2024/03/03(日) - 14:15
サンタカテリーナの石畳坂でアタックしたロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)が、エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)を引き離す。ストラーデビアンケ・ドンネで世界王者が、自身2度目となる勝利を手に入れた。
男子より8年遅れの2015年に始まり、今年で10周年を迎えたストラーデビアンケ・ドンネ。過去に大会を制したアンナ・ファンデルブレッヘンやアネミエク・ファンフルーテン(共にオランダ)が現役を去り、SDワークス・プロタイムの一強という新時代に突入した女子レースはUCIワールドツアー第5戦を迎えた。
総距離こそ1km増の137kmに留まったレイアウトは、男子と同じく未舗装路区間(セクター)が8から12に増加と難易度は上昇。よりタフなレースに臨むべく発着地点のイタリア中部シエナには、SDワークス所属で大会連覇を目指すデミ・フォレリング(オランダ)と一昨年覇者のロッテ・コペッキー(ベルギー)が揃い踏み。それに対しリドル・トレックは、復調の兆し見せるエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)と若手のシリン・ファンアンローイ(オランダ)で挑んだ。
レース前の数日間に渡る大雨の影響で、例年舞い上がる白い埃が地面に張りつくなか、午前9時40分にスタートが切られる。集団が一つのまま前半4つの未舗装路区間をクリアする静かな立ち上がりから、今大会最長距離である9.5kmのセクター5「サン・マルティーノ・イン・グラニア」に突入。リドルのペースアップによってプロトンは60名程度に減り、続くセクター6で優勝候補の1人でもあるニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア、キャニオン・スラム)や元世界王者エリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)ら11名の逃げが成立した。
この日2度通過するコッレ・ピンツートをクリアし、逃げから1分10秒後方を走るプロトンはレ・トルフェに突入。すると世界王者の証”アルカンシエル”を着たコペッキーが先頭でスピードを上げて集団を絞りにかかる。それにはオランダ王者でチームメイトのフォレリングはもちろん、カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)やエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)など優勝候補たちが食らいついた。
逃げから脱落したダイグナンやブラッドバリーなどを飲み込み、40秒差で前を追うメイン集団を先導したのはニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム)。その後ロンゴボルギーニのためにダイグナンがプロトンのペースを作り、残り21km地点で逃げを吸収。最後の未舗装路区間であるコッレ・ピンツートとレ・トルフェを残し、レースは振り出しに戻った。
コッレ・ピンツートの急勾配区間を抜け、エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)の加速を利用してフォレリングがアタック。前回王者にニエウィアドマが食らいつき、ロンゴボルギーニも反応したためフォレリングの攻撃は決まらない。そして最終セクターのレ・トルフェを前にフォレリングがもう一度アタックし、今度はロンゴボルギーニがそのカウンターで仕掛けた。
その結果レース先頭に4名(ロンゴボルギーニ、フォレリング、ニエウィアドマ、フォス)が立ち、そこに遅れてフェニックス・ドゥクーニンクのクリスティーナ・シュヴァインバーガー(オーストリア)とプック・ピーテルセ(オランダ)が合流。更にコペッキーら追走集団も追いつき、今度はニエウィアドマのためにエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)がペースを作った。
最大勾配18%の最終セクター「レ・トルフェ」に入り、シャベイのアシストを受けたニエウィアドマが渾身のアタック。しかしクライマーのフォレリングはもちろんコペッキーを振り切るに至らず、その頂上で先頭はロンゴボルギーニとファンアンローイを含む5名に絞られる。そしてフィニッシュまで10kmを残し、ここまでほぼライバルのマークに徹していたコペッキーが飛び出した。
これにロンゴボルギーニが唯一反応し、追いかけるニエウィアドマの背後にフォレリングがつく。2017年の勝者ロンゴボルギーニと2022年覇者コペッキーがローテーションを回すスピードに対し、フォレリングを背後に1人で追いかけるニエウィアドマとの差は拡がる一方。そして先頭の2人はサンタカテリーナ通りの石畳坂に突入し、残り500mでコペッキーが仕掛けた。
過酷なコースを4時間弱走ってきたとは思えないような軽快なダンシングで、アルカンシエルを纏ったコペッキーはロンゴボルギーニを引き離す。そしてレース中継の音声が音割れするほどの大歓声を浴びたコペッキーがカンポ広場に到達。両手を広げからガッツポーズを作り、フィニッシュラインを通過した。
2022年に続く自身2度目の優勝をコペッキーは「チーム全体として素晴らしい走りができた。レ・トルフェでフォレリングと私が先頭集団にいたことで、完璧なレースに持ち込むことができた」と喜ぶ。また「正直、今日は絶好調ではなく、終始苦しみながら走っていた。だからパニックにならないよう努めた。世界王者として訪れるカンポ広場は特別な思いがした」と、語ったコペッキーは表彰式で笑顔を作った。
4秒遅れでロンゴボルギーニがフィニッシュし、最後の石畳坂でニエウィアドマを引き離したフォレリングが3位。SDワークスはチーム4連覇を達成し、2年連続で2人を表彰台に上げた。
男子より8年遅れの2015年に始まり、今年で10周年を迎えたストラーデビアンケ・ドンネ。過去に大会を制したアンナ・ファンデルブレッヘンやアネミエク・ファンフルーテン(共にオランダ)が現役を去り、SDワークス・プロタイムの一強という新時代に突入した女子レースはUCIワールドツアー第5戦を迎えた。
総距離こそ1km増の137kmに留まったレイアウトは、男子と同じく未舗装路区間(セクター)が8から12に増加と難易度は上昇。よりタフなレースに臨むべく発着地点のイタリア中部シエナには、SDワークス所属で大会連覇を目指すデミ・フォレリング(オランダ)と一昨年覇者のロッテ・コペッキー(ベルギー)が揃い踏み。それに対しリドル・トレックは、復調の兆し見せるエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)と若手のシリン・ファンアンローイ(オランダ)で挑んだ。
レース前の数日間に渡る大雨の影響で、例年舞い上がる白い埃が地面に張りつくなか、午前9時40分にスタートが切られる。集団が一つのまま前半4つの未舗装路区間をクリアする静かな立ち上がりから、今大会最長距離である9.5kmのセクター5「サン・マルティーノ・イン・グラニア」に突入。リドルのペースアップによってプロトンは60名程度に減り、続くセクター6で優勝候補の1人でもあるニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア、キャニオン・スラム)や元世界王者エリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)ら11名の逃げが成立した。
この日2度通過するコッレ・ピンツートをクリアし、逃げから1分10秒後方を走るプロトンはレ・トルフェに突入。すると世界王者の証”アルカンシエル”を着たコペッキーが先頭でスピードを上げて集団を絞りにかかる。それにはオランダ王者でチームメイトのフォレリングはもちろん、カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)やエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)など優勝候補たちが食らいついた。
逃げから脱落したダイグナンやブラッドバリーなどを飲み込み、40秒差で前を追うメイン集団を先導したのはニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム)。その後ロンゴボルギーニのためにダイグナンがプロトンのペースを作り、残り21km地点で逃げを吸収。最後の未舗装路区間であるコッレ・ピンツートとレ・トルフェを残し、レースは振り出しに戻った。
コッレ・ピンツートの急勾配区間を抜け、エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)の加速を利用してフォレリングがアタック。前回王者にニエウィアドマが食らいつき、ロンゴボルギーニも反応したためフォレリングの攻撃は決まらない。そして最終セクターのレ・トルフェを前にフォレリングがもう一度アタックし、今度はロンゴボルギーニがそのカウンターで仕掛けた。
その結果レース先頭に4名(ロンゴボルギーニ、フォレリング、ニエウィアドマ、フォス)が立ち、そこに遅れてフェニックス・ドゥクーニンクのクリスティーナ・シュヴァインバーガー(オーストリア)とプック・ピーテルセ(オランダ)が合流。更にコペッキーら追走集団も追いつき、今度はニエウィアドマのためにエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)がペースを作った。
最大勾配18%の最終セクター「レ・トルフェ」に入り、シャベイのアシストを受けたニエウィアドマが渾身のアタック。しかしクライマーのフォレリングはもちろんコペッキーを振り切るに至らず、その頂上で先頭はロンゴボルギーニとファンアンローイを含む5名に絞られる。そしてフィニッシュまで10kmを残し、ここまでほぼライバルのマークに徹していたコペッキーが飛び出した。
これにロンゴボルギーニが唯一反応し、追いかけるニエウィアドマの背後にフォレリングがつく。2017年の勝者ロンゴボルギーニと2022年覇者コペッキーがローテーションを回すスピードに対し、フォレリングを背後に1人で追いかけるニエウィアドマとの差は拡がる一方。そして先頭の2人はサンタカテリーナ通りの石畳坂に突入し、残り500mでコペッキーが仕掛けた。
過酷なコースを4時間弱走ってきたとは思えないような軽快なダンシングで、アルカンシエルを纏ったコペッキーはロンゴボルギーニを引き離す。そしてレース中継の音声が音割れするほどの大歓声を浴びたコペッキーがカンポ広場に到達。両手を広げからガッツポーズを作り、フィニッシュラインを通過した。
2022年に続く自身2度目の優勝をコペッキーは「チーム全体として素晴らしい走りができた。レ・トルフェでフォレリングと私が先頭集団にいたことで、完璧なレースに持ち込むことができた」と喜ぶ。また「正直、今日は絶好調ではなく、終始苦しみながら走っていた。だからパニックにならないよう努めた。世界王者として訪れるカンポ広場は特別な思いがした」と、語ったコペッキーは表彰式で笑顔を作った。
4秒遅れでロンゴボルギーニがフィニッシュし、最後の石畳坂でニエウィアドマを引き離したフォレリングが3位。SDワークスはチーム4連覇を達成し、2年連続で2人を表彰台に上げた。
ストラーデビアンケ・ドンネ2024結果
1位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | 3:55:43 |
2位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | +0:04 |
3位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:26 |
4位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
5位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック) | +0:40 |
6位 | クリステン・フォークナー(アメリカ、EFエデュケーション・キャノンデール) | +0:41 |
7位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:01 |
8位 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) | +1:54 |
9位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
10位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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