2024/04/15(月) - 08:35
ファンデルプールの走りに精彩を欠いたアムステルゴールドレースは、終盤に形成された精鋭集団によるスプリントで決着。トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がヒルシとべノートを退け、初優勝を飾った。
4月14日(日)に開催されたアムステルゴールドレースは、アルデンヌクラシックの幕開けを告げるオランダ最大のワンデーレース。パリ〜ルーベなど石畳系クラシックが終わり、ここから3日後にフレーシュ・ワロンヌ、1週間後にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュと起伏に富んだレイアウトのレースが続いていく。
第58回を迎えた本大会は「1000のカーブ」と形容される連続するコーナーと、いずれも「2分以下」で頂上にたどり着く、33つの短い登り(ベルグ)が散りばめられたコースで争われる。そのため出発地点であるマーストリヒトにはマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の他、フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)やトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)など軽量級の選手が目立った。
新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も出場した253.6kmレースは、序盤からアタックが繰り返され、ベテランのトッシュ・ファンデルサンデ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)と今年プロデビューの3名がエスケープ。女子レースを先導していた警察のモトバイクの事故により、3つ目のベルクセウェグが急遽レースから除外される中、逃げの4名はリードを一気に3分まで拡大。メイン集団はイネオス・グレナディアーズやアルペシン・ドゥクーニンクが牽引を開始し、レース距離が半分を過ぎる頃にその差は5分に達した。
残り100kmを切り依然としてプロトンを率いるイネオスとアルペシンが牽引に本腰を入れ始めると、逃げの差は縮小傾向に。更にボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ボーラ・ハンスグローエ)がプロトンの先頭に立ち集団のペースアップを敢行。そして逃げ集団を捉える直前、入れ替わるようにミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)ら3名が新たな先頭集団を形成した。
残り38km地点の「No.28 アイセルボス」に入り、クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)がファンデルプールのためにペースを上げる。それをリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が利用して加速し、続く「No.29 フロムベルグ」でマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)がアタック。それにバウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)らが追従し、そのまま逃げを捉えたため先頭は6名となった。
すると15秒後方にいるメイン集団からピドコックとケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケアB&Bホテルズ)、ティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)の3名が飛び出す。それに「クーテンベルグ(残り28.3km地点)を精鋭集団の中で越えること」とレース後に語ったファンデルプールは反応せず、また昨年2位のベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)も静観した。
ピドコックたちはヒルシたちのいる先頭グループに合流し、クーテンベルグをクリア。プロトンでは遅れを取ったアルペシンに加え、マイケル・マシューズ(オーストラリア)のスプリントに持ち込みたいジェイコ・アルウラーなどが中心に追いかける。しかし続く「No.31 カウベルグ(残り19.5km)」を越える頃に先頭集団との差は43秒まで拡大し、マシューズやヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツ)が自ら脚を使って追いかけたものの、勝負は先頭の9名に絞られた。
先頭グループでは残り13km地点でヒルシの加速にピドコックとベノート、マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が反応する。そのため4名になった先頭集団は順調にローテーションを回し、モレマら追走集団に12秒、プロトンに40秒差をつけて残り3km地点を通過。そしてフィニッシュ地点の設定された「No.33 ファルケンブルグ」の最終ストレートに入り、ファンセヴェナントが先んじてスプリントを開始した。
その背後についたピドコックが残り100mでファンセヴェナントを抜き、左からヒルシ、右からベノートが迫る。しかしトップスピードで上回ったピドコックが先着し、アムステルゴールドレースの勝者に輝いた。
「とても気持ちがいい勝利。今年の初めからずっと家を離れ、その犠牲が勝利という結果に繋がった。大好きなレースでの勝利は特別な気持ちがするよ」とピドコック。「クフィアトコフスキの調子も良かったのだが、僕のアシストに徹してくれた。またパリ〜ルーベで痛めた手でのスプリントは厳しく、自信もなかったが勝つことができた」とレースを振り返った。
2位はヒルシ、べノートは自身2度目の3位で表彰台へ。また11秒遅れでやってきたプロトンはマシューズが先着して10位入賞を果たし、「絶好調ではなかった」と語ったファンデルプールは22位でレースを終えている。
また新城は95位(6分56秒遅れ)で完走を果たしている。
選手たちのコメントは別記事にてお伝えいたします。
4月14日(日)に開催されたアムステルゴールドレースは、アルデンヌクラシックの幕開けを告げるオランダ最大のワンデーレース。パリ〜ルーベなど石畳系クラシックが終わり、ここから3日後にフレーシュ・ワロンヌ、1週間後にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュと起伏に富んだレイアウトのレースが続いていく。
第58回を迎えた本大会は「1000のカーブ」と形容される連続するコーナーと、いずれも「2分以下」で頂上にたどり着く、33つの短い登り(ベルグ)が散りばめられたコースで争われる。そのため出発地点であるマーストリヒトにはマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の他、フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)やトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)など軽量級の選手が目立った。
新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も出場した253.6kmレースは、序盤からアタックが繰り返され、ベテランのトッシュ・ファンデルサンデ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)と今年プロデビューの3名がエスケープ。女子レースを先導していた警察のモトバイクの事故により、3つ目のベルクセウェグが急遽レースから除外される中、逃げの4名はリードを一気に3分まで拡大。メイン集団はイネオス・グレナディアーズやアルペシン・ドゥクーニンクが牽引を開始し、レース距離が半分を過ぎる頃にその差は5分に達した。
残り100kmを切り依然としてプロトンを率いるイネオスとアルペシンが牽引に本腰を入れ始めると、逃げの差は縮小傾向に。更にボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ボーラ・ハンスグローエ)がプロトンの先頭に立ち集団のペースアップを敢行。そして逃げ集団を捉える直前、入れ替わるようにミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)ら3名が新たな先頭集団を形成した。
残り38km地点の「No.28 アイセルボス」に入り、クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)がファンデルプールのためにペースを上げる。それをリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が利用して加速し、続く「No.29 フロムベルグ」でマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)がアタック。それにバウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)らが追従し、そのまま逃げを捉えたため先頭は6名となった。
すると15秒後方にいるメイン集団からピドコックとケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケアB&Bホテルズ)、ティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)の3名が飛び出す。それに「クーテンベルグ(残り28.3km地点)を精鋭集団の中で越えること」とレース後に語ったファンデルプールは反応せず、また昨年2位のベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)も静観した。
ピドコックたちはヒルシたちのいる先頭グループに合流し、クーテンベルグをクリア。プロトンでは遅れを取ったアルペシンに加え、マイケル・マシューズ(オーストラリア)のスプリントに持ち込みたいジェイコ・アルウラーなどが中心に追いかける。しかし続く「No.31 カウベルグ(残り19.5km)」を越える頃に先頭集団との差は43秒まで拡大し、マシューズやヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツ)が自ら脚を使って追いかけたものの、勝負は先頭の9名に絞られた。
先頭グループでは残り13km地点でヒルシの加速にピドコックとベノート、マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が反応する。そのため4名になった先頭集団は順調にローテーションを回し、モレマら追走集団に12秒、プロトンに40秒差をつけて残り3km地点を通過。そしてフィニッシュ地点の設定された「No.33 ファルケンブルグ」の最終ストレートに入り、ファンセヴェナントが先んじてスプリントを開始した。
その背後についたピドコックが残り100mでファンセヴェナントを抜き、左からヒルシ、右からベノートが迫る。しかしトップスピードで上回ったピドコックが先着し、アムステルゴールドレースの勝者に輝いた。
「とても気持ちがいい勝利。今年の初めからずっと家を離れ、その犠牲が勝利という結果に繋がった。大好きなレースでの勝利は特別な気持ちがするよ」とピドコック。「クフィアトコフスキの調子も良かったのだが、僕のアシストに徹してくれた。またパリ〜ルーベで痛めた手でのスプリントは厳しく、自信もなかったが勝つことができた」とレースを振り返った。
2位はヒルシ、べノートは自身2度目の3位で表彰台へ。また11秒遅れでやってきたプロトンはマシューズが先着して10位入賞を果たし、「絶好調ではなかった」と語ったファンデルプールは22位でレースを終えている。
また新城は95位(6分56秒遅れ)で完走を果たしている。
選手たちのコメントは別記事にてお伝えいたします。
アムステルゴールドレース2024結果
1位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 5:58:17 |
2位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
4位 | マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
5位 | ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
6位 | ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック) | |
8位 | カンタン・パシェ(フランス、グルパマFDJ) | |
9位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:11 |
22位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
95位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | +6:56 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp