イタリア人クライマーであるマルタ・カヴァッリ(FDJスエズ)が、DSMフィルメニッヒ・ポストNLと2027年までの契約を結んだ。2022年にアムステルゴールドレースとフレーシュ・ワロンヌを制し、2024年は怪我や交通事故で僅か5レースの出場に留まった。



2022年アムステルゴールドレースを制したマルタ・カヴァッリ(イタリア) photo:CorVos

イタリア北西部のロンバルディア州クレモナ出身のカヴァッリは26歳。「FDJスエズでの4年間は楽しかったものの、新しい環境で自分を取り戻したい」と意気込みを語り、「DSMフィルメニッヒ・ポストNLは私を選手として、また人間として成長させてくれる可能性を感じた。ここ数年は不運が続いたが、リスタートを切る良い機会だと思っている」と新天地での期待を語った。

2021年にFDJスエズへ加入後、カヴァッリは2022年にアムステルゴールドレース・レディースエディションで優勝。続くラ・フレーシュ・ワロンヌの激坂「ユイの壁」でアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)を撃破し、トップライダーの仲間入りを果たすと、ジロ・デ・イタリア・ドンネでも総合2位と将来を嘱望される若手選手として注目を集めた。

しかし、2022年のツール・ド・フランス・ファムでの脳震盪を境に、成績は伸び悩む。2023年にフランスの1クラスのステージレースで総合優勝するものの、ワールドツアーで勝利に至らない。さらに2024年はシーズン開幕前の臀部の怪我と、7月の練習中の交通事故により、わずか5レースでシーズンを終えることとなった。

新天地で復活を目指さうマルタ・カヴァッリ(イタリア) photo:CorVos

FDJスエズへ移籍するジュリエット・ラブース(フランス)の穴を埋めるべく、カヴァッリに白羽の矢を立てたDSM。既存のエーススプリンターであるシャーロッテ・コール(オランダ)に加え、クラシックレースやグランツールで総合優勝を狙うクライマーとして、カヴァッリへの期待は大きい。

3年間という長期契約はカヴァッリの潜在能力を高く評価している証。不運な時期を乗り越え、かつての輝きを取り戻せるか。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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