2024/11/11(月) - 09:30
11月10日(日)に行われたツール・ド・フランス・シンガポールクリテリウムで、前日に引退を正式発表したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)が勝利。新城幸也やフルームら豪華メンバーの前で、約20年に及ぶ現役生活を締めくくった。
2022年より始まり、今年で3回目を迎えたツール・ド・フランス・シンガポールクリテリウム。ツールを主催するA.S.O.が東南アジアへ自転車競技を普及するべく行われた本イベントには、1週間前にさいたまクリテリウムを盛り上げたビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)やプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が集結した。
また去就が注目される新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)やヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)、クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)なども出場。前日のチームプレゼンテーションや地元ファンとの交流を経て、当日のスタート直前には、引退を正式発表したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)のための花道が作られた。
シンガポールの市街地を巡るレースはギルマイやアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)による白熱のスプリント賞争いや、引退するトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)が得意の逃げに乗るシーンも。その後さいたまクリテで敢闘賞を獲得したフルームが地元選手と共にアタックする場面などもありながら、勝負は集団スプリントへ。
フィニッシュ手前50mの標識を前にフィリプセンがスプリントを開始し、その背後からカヴェンディッシュが飛び出す。コース中央で踏み続けるカヴェンディッシュのスピードには、ギルマイやフィリプセン、ドゥリーは届かない。そしてカヴェンディッシュがフィニッシュラインに飛び込むと、自身が持つツール区間優勝記録である35勝を両手で作った。
「ラスト5周回で”これが現役人生で最後の15kmなんだ”と思ったら感傷的になったよ。現役最後のフラムルージュを通過し、暑さも相まって苦しかった。ツール以来レースをしておらず、走りのシャープさを失っていたからね。だがチームメイトが素晴らしいリードアウトを見せてくれたので、僕はスプリントするしかなかった。正直、スプリントをすることによる落車を恐れていた。現役最後のレースで落車するなんて嫌だからね」とレースを振り返るカヴェンディッシュ。
「リードアウトからヤスペル(フィリプセン)を抜き、スピードに乗ることができた。プロ最後のレースで、どうしても欲しかった勝利を得ることができた。本当に嬉しいよ。自転車競技が好きで、何よりツール・ド・フランスが好きだった。ツールはただの自転車レースではなく、世界最大規模のスポーツイベントだ。子どもや大人たちの夢であり、僕ら選手もトレーニングの動機にするレース。サイクリングは人々と出会い、煩わしい考えから自由になることができる。そしてなりたい自分になることができる。また自転車競技はまだまだ潜在能力も秘めており、これからはこのスポーツの発展に貢献していきたい」。
text:Sotaro.Arakawa
2022年より始まり、今年で3回目を迎えたツール・ド・フランス・シンガポールクリテリウム。ツールを主催するA.S.O.が東南アジアへ自転車競技を普及するべく行われた本イベントには、1週間前にさいたまクリテリウムを盛り上げたビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)やプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が集結した。
また去就が注目される新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)やヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)、クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)なども出場。前日のチームプレゼンテーションや地元ファンとの交流を経て、当日のスタート直前には、引退を正式発表したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)のための花道が作られた。
シンガポールの市街地を巡るレースはギルマイやアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)による白熱のスプリント賞争いや、引退するトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)が得意の逃げに乗るシーンも。その後さいたまクリテで敢闘賞を獲得したフルームが地元選手と共にアタックする場面などもありながら、勝負は集団スプリントへ。
フィニッシュ手前50mの標識を前にフィリプセンがスプリントを開始し、その背後からカヴェンディッシュが飛び出す。コース中央で踏み続けるカヴェンディッシュのスピードには、ギルマイやフィリプセン、ドゥリーは届かない。そしてカヴェンディッシュがフィニッシュラインに飛び込むと、自身が持つツール区間優勝記録である35勝を両手で作った。
「ラスト5周回で”これが現役人生で最後の15kmなんだ”と思ったら感傷的になったよ。現役最後のフラムルージュを通過し、暑さも相まって苦しかった。ツール以来レースをしておらず、走りのシャープさを失っていたからね。だがチームメイトが素晴らしいリードアウトを見せてくれたので、僕はスプリントするしかなかった。正直、スプリントをすることによる落車を恐れていた。現役最後のレースで落車するなんて嫌だからね」とレースを振り返るカヴェンディッシュ。
「リードアウトからヤスペル(フィリプセン)を抜き、スピードに乗ることができた。プロ最後のレースで、どうしても欲しかった勝利を得ることができた。本当に嬉しいよ。自転車競技が好きで、何よりツール・ド・フランスが好きだった。ツールはただの自転車レースではなく、世界最大規模のスポーツイベントだ。子どもや大人たちの夢であり、僕ら選手もトレーニングの動機にするレース。サイクリングは人々と出会い、煩わしい考えから自由になることができる。そしてなりたい自分になることができる。また自転車競技はまだまだ潜在能力も秘めており、これからはこのスポーツの発展に貢献していきたい」。
text:Sotaro.Arakawa
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