2024/03/09(土) - 09:00
ツール覇者による圧巻の独走劇。超級山岳サンジャコモでヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)がアタックを決め、29kmを独走。追走集団に1分12秒差をつける強さを見せつける勝利で、総合でも首位に立った。
前日に繰り広げられた白熱のスプリントから一夜明け、ティレーノ~アドリアティコ第5ステージは山岳決戦。トッリチェッラ・シクーラからヴァッレ・カステッラーナまでの道のりは144kmで、勝負所は終盤に登場する超級山岳サンジャコモ(距離11.9km/平均勾配6.2%/最大勾配11%)。しかしフィニッシュ地点はその頂上から約14kmの下りと緩い勾配の登りの先にある。
サンジャコモといえば、2021年のジロ・デ・イタリア第6ステージに昨年6月にレース中の事故で命を落としたジーノ・メーダー(スイス、当時バーレーン・ヴィクトリアス)が逃げ切り勝利を飾った場。この日は大会2日目に落車し、精密検査の結果左手首の骨折が見つかったクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)らを除く161名がスタートを切った。
比較的距離の短い144kmレースで逃げたのは、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)やサイモン・クラーク(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)など実力者揃いの10名。2分半のリードを得た逃げに対し、メイン集団の牽引はリーダーチームのUAEチームエミレーツではなく、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)を擁するヴィスマ・リースアバイクが担った。
平坦区間をディラン・ファンバーレが牽引し、カテゴリーのつかない丘をステフェン・クライスヴァイク(共にオランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が作るペースは強烈で、スプリンターを含む選手たちが次々に遅れていく。また、逃げとのタイム差が1分を切り、超級山岳サンジャコモが近づいていくるにつれEFエデュケーション・イージーポストやイネオス・グレナディアーズも集団牽引に加わった。
超級山岳サンジャコモに入った時点で逃げグループとプロトンの差は30秒。メーダーが勝った2021年ジロ第6ステージで自身初のマリアローザを着用したアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、ヴィスマ・リースアバイク)がメイン集団のペースを作り、逃げではアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)がアタック。しかし残り30km、頂上まで7km地点で逃げは捉まり、集団牽引はヴァルテルからベン・トゥレット(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)に移行した。
ヴィスマが作るハイペースにベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)やジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が遅れ、更に総合優勝候補でもあるエンリク・マス(スペイン、モビスター)も脱落する。そんな中トゥレットがスピードを更に一段上げ、絞られた先頭集団からヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)がアタックした。
それまで牽引していたトゥレットとアシストのキアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)を残し、更に頂上まで5.3km、フィニッシュまで29km地点から飛び出したヴィンゲゴー。このペースアップにフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)は反応できず、追走したベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)とジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)も届かないどころか差は拡がる一方。アユソのためにイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)が先頭に出た追走集団にはオコーナーとヒンドレーも戻り、ヴィンゲゴーから56秒遅れで頂上を通過した。
舗装したばかりのようなダウンヒルでもヴィンゲゴーのスピードは落ちることなく、約14kmの下りを終えても後続と約1分差をキープ。そして登り返しで逆に差を拡げていくヴィンゲゴーに対し、ヴィスマは追いかける5名(デルトロ、アユソ、ヒンドレー、オコーナー、アレンスマン)の最後尾にアイデブルックスがつく必勝態勢を整える。そしてツール・ド・フランス総合2連覇の実力を見せつけたヴィンゲゴーが、単独でフィニッシュラインに到達した。
1分12秒遅れでやってきた2位集団は、フィニッシュ手前でパンクの不運に見舞われたアユソが先着。この結果ヴィンゲゴーが総合首位に立ち、総合2位のアユソに対して54秒のリードを得た。
「勝利という結果でチームメイトの走りに報いることができた。彼らは素晴らしい走りを見せ、とても感謝している。(超級山岳サンジャコモは)厳しい登りだったのでペースの維持が重要だった。ライバルたちとのリードを保つためには全力で踏まなければならなかった。その頑張りが実り、残す2ステージも楽しみだよ」と、青色の総合リーダージャージを纏ったヴィンゲゴーは喜んだ。
一方で、登りで早々と遅れたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は2分52秒遅れの区間8位でレースを終えている。
前日に繰り広げられた白熱のスプリントから一夜明け、ティレーノ~アドリアティコ第5ステージは山岳決戦。トッリチェッラ・シクーラからヴァッレ・カステッラーナまでの道のりは144kmで、勝負所は終盤に登場する超級山岳サンジャコモ(距離11.9km/平均勾配6.2%/最大勾配11%)。しかしフィニッシュ地点はその頂上から約14kmの下りと緩い勾配の登りの先にある。
サンジャコモといえば、2021年のジロ・デ・イタリア第6ステージに昨年6月にレース中の事故で命を落としたジーノ・メーダー(スイス、当時バーレーン・ヴィクトリアス)が逃げ切り勝利を飾った場。この日は大会2日目に落車し、精密検査の結果左手首の骨折が見つかったクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)らを除く161名がスタートを切った。
比較的距離の短い144kmレースで逃げたのは、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)やサイモン・クラーク(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)など実力者揃いの10名。2分半のリードを得た逃げに対し、メイン集団の牽引はリーダーチームのUAEチームエミレーツではなく、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)を擁するヴィスマ・リースアバイクが担った。
平坦区間をディラン・ファンバーレが牽引し、カテゴリーのつかない丘をステフェン・クライスヴァイク(共にオランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が作るペースは強烈で、スプリンターを含む選手たちが次々に遅れていく。また、逃げとのタイム差が1分を切り、超級山岳サンジャコモが近づいていくるにつれEFエデュケーション・イージーポストやイネオス・グレナディアーズも集団牽引に加わった。
超級山岳サンジャコモに入った時点で逃げグループとプロトンの差は30秒。メーダーが勝った2021年ジロ第6ステージで自身初のマリアローザを着用したアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、ヴィスマ・リースアバイク)がメイン集団のペースを作り、逃げではアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)がアタック。しかし残り30km、頂上まで7km地点で逃げは捉まり、集団牽引はヴァルテルからベン・トゥレット(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)に移行した。
ヴィスマが作るハイペースにベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)やジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が遅れ、更に総合優勝候補でもあるエンリク・マス(スペイン、モビスター)も脱落する。そんな中トゥレットがスピードを更に一段上げ、絞られた先頭集団からヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)がアタックした。
それまで牽引していたトゥレットとアシストのキアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)を残し、更に頂上まで5.3km、フィニッシュまで29km地点から飛び出したヴィンゲゴー。このペースアップにフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)は反応できず、追走したベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)とジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)も届かないどころか差は拡がる一方。アユソのためにイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)が先頭に出た追走集団にはオコーナーとヒンドレーも戻り、ヴィンゲゴーから56秒遅れで頂上を通過した。
舗装したばかりのようなダウンヒルでもヴィンゲゴーのスピードは落ちることなく、約14kmの下りを終えても後続と約1分差をキープ。そして登り返しで逆に差を拡げていくヴィンゲゴーに対し、ヴィスマは追いかける5名(デルトロ、アユソ、ヒンドレー、オコーナー、アレンスマン)の最後尾にアイデブルックスがつく必勝態勢を整える。そしてツール・ド・フランス総合2連覇の実力を見せつけたヴィンゲゴーが、単独でフィニッシュラインに到達した。
1分12秒遅れでやってきた2位集団は、フィニッシュ手前でパンクの不運に見舞われたアユソが先着。この結果ヴィンゲゴーが総合首位に立ち、総合2位のアユソに対して54秒のリードを得た。
「勝利という結果でチームメイトの走りに報いることができた。彼らは素晴らしい走りを見せ、とても感謝している。(超級山岳サンジャコモは)厳しい登りだったのでペースの維持が重要だった。ライバルたちとのリードを保つためには全力で踏まなければならなかった。その頑張りが実り、残す2ステージも楽しみだよ」と、青色の総合リーダージャージを纏ったヴィンゲゴーは喜んだ。
一方で、登りで早々と遅れたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は2分52秒遅れの区間8位でレースを終えている。
ティレーノ〜アドリアティコ2024第5ステージ結果
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 3:28:27 |
2位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +1:12 |
3位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +1:14 |
5位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
7位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +2:52 |
9位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | |
10位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
個人総合成績
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 18:34:45 |
2位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +0:54 |
3位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:20 |
4位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +1:29 |
5位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +1:32 |
6位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) | +1:34 |
7位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +2:12 |
8位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | +2:54 |
9位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +3:02 |
10位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | +3:06 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) |
山岳賞 | ダヴィデ・バイス(イタリア、ポルティ・コメタ) |
ヤングライダー賞 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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