2024/03/25(月) - 13:15
今年限りで現役を退くデヘントが見せ場を作ったボルタ・ア・カタルーニャ最終日。急坂で絞られた23名によるスプリントをタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が制し、2位に約3分半差をつける大差で総合優勝に輝いた。
7日間をかけてスペイン北東部のカタルーニャ州を巡るボルタ・ア・カタルーニャは最終日。第103回と歴史深いレースの第7ステージは、スペイン第2の都市バルセロナを発着地点とする毎年恒例の丘陵ステージ。前半は平坦路と3級山岳一つを越え、2級山岳モンジュイックの丘(距離2.7km/平均4.7%)を含むコースを6周する145.3kmだ。
昨年はレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が勝利し、区間2位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、当時ユンボ・ヴィスマ)が総合優勝を飾ったステージ。また一昨年は集団スプリント、その前はトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)による逃げ切りとあらゆる展開が考えられるレースで5名が逃げを打った。
身長189cmの若手クライマーであるゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)ら逃げグループは1分半のリードで3級山岳に突入する。それをUAEチームエミレーツが中心となるメイン集団が追いかけ、そこにスプリントに長けたクライマーのスティーブン・ウィリアムズ(イギリス)で勝負したいイスラエル・プレミアテックも加勢した。
ほぼアップダウンの7.9kmコースに突入した直後に、プロトンではナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)とフランク・ファンデンブルーク(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が落車する。総合上位にはいない2人は大事をとってリタイアを選び、プロトンではそれまで牽引していた地元バルセロナ出身のマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)がアタックした。
リーダーチームによる珍しい仕掛けにヴァランタン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)などが反応し、逃げを捉えながら2名となった先頭のシュタインハウザーとイーダル・アンデシェン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)を目指す。残り28km地点でシュタインハウザーが単独となり、イネオス・グレナディアーズの牽引するプロトンはソレルたち追走集団を飲み込んだ。そのためレースは残り21km地点で逃げのシュタインハウザーと、それを追うメイン集団という形になった。
懸命に逃げ続けたシュタインハウザーを残り14km地点で捉えたプロトンは、最後から2つ目のモンジュイックの丘(残り13km地点)でギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)がアタックする。これを利用してタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が加速するものの、下りで集団は一つに戻り、最後のモンジュイックの丘で今度はトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)が飛び出した。
過去5度の区間優勝を誇り、今年限りでの引退を発表しているデヘントによるアタック。しかしこれも集団に吸収され、今度はウィリアムズの加速を頂上でポガチャルが引き戻す。その結果、勝負は登りのペースアップに耐えた23名のスプリント勝負に持ち込まれた。
スピードに長けたウィリアムズがコース中央で踏み込み、その右側からドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が並ぶ。しかしフィニッシュ手前でポガチャルが2人を追い抜き、区間4勝目で総合優勝に花を添えた。
「今日はソレルで勝負する予定だったが、アタックが早すぎたみたいだ。その後は集団で脚を溜め、スプリントでステージ優勝を手に入れた。チームの完璧な走りを勝利で報いることができてとても嬉しい。このような素晴らしい形でシーズン序盤を迎えることができ、ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに向けて自信がついた」と総合優勝に加え、ポイント賞と山岳賞も獲得したポガチャルは語った。
総合順位に動きはなく総合2位はミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ)、総合3位には徐々に調子を上げるエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)が入った。
7日間をかけてスペイン北東部のカタルーニャ州を巡るボルタ・ア・カタルーニャは最終日。第103回と歴史深いレースの第7ステージは、スペイン第2の都市バルセロナを発着地点とする毎年恒例の丘陵ステージ。前半は平坦路と3級山岳一つを越え、2級山岳モンジュイックの丘(距離2.7km/平均4.7%)を含むコースを6周する145.3kmだ。
昨年はレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が勝利し、区間2位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、当時ユンボ・ヴィスマ)が総合優勝を飾ったステージ。また一昨年は集団スプリント、その前はトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)による逃げ切りとあらゆる展開が考えられるレースで5名が逃げを打った。
身長189cmの若手クライマーであるゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)ら逃げグループは1分半のリードで3級山岳に突入する。それをUAEチームエミレーツが中心となるメイン集団が追いかけ、そこにスプリントに長けたクライマーのスティーブン・ウィリアムズ(イギリス)で勝負したいイスラエル・プレミアテックも加勢した。
ほぼアップダウンの7.9kmコースに突入した直後に、プロトンではナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)とフランク・ファンデンブルーク(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が落車する。総合上位にはいない2人は大事をとってリタイアを選び、プロトンではそれまで牽引していた地元バルセロナ出身のマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)がアタックした。
リーダーチームによる珍しい仕掛けにヴァランタン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)などが反応し、逃げを捉えながら2名となった先頭のシュタインハウザーとイーダル・アンデシェン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)を目指す。残り28km地点でシュタインハウザーが単独となり、イネオス・グレナディアーズの牽引するプロトンはソレルたち追走集団を飲み込んだ。そのためレースは残り21km地点で逃げのシュタインハウザーと、それを追うメイン集団という形になった。
懸命に逃げ続けたシュタインハウザーを残り14km地点で捉えたプロトンは、最後から2つ目のモンジュイックの丘(残り13km地点)でギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)がアタックする。これを利用してタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が加速するものの、下りで集団は一つに戻り、最後のモンジュイックの丘で今度はトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)が飛び出した。
過去5度の区間優勝を誇り、今年限りでの引退を発表しているデヘントによるアタック。しかしこれも集団に吸収され、今度はウィリアムズの加速を頂上でポガチャルが引き戻す。その結果、勝負は登りのペースアップに耐えた23名のスプリント勝負に持ち込まれた。
スピードに長けたウィリアムズがコース中央で踏み込み、その右側からドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が並ぶ。しかしフィニッシュ手前でポガチャルが2人を追い抜き、区間4勝目で総合優勝に花を添えた。
「今日はソレルで勝負する予定だったが、アタックが早すぎたみたいだ。その後は集団で脚を溜め、スプリントでステージ優勝を手に入れた。チームの完璧な走りを勝利で報いることができてとても嬉しい。このような素晴らしい形でシーズン序盤を迎えることができ、ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに向けて自信がついた」と総合優勝に加え、ポイント賞と山岳賞も獲得したポガチャルは語った。
総合順位に動きはなく総合2位はミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ)、総合3位には徐々に調子を上げるエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)が入った。
ボルタ・ア・カタルーニャ2024第7ステージ
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 3:15:23 |
2位 | ドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
3位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | |
4位 | スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | |
5位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、リドル・トレック) | |
6位 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | ダビ・ゴンザレス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | |
8位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 28:21:29 |
2位 | ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) | +3:41 |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +5:03 |
4位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +5:56 |
5位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +6:01 |
6位 | クリス・ハーパー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | |
7位 | レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) | +6:02 |
8位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +6:33 |
9位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、アスタナ・カザクスタン) | +7:27 |
その他の特別賞
ポイント賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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