ツール・ド・フランス3連覇を目指すヴィスマ・リースアバイクは6月25日(火)、重要な山岳アシストであるセップ・クス(アメリカ)の欠場を発表した。クリテリウム・デュ・ドーフィネで感染した新型コロナウイルスからの回復が間に合わず、代役としてプロ2年目のバルト・レメン(オランダ)が選ばれた。



ドーフィネでは山岳で早々と遅れる姿を見せていたセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

「当然セップ(クス)にとって辛い決断だった。彼の貢献はチームにとって重要だが、そのためにはトップコンディションでなくてはならない。残念ながら新型コロナウイルスの感染の後、彼と共にツールには(回復が)不十分である判断した」と、チームリリースでメーリン・ゼーマン監督はそう語った。

昨年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの総合優勝に山岳アシストとして尽力したセップ・クス(アメリカ)は、続くブエルタ・ア・エスパーニャでは総合優勝を果たした。そして今シーズンはステージレースを中心に転戦し、ツールの前哨戦クリテリウム・デュ・ドーフィネに総合エースとして出場。しかしクスは山岳ステージでメイン集団から早々と遅れ、最終日は不出走。そしてこの度、その理由が新型コロナウイルスの感染であったことが明らかになった。

急遽グランツールデビューの機会が巡ってきたバルト・レメン(オランダ) photo:CorVos

そしてクスの代役として、28歳のバルト・レメン(オランダ)がメンバーに選ばれた。オランダ空軍で小隊長を務め、2021年に本格的に自転車選手に転向した異色な経歴の持ち主のレメン。昨年のヒューマンパワードヘルスから加入したプロ2年目で、プロでの勝利こそないものの、今年5月のツアー・オブ・ノルウェー(UCI.2.Pro)で総合2位に入るなど総合選手として実力を見せた。

レメンについてゼーマン監督は「まだプロになって1.5年しか経っていないが、バルトは信頼の置ける強い選手だ。彼の学ぶスピードは早く、今年は総合成績でそれを証明している。山岳が得意であるためヨナス・ヴィンゲゴーの良いアシストとなるだろう」と語っている。

今年はワウト・ファンアールト(ベルギー)とヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が共に春のレースで落車、骨折するなど不運に見舞われているユンボ。またドーフィネでもツールに出場予定だったディラン・ファンバーレ(オランダ)が鎖骨を、ステフェン・クライスヴァイク(共にオランダ)が骨盤を骨折するなど怪我人が続出している。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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