2024/10/08(火) - 08:24
エヴェネプールとログリッチが揃ったイタリアのワンデーレース、コッパ・ベルノッキ(UCI1.Pro)。パウレスら7名によるスプリントでスタン・ファントリヒト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が先着し、プロ初勝利を飾った。
イタリアのワンデーレースであるコッパ・ベルノッキ(UCI1.Pro)の舞台となったのは、5日後のイル・ロンバルディアと同じイタリア・ロンバルディア州。前哨戦の1つとして数えられるものの、コースはピッコロ・ステルヴィオ(距離1.5km/平均6.5%)を含むコースを7周する獲得標高差2,000mに届かないレイアウト。そのため歴代優勝者にはスプリント力のある選手の名前が並ぶ。
今年で第105回目と歴史ある大会に出場したのは、イル・ロンバルディアを目指すレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)たち。他にはカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)やマイケル・マシューズ(ジェイコ・アルウラー)などスピードのあるオーストラリア出身の2人も揃った。
174.34kmレースはアクチュアルスタートの直後からアタックが繰り返され、その中でも積極的だったバルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が逃げを打つ。それにアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)ら3名が付き合い、4名逃げが形成される。メイン集団はスーダル・クイックステップが5分前後のタイム差でコントロールした。
この日4度目のピッコロ・ステルヴィオ(距離1.5km/平均6.5%)に入った残り80km地点では、2021年に31kmの独走勝利を決めたエヴェネプールがアタック。その動きにはチームメイトであるマウリ・ファンセヴェナント(ベルギー)と、UAEチームエミレーツのパヴェル・シヴァコフ(フランス)&マルク・ヒルシ(スイス)が追従。強力な4名は約3分前方にいる逃げ集団を目指した。
しかしこれはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエの先導するプロトンが引き戻し、カウンターでシヴァコフとニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)ら5名集団が飛び出す。慌ただしい展開となった後続を尻目に、順調に残り距離を消化していく逃げグループでは、最後のピッコロ・ステルヴィオ(残り31km)でレメンがアタック。スタン・ファントリヒト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)らを引き離して単独先頭に立った。
4名に絞られたパウレスたちは、レメンの動きに反応できなかったファントリヒトとアレッサンドロ・ピナレロ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)に合流。雨脚が強まるなか、30秒のリードを得たレメンを追いかけフィニッシュに近づいていく。元オランダ空軍の小隊長で、2021年に本格的に競技を始めたレメンは初勝利を狙ったものの、残り1kmで追走に捕まった。
この時点でプロトンとは1分半の差があったため、勝負は先頭の7名に絞られる。スプリントでは不利となるシヴァコフがアタックを仕掛け、ロジャー・アドリア(スペイン、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が潰す。今度はパウレスが残り350mから飛び出し、これにファントリヒトが反応した。
パウレスを抜いたファントリヒトはそのままスプリントを開始し、フィニッシュラインを目指しもがく。そのスピードにはアレックス・ボーダン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)たちは敵わず、序盤の逃げに乗ったファントリヒトがプロ初勝利を手に入れた。
「今年は難しいシーズンとなっていたが、数週間前から調子が上がっていた。今日は逃げに乗る完璧なレースができ、最後はスプリントに繋げるスマートな走りを心がけた。集団で自分が一番スプリントがあると知っていたからね」とファントリヒトはレースを振り返った。
ファントリヒトはファビオ・ヤコブセン(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)など多くの有力選手を輩出した、SEGレーシング・アカデミー(2021年に活動終了したオランダのコンチネンタルチーム)出身の26歳。スーダル・クイックステップでのプロデビューを経て1年契約で今年アルペシンに加入したものの、来季の契約は結んでいない。
イタリアのワンデーレースであるコッパ・ベルノッキ(UCI1.Pro)の舞台となったのは、5日後のイル・ロンバルディアと同じイタリア・ロンバルディア州。前哨戦の1つとして数えられるものの、コースはピッコロ・ステルヴィオ(距離1.5km/平均6.5%)を含むコースを7周する獲得標高差2,000mに届かないレイアウト。そのため歴代優勝者にはスプリント力のある選手の名前が並ぶ。
今年で第105回目と歴史ある大会に出場したのは、イル・ロンバルディアを目指すレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)たち。他にはカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)やマイケル・マシューズ(ジェイコ・アルウラー)などスピードのあるオーストラリア出身の2人も揃った。
174.34kmレースはアクチュアルスタートの直後からアタックが繰り返され、その中でも積極的だったバルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が逃げを打つ。それにアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)ら3名が付き合い、4名逃げが形成される。メイン集団はスーダル・クイックステップが5分前後のタイム差でコントロールした。
この日4度目のピッコロ・ステルヴィオ(距離1.5km/平均6.5%)に入った残り80km地点では、2021年に31kmの独走勝利を決めたエヴェネプールがアタック。その動きにはチームメイトであるマウリ・ファンセヴェナント(ベルギー)と、UAEチームエミレーツのパヴェル・シヴァコフ(フランス)&マルク・ヒルシ(スイス)が追従。強力な4名は約3分前方にいる逃げ集団を目指した。
しかしこれはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエの先導するプロトンが引き戻し、カウンターでシヴァコフとニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)ら5名集団が飛び出す。慌ただしい展開となった後続を尻目に、順調に残り距離を消化していく逃げグループでは、最後のピッコロ・ステルヴィオ(残り31km)でレメンがアタック。スタン・ファントリヒト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)らを引き離して単独先頭に立った。
4名に絞られたパウレスたちは、レメンの動きに反応できなかったファントリヒトとアレッサンドロ・ピナレロ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)に合流。雨脚が強まるなか、30秒のリードを得たレメンを追いかけフィニッシュに近づいていく。元オランダ空軍の小隊長で、2021年に本格的に競技を始めたレメンは初勝利を狙ったものの、残り1kmで追走に捕まった。
この時点でプロトンとは1分半の差があったため、勝負は先頭の7名に絞られる。スプリントでは不利となるシヴァコフがアタックを仕掛け、ロジャー・アドリア(スペイン、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が潰す。今度はパウレスが残り350mから飛び出し、これにファントリヒトが反応した。
パウレスを抜いたファントリヒトはそのままスプリントを開始し、フィニッシュラインを目指しもがく。そのスピードにはアレックス・ボーダン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)たちは敵わず、序盤の逃げに乗ったファントリヒトがプロ初勝利を手に入れた。
「今年は難しいシーズンとなっていたが、数週間前から調子が上がっていた。今日は逃げに乗る完璧なレースができ、最後はスプリントに繋げるスマートな走りを心がけた。集団で自分が一番スプリントがあると知っていたからね」とファントリヒトはレースを振り返った。
ファントリヒトはファビオ・ヤコブセン(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)など多くの有力選手を輩出した、SEGレーシング・アカデミー(2021年に活動終了したオランダのコンチネンタルチーム)出身の26歳。スーダル・クイックステップでのプロデビューを経て1年契約で今年アルペシンに加入したものの、来季の契約は結んでいない。
コッパ・ベルノッキ2024結果
1位 | スタン・ファントリヒト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 3:50:10 |
2位 | アレックス・ボーダン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
3位 | ロジャー・アドリア(スペイン、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
5位 | バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツ) | +0:03 |
7位 | アレッサンドロ・ピナレロ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ) | +0:05 |
8位 | ドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +1:27 |
9位 | フランチェスコ・ブザット(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
10位 | マライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp