今季29勝と躍進したイスラエル・プレミアテックが、ミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ)との契約を1年更新した。これによりチームは30名のロースターを確定させ、ワールドチーム昇格に向け盤石なメンバーを揃えた。



契約更新が発表されたミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック) photo:Israel – Premier Tech

エーススプリンターであるパスカル・アッカーマン(ドイツ)のリードアウトとして、今年加入したミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ)は33歳。「今年、僕ら選手とスタッフは一丸となったので来年はそれ以上の戦いがしたい。今年学んだことを来年に活かしたい。僕らは若手と才能ある選手、経験豊富な選手たちがの良いコンビネーションを見せている。チームの目標達成のための力になりたい」とシュヴァルツマンは語った。契約期間は2025年末までの1年間。

2024年はスティーブン・ウィリアムズ(イギリス)によるツアー・ダウンアンダー総合優勝やラ・フレーシュ・ワロンヌ優勝、またマイケル・ウッズ(カナダ)のブエルタ・ア・エスパーニャ区間優勝など成功のシーズンとなったイスラエル。勝利数も2019年と最多タイの29(総合優勝を含む)を積み重ね、ワールドチームに引けを取らない強さを見せた。

今季6勝を飾ったスティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos

イスラエルの特徴は絶対的なエースに頼るのではなく、レースによって変わる主力選手がそれぞれ勝利を掴んでいるところ。また下部チームに所属し、今年トレーニー(研修生)としてトップチームで走った21歳のジョセフ・ブラックモア(イギリス)はツール・ド・ラヴニールで総合優勝。また1クラス(上から3番目)のツール・ド・台湾でも総合優勝するなど、若手育成にも成功している。

一方、チームからは創設した2015年より所属するガイ・サジフ(イスラエル)と、ベテランのリック・ツァベル(ドイツ)が引退。またエースの1人であるディラン・トゥーンス(ベルギー)はコフィディスへ移籍した。

母国チームを離れ、加入するアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン) photo:CorVos

しかしイスラエルはアスタナ・カザクスタンからプロ通算43勝のベテラン、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)を2年契約で獲得。更にヤン・ヒルト(チェコ、スーダル・クイックステップ)とマティス・ルーヴェル(フランス、アルケアB&Bホテルズ)を加える着実な補強を実行。またカナダの現タイムトライアル王者であるピアアンドレ・コーテも下部チームから昇格している。

現時点でUCIチームランキングで14位につけるイスラエル。昇格の条件である18位以内をキープしているため、2022年以来となるワールドチームに向けて盤石なロースターと言うことができる。
イスラエル・プレミアテック2025年ロースター
パスカル・アッカーマン(ドイツ)
ジョージ・ベネット(ニュージーランド)
ギヨーム・ボワヴァン(カナダ)
サイモン・クラーク(オーストラリア)
イタマル・アインホルン(イスラエル)
マルコ・フリーゴ(イタリア)
クリストファー・フルーム(イギリス)
ヤコブ・フルサン(デンマーク)
デレク・ジー(カナダ)
ユーゴ・オフステテール(フランス)
ユーゴ・ウル(カナダ)
オデッド・コグット(イスラエル)
クリスツ・ニーランズ(ラトビア)
ライリー・ピックレル(カナダ)
ナダフ・ライスベルク(イスラエル)
マシュー・リッチテッロ(アメリカ)
ニック・シュルツ(オーストラリア)
ミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ)
ライリー・シーアン(アメリカ)
ジェイク・スチュワート(イギリス)
コービン・ストロング(ニュージーランド)
トム・ファンアスブルック(ベルギー)
イーサン・ヴァーノン(イギリス)
スティーブン・ウィリアムズ(イギリス)
マイケル・ウッズ(カナダ)
ジョセフ・ブラックモア(イギリス)
新加入
アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)←アスタナ・カザクスタン
ヤン・ヒルト(チェコ)←スーダル・クイックステップ
マティス・ルーヴェル(フランス)←アルケアB&Bホテルズ
ピアアンドレ・コーテ(カナダ)←イスラエル・プレミアテック・アカデミー
退団選手
メイソン・ホリーマン(イギリス)
ガイ・サジフ(イスラエル)→引退
ディラン・トゥーンス(ベルギー)→コフィディス
マッズ・ウルスシュミット(デンマーク)
リック・ツァベル(ドイツ)→引退
text:Sotaro.Arakawa
photo:Israel – Premier Tech