンクによって勝利を逃すリスクは、選手にとって耐えがたいもの。新型EXTENZAはケブラー製のアンチパンクレイヤ―の配置変更やトレッド厚を増すことでR1Xは耐貫通強度を6%向上。セカンドグレードのR2Xに至っては24%の改善を果たしている。
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新コンパウンドにより転がり抵抗も軽減されている (c)ブリヂストンサイクル
このようにグリップと耐パンク性を大幅に改善した新型EXTENZAだが、走りの軽さに直結する転がり抵抗までも軽減している。新開発のコンパウンドを採用したことで、前作に対しR1Xは4%、R2Xは9%も走行抵抗の削減に成功。
前作で用いられていたコンパウンドはウェットグリップに重きを置いていたため、転がり抵抗は軽くなかったという。そのため、ベースゴムを廃しつつトレッドを薄くすることでヒステリシスロスを削減し、構造的アプローチから走りの軽さを実現していた。
しかし、新型コンパウンドは高いウェットグリップはそのままに転がり抵抗も非常に低く抑えられるため、無理にタイヤを薄くする必要が無くなったことで、耐パンク性、そしてロングライフ化にも繋がっている。耐摩耗性についてはなんと27%もの性能向上を実現。タイヤライフを気にすることなく使え、普段の練習からレース本番まで同じタイヤで通せるという大きなメリットをもたらした。
ラインアップはシンプルに。ブランド初のチューブレスレディも登場。
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ブリヂストン EXTENZA R1X チューブレスレディ (c)ブリヂストンサイクル
レーシングタイヤとして全方位に進化し、一気に最新モデルとして返り咲いた新型EXTENZA。前作までは用途に応じた3モデルが用意されていたが、今作ではR1Xの1モデルに統合されることとなった。
R1Xにはクリンチャーとチューブレスレディが用意され、それぞれに25Cと28Cをラインアップ。120TPIケーシングのクリンチャーに対し、チューブレスレディは170TPIとより高密度のケーシングを採用している。価格はクリンチャーが11,000円、チューブレスレディが13,000円(共に税込)。
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ブリヂストン EXTENZA R2X クリンチャー (c)ブリヂストンサイクル
そしてセカンドグレードのハイパフォーマンスモデルとして用意されるのがR2X。RR2X以来のフルモデルチェンジとなり、大きな性能向上を果たしている。コンパウンドはR1Xと共通で、パンクプロテクターがナイロン製、ケーシングが60TPIとなっているのが大きな違いだ。
R2Xはクリンチャーのみの展開となるが、サイズ展開は25C、28C、32CとR1Xよりも豊富になっている。価格は8,200円(税込)。
ブリヂストン EXTENZA R1X クリンチャー
サイズ/重量:25C/215g、28C/235g
パンクプロテクター:ケブラー
ケーシング:120TPI
価格:11,000円(税込)
ブリヂストン EXTENZA R1X チューブレス
サイズ/重量:25C/295g、28C/320g
パンクプロテクター:ケブラー
ケーシング:170TPI
価格:13,000円(税込)
ブリヂストン EXTENZA R2X クリンチャー
サイズ/重量:25C/245g、28C/270g、32C/310g
パンクプロテクター:ナイロン
ケーシング:60TPI
価格:8,200円(税込)
ブリヂストンの誇るEXTENZA、15年の歴史。
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日本が世界に誇るタイヤブランドであるブリヂストン。世界有数のタイヤメーカーであり、モータースポーツの世界においても確かな実績を積み上げてきたブリヂストンは、その高性能と信頼性によって高い評価を得てきた。
そのカバー範囲は自転車にも及んでおり、2009年にブランド初のロードバイクタイヤとして初代"EXTENZA RR1"をリリース。ブリヂストンのロードバイクタイヤを待望してきたサイクリストの期待通り、初代EXTENZA RR1は高い性能を発揮し、多くのサイクリストから高評価を得た。
しかし、ブリヂストンはそこに甘んじることなく1年後にフルモデルチェンジを敢行。オールラウンドモデルのRR1X、ハイグリップモデルのRR1HG、軽量モデルのR1SLという三本柱へとラインアップを拡充し、用途やコースに応じて最適な解を選べる体制を整えた。
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その5年後となる2015年には2度目のフルモデルチェンジを果たす。"R"を一つ減らし、"EXTENZA R1"シリーズへとその名を変え、その性能に磨きをかけた。
ラインアップは第2世代同様にオールラウンドモデルのR1X、ハイグリップモデルのR1G、軽量モデルのR1Sという3モデル構成で、進化したコンパウンドやケーシングにより、それぞれの得意分野を更に伸ばしたのが第3世代のEXTENZAシリーズだった。
そして時が経つこと8年。2023年にEXTENZAシリーズが待望のフルモデルチェンジを果たすことが発表された。
最新モデルに相応しい完全新設計となった第4世代EXTENZA
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前作のデビュー以来、ロードバイクを取り巻く環境は大きく変化した。ディスクブレーキが主流となり、物理的制約を取り払われたタイヤはワイド化の一途を辿っている。チューブレスレディの普及も進み、フックレスリムなど新たな設計も登場してきている。
このように大きな変化を遂げたロード用タイヤを取り巻く環境に対し、ブリヂストンはEXTENZAをイチから再設計することを決断。ただ、時が移り、世界が変わってもEXTENZAのコンセプトはブレていない。
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「プロがレースで戦えるタイヤ」。それが新型EXTENZAの根底にある設計思想だ。そのために、ブリヂストンの開発陣はチームブリヂストンサイクリングの選手らの濃密で緊密なフィードバックを受け、現代のレーシングタイヤに求められる要件を細やかに定義してきた。
こうして作り上げられた新型EXTENZAは、「ワイドリム/タイヤへの対応」、「チューブレスレディモデルの追加」、「グリップ、耐久性、転がり抵抗の進化」という3つの課題をクリアするタイヤとして生まれ変わった。
ワイドリムとタイヤへの対応、つまり新しくなったETRTO規格への対応と言っても、単に寸法を拡げただけではない。新型EXTENZAではトレッドの幅を15%拡大することで、ドライ・ウェット路面の両方で安定したコーナー性能を実現した。
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重量や転がり抵抗といった他の要素にも影響する部分ではあるが、それらとのバランスを取りつつEXTENZAはその要望を実現。「プロがレースで戦えるタイヤ」として、選手らが納得する一本となったという。
コーナーでのグリップと同様にプロにとって重要なのが高い耐パンク性能だ。パンクによって勝利を逃すリスクは、選手にとって耐えがたいもの。新型EXTENZAはケブラー製のアンチパンクレイヤ―の配置変更やトレッド厚を増すことでR1Xは耐貫通強度を6%向上。セカンドグレードのR2Xに至っては24%の改善を果たしている。
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このようにグリップと耐パンク性を大幅に改善した新型EXTENZAだが、走りの軽さに直結する転がり抵抗までも軽減している。新開発のコンパウンドを採用したことで、前作に対しR1Xは4%、R2Xは9%も走行抵抗の削減に成功。
前作で用いられていたコンパウンドはウェットグリップに重きを置いていたため、転がり抵抗は軽くなかったという。そのため、ベースゴムを廃しつつトレッドを薄くすることでヒステリシスロスを削減し、構造的アプローチから走りの軽さを実現していた。
しかし、新型コンパウンドは高いウェットグリップはそのままに転がり抵抗も非常に低く抑えられるため、無理にタイヤを薄くする必要が無くなったことで、耐パンク性、そしてロングライフ化にも繋がっている。耐摩耗性についてはなんと27%もの性能向上を実現。タイヤライフを気にすることなく使え、普段の練習からレース本番まで同じタイヤで通せるという大きなメリットをもたらした。
ラインアップはシンプルに。ブランド初のチューブレスレディも登場。
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レーシングタイヤとして全方位に進化し、一気に最新モデルとして返り咲いた新型EXTENZA。前作までは用途に応じた3モデルが用意されていたが、今作ではR1Xの1モデルに統合されることとなった。
R1Xにはクリンチャーとチューブレスレディが用意され、それぞれに25Cと28Cをラインアップ。120TPIケーシングのクリンチャーに対し、チューブレスレディは170TPIとより高密度のケーシングを採用している。価格はクリンチャーが11,000円、チューブレスレディが13,000円(共に税込)。
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そしてセカンドグレードのハイパフォーマンスモデルとして用意されるのがR2X。RR2X以来のフルモデルチェンジとなり、大きな性能向上を果たしている。コンパウンドはR1Xと共通で、パンクプロテクターがナイロン製、ケーシングが60TPIとなっているのが大きな違いだ。
R2Xはクリンチャーのみの展開となるが、サイズ展開は25C、28C、32CとR1Xよりも豊富になっている。価格は8,200円(税込)。
ブリヂストン EXTENZA R1X クリンチャー
サイズ/重量:25C/215g、28C/235g
パンクプロテクター:ケブラー
ケーシング:120TPI
価格:11,000円(税込)
ブリヂストン EXTENZA R1X チューブレス
サイズ/重量:25C/295g、28C/320g
パンクプロテクター:ケブラー
ケーシング:170TPI
価格:13,000円(税込)
ブリヂストン EXTENZA R2X クリンチャー
サイズ/重量:25C/245g、28C/270g、32C/310g
パンクプロテクター:ナイロン
ケーシング:60TPI
価格:8,200円(税込)
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