2024/03/23(土) - 09:00
雨のE3サクソ・クラシックでマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が43.7kmを独走。ファンアールトの3連覇を阻止し、アルカンシエルが初優勝を叶えた。
モニュメント(5大クラシック)であるロンド・ファン・フラーンデレンを9日後に控えた3月22日(金)、その前哨戦の一つと位置づけられるE3サクソ・クラシック(UCIワールドツアー)が開催された。今年で66回目を迎えるセミクラシックは60年代に建設されたアントワープとフランスを結ぶ主要高速道路であるE3(現在のA14)がつけられ、「ミニロンド」とも呼ばれる通り石畳&急坂が見どころとなる。
ハーレルベーケを発着点とする207kmコースには計17箇所の急坂が登場。また10箇所の石畳に加えて寒さと悪天候が、驚きの、あるいは実力通りの結果をもたらした。
ゼッケン1をつけてスタートラインに並んだのは史上4人目となる3連覇を目指すワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)。また前年にスプリントで敗れたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が臨んだ一方で、3位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は不出場。そのためUAEはティム・ウェレンス(ベルギー)をエースに据えた。
レースは開始直後からハイペースで進み、初出場を叶えた留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)がアシストするアルベルト・ベッティオル(イタリア)など14名を巻き込む落車が発生する。それによりヴィスマの20歳であるペールストランド・ハーゲネス(ノルウェー)が棄権し、レース後に「鼻の骨折」と発表された。
レースは逃げを目指したアタックと吸収を繰り返し、スタート後80km地点でレミ・カヴァニャ(フランス、モビスター)やイヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)など強力なメンバー含む10名がエスケープ。その後厚い雲から一時的に雨が落ち始め、10度を下回る気温と共に選手たちを冷やした。
過去に本大会で4連覇を成し遂げたトム・ボーネンが集団の揺さぶりに使ったことで知られるターイェンベルグ(距離0.7km/平均6.3%/残り80.6km)では、メイン集団の先頭でリドル・トレックがペースアップを敢行する。その頂上手前でファンデルプールが加速し、ファンアールトが静観する一方でマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が追従。しかしこのペースアップは逃げとの差を2分17秒まで縮めるだけで、決定的な動きにはならなかった。
約30名まで絞られたプロトンは続くベルグ・テン・ホーテに入り、昨年と同じくジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)がアタック。この動きを引き戻したピーダスンが直後の平坦路で自ら仕掛け、後続とのリードを得る。しかし単独追走になったピーダスンにはファンデルプールが自ら脚を使ってジョイン。そんなアタックが連続したため逃げとの差は1分を切り、スタシオンベルグ(残り57.8km)の石畳の急坂で今度はオイエル・ラスカノ(スペイン、モビスター)が仕掛けた。
24歳のスペイン王者による加速にファンデルプールが反応し、その背後にはファンアールトがつく。ファンデルプールらはラスカノを追い抜くものの、逃げに追いついた時点でペースは落ち着き、その後ピーダスンやヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック)、ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)など有力選手たちが合流。激しい展開ながらも決定打に欠く中、残り44kmから始まるパテルベルグでレースが大きく動いた。
この石畳坂ではラスカノが再度加速。落車するファンアールトを尻目にファンデルプールが追いつき、最大勾配20.3%の頂上手前で飛び出した。
ファンデルプールのアタックに対し、既に力を使っていたラスカノは反応できず、ファンアールトは集団後続でもがくのみ。そのため絶好のタイミングで仕掛けたファンデルプールは一気にリードを築き、オウデクワレモントに入る頃にその差は16秒まで拡がった。
フィニッシュまで43.7kmを残して単独となったファンデルプールに対し、集団復帰を果たしたファンアールトは単独で追いかける。しかしその差は縮まるどころが徐々に拡大していき、ファンデルプールは最後の急坂であるターイエンベルグをクリア。一度止んで再び降り出した雨の中、58分50秒の独走の末、ファンデルプールがフィニッシュラインにたどり着いた。
アルカンシエルを着用してのE3制覇は、ボーネンが成し遂げた2006年以来の快挙。その喜びをファンデルプールは「とても嬉しい。このレベルに達するためにはあと数レースが必要だと思っていたので予想外の結果だ。最後はかなりギリギリだったよ。まさかこんな形で勝てるとは思わなかった」と表現。また「今日は調子がとても良く、クラシックの中では過去最高だったと思う。(昨年のロード世界選手権を制した)グラスゴーに迫るレベルの好調さだった」と語った。
一方、単独追走をしていたファンアールトにはストゥイヴェンが追いつき先着。そのため「調子は良く、良いレースだったのだが落車は自分で招いた愚かなミス。そこから状況が一変してしまった」と語ったファンアールトは3位で表彰台に上がっている。
モニュメント(5大クラシック)であるロンド・ファン・フラーンデレンを9日後に控えた3月22日(金)、その前哨戦の一つと位置づけられるE3サクソ・クラシック(UCIワールドツアー)が開催された。今年で66回目を迎えるセミクラシックは60年代に建設されたアントワープとフランスを結ぶ主要高速道路であるE3(現在のA14)がつけられ、「ミニロンド」とも呼ばれる通り石畳&急坂が見どころとなる。
ハーレルベーケを発着点とする207kmコースには計17箇所の急坂が登場。また10箇所の石畳に加えて寒さと悪天候が、驚きの、あるいは実力通りの結果をもたらした。
ゼッケン1をつけてスタートラインに並んだのは史上4人目となる3連覇を目指すワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)。また前年にスプリントで敗れたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が臨んだ一方で、3位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は不出場。そのためUAEはティム・ウェレンス(ベルギー)をエースに据えた。
レースは開始直後からハイペースで進み、初出場を叶えた留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)がアシストするアルベルト・ベッティオル(イタリア)など14名を巻き込む落車が発生する。それによりヴィスマの20歳であるペールストランド・ハーゲネス(ノルウェー)が棄権し、レース後に「鼻の骨折」と発表された。
レースは逃げを目指したアタックと吸収を繰り返し、スタート後80km地点でレミ・カヴァニャ(フランス、モビスター)やイヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)など強力なメンバー含む10名がエスケープ。その後厚い雲から一時的に雨が落ち始め、10度を下回る気温と共に選手たちを冷やした。
過去に本大会で4連覇を成し遂げたトム・ボーネンが集団の揺さぶりに使ったことで知られるターイェンベルグ(距離0.7km/平均6.3%/残り80.6km)では、メイン集団の先頭でリドル・トレックがペースアップを敢行する。その頂上手前でファンデルプールが加速し、ファンアールトが静観する一方でマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が追従。しかしこのペースアップは逃げとの差を2分17秒まで縮めるだけで、決定的な動きにはならなかった。
約30名まで絞られたプロトンは続くベルグ・テン・ホーテに入り、昨年と同じくジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)がアタック。この動きを引き戻したピーダスンが直後の平坦路で自ら仕掛け、後続とのリードを得る。しかし単独追走になったピーダスンにはファンデルプールが自ら脚を使ってジョイン。そんなアタックが連続したため逃げとの差は1分を切り、スタシオンベルグ(残り57.8km)の石畳の急坂で今度はオイエル・ラスカノ(スペイン、モビスター)が仕掛けた。
24歳のスペイン王者による加速にファンデルプールが反応し、その背後にはファンアールトがつく。ファンデルプールらはラスカノを追い抜くものの、逃げに追いついた時点でペースは落ち着き、その後ピーダスンやヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック)、ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)など有力選手たちが合流。激しい展開ながらも決定打に欠く中、残り44kmから始まるパテルベルグでレースが大きく動いた。
この石畳坂ではラスカノが再度加速。落車するファンアールトを尻目にファンデルプールが追いつき、最大勾配20.3%の頂上手前で飛び出した。
ファンデルプールのアタックに対し、既に力を使っていたラスカノは反応できず、ファンアールトは集団後続でもがくのみ。そのため絶好のタイミングで仕掛けたファンデルプールは一気にリードを築き、オウデクワレモントに入る頃にその差は16秒まで拡がった。
フィニッシュまで43.7kmを残して単独となったファンデルプールに対し、集団復帰を果たしたファンアールトは単独で追いかける。しかしその差は縮まるどころが徐々に拡大していき、ファンデルプールは最後の急坂であるターイエンベルグをクリア。一度止んで再び降り出した雨の中、58分50秒の独走の末、ファンデルプールがフィニッシュラインにたどり着いた。
アルカンシエルを着用してのE3制覇は、ボーネンが成し遂げた2006年以来の快挙。その喜びをファンデルプールは「とても嬉しい。このレベルに達するためにはあと数レースが必要だと思っていたので予想外の結果だ。最後はかなりギリギリだったよ。まさかこんな形で勝てるとは思わなかった」と表現。また「今日は調子がとても良く、クラシックの中では過去最高だったと思う。(昨年のロード世界選手権を制した)グラスゴーに迫るレベルの好調さだった」と語った。
一方、単独追走をしていたファンアールトにはストゥイヴェンが追いつき先着。そのため「調子は良く、良いレースだったのだが落車は自分で招いた愚かなミス。そこから状況が一変してしまった」と語ったファンアールトは3位で表彰台に上がっている。
E3サクソ・クラシック2024結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 4:39:28 |
2位 | ヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック) | +1:31 |
3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:34 |
4位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | +1:48 |
5位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:50 |
6位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | +1:52 |
7位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | +2:48 |
8位 | トムス・スクインシュ(ラトビア、リドル・トレック) | |
9位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、アルケアB&Bホテルズ) | |
10位 | アレックス・キルシュ(ルクセンブルク、リドル・トレック) | |
11位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | +2:54 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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