本日開催のシンガポールクリテリウムに出場するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)が、ここまで明言を避けてきた引退を発表。「次なるステップを踏み出す準備ができた」と18年間に渡るプロ生活に別れを告げた。



さいたまクリテリウムのために来日したマーク・カヴェンディッシュ photo:Makoto AYANO

「日曜がプロサイクリストとしての最終レースとなる。約20年間に渡り、自分の好きな競技に携わることができ幸運に思っている。そして多くを成し遂げたことを誇りに思う。自転車競技は僕に多くを与え、ここまで唯一無二の存在になるべく努力してきた。そして今、人生の次なる章に踏み出す準備ができた。いつも支えてくれた皆に感謝を伝えたい」と、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)は自身のSNSに投稿した。

今年5月に39歳を迎えたカヴェンディッシュは2023年の5月、出場中だったジロ・デ・イタリアの休息日に現役引退を発表した。そしてローマで行われた最終日に勝利を飾り、現役最後のツール・ド・フランスに出場。しかし第8ステージでカヴェンディッシュは落車し、鎖骨骨折でリタイアとなった。

今年のツールで最多区間優勝記録を更新したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン) photo:CorVos

それから3ヶ月後の2023年10月、カヴェンディッシュは現役続行を発表する。またチームはリードアウトとしてミケル・モルコフ(デンマーク)とマーク・レンショー監督を獲得。そして万全の体制で臨んだ今年のツール・ド・フランス第5ステージで、巧みなライン取りから最多区間優勝の単独記録となる35勝目を掴み取った。

ツール後は様々なイベントやさいたまクリテリウムにも出場したカヴェンディッシュ。アスタナ・カザクスタンの退団は決まっていたものの、ここまで引退への明言を避けてきたことで現役続行の噂も囁かれていた。

さいたまクリテ後の記者会見に出席したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン) photo:Satoru Kato

2007年に加入したTモバイルからスカイ・プロサイクリング、エティックス・クイックステップ、ディメンションデータなど数々のチームを渡り歩き、ここまで積み重ねた勝利数は165。UCIレースでは7月21日のツール・ド・フランス最終ステージが現役ラストレースとなったが、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も出場する本日開催のツール・ド・フランス・シンガポール・クリテリウムがカヴェンディッシュにとってプロ最終レースとなる。

text:Sotaro.Arakawa
photo: Yuichiro Hosoda

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