2024/03/01(金) - 18:00
明日3月2日(土)、イタリアを舞台にしたストラーデビアンケが行われる。総距離が31km伸び、未舗装路区間が2箇所増えた「白い道」を、ポガチャルやピドコックなど有力選手と共に紹介。同日開催の女子レースも合わせてプレビューします。
2024年も2ヶ月が過ぎ、1月にオーストラリアで開幕したロードレースは本格的なクラシックシーズンの幕開けを迎える。毎年3月の第1週に行われるストラーデビアンケは、モニュメント(5大クラシック)入りへの声が年々高まる、イタリア中部シエナを発着地点とするワンデーレースだ。
今年のトピックは2022年覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)の2年振りの出場に加え、レースの難易度が大幅に上がったこと。コースの全長が184kmから215kmに伸び、レース名にもなる白い道(未舗装路区間)は2箇所増えた計15箇所になり、その距離も63kmから71kmと延長した。そのためパンクや落車のリスクは上がり、より予測不能なレース展開をもたらす。
特に変更が加えられたのはセクター8「モンテ・サンテ・マリエ(全長11.5km)」の急坂からフィニッシュまでの距離。昨年はここで集団のふるいがかかり、一昨年はポガチャルが独走を決めた地点からフィニッシュまでの距離が77.8km(昨年は47.8km)と長くなった。その後は新たに加わった周回コースを経て、白い道と共にストラーデビアンケを象徴する最大勾配16%、サンタカテリーナ通りの石畳坂を駆け上がる。
ポガチャルやウェレンス、デルトロ擁するUAEが本命
ゼッケン1をつけるのはイネオス・グレナディアーズのエース、トーマス・ピドコック(イギリス) 。今年はツール・ド・フランスで総合上位を目指す元シクロクロス世界王者は、過去に2勝を誇るミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド)やゲラント・トーマス(イギリス)と共に、達成すれば史上初の連覇を目指す。
歴代覇者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)やマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)は不在なものの、今年は2年振りにポガチャルが出場。今シーズンの初戦となるためレース強度への順応は不明だが、UAEはティム・ウェレンス(ベルギー)やイサーク・デルトロ(メキシコ)などポガチャルアシストはもちろん、自ら勝利できる豊富なタレントを揃えてきた。
他にもマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)やクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が優勝候補に挙げられ、EFエデュケーション・イージーポストは登坂力が魅力のベン・ヒーリー(アイルランド)とニールソン・パウレス(アメリカ)を揃える。
また今季好調の若手レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)や、ロット・デスティニーのマキシム・ファンヒルスとUAEツアーで総合優勝したレナルト・ファンイートヴェルト(共にベルギー)の動きにも注目だ。
女子レースチーム4連覇の掛かるSDワークスを止めるは?
昨年は途中、馬と並走したデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)がチームメイトのロッタ・コペッキー(ベルギー)をスプリントで下す、話題の豊富な大会となった2023年大会。今年のコース距離は137kmと昨年より1km増に留まったものの、未舗装路区間は合計8から12セクターに増えた。
男子と同じくよりタフとなったレースに臨むのは、昨年覇者フォレリングと一昨年の優勝者コペッキーを揃えるSDワークス。そんな自他ともに認める最強チームに対し、昨年5位の新鋭プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)やベテランのアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル)などが挑む。
またチームとしてはグラベル世界選手権の初代王者カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)やニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア)を擁するキャニオン・スラムも強力。更にリドル・トレックは完全復活の待たれるエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)にシクロクロッサーのシリン・ファンアンローイ(オランダ)と、レース展開を作る戦力がある。
そして今季好調のマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)は、まだ得ぬタイトルを加えることができるだろうか。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
2024年も2ヶ月が過ぎ、1月にオーストラリアで開幕したロードレースは本格的なクラシックシーズンの幕開けを迎える。毎年3月の第1週に行われるストラーデビアンケは、モニュメント(5大クラシック)入りへの声が年々高まる、イタリア中部シエナを発着地点とするワンデーレースだ。
今年のトピックは2022年覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)の2年振りの出場に加え、レースの難易度が大幅に上がったこと。コースの全長が184kmから215kmに伸び、レース名にもなる白い道(未舗装路区間)は2箇所増えた計15箇所になり、その距離も63kmから71kmと延長した。そのためパンクや落車のリスクは上がり、より予測不能なレース展開をもたらす。
特に変更が加えられたのはセクター8「モンテ・サンテ・マリエ(全長11.5km)」の急坂からフィニッシュまでの距離。昨年はここで集団のふるいがかかり、一昨年はポガチャルが独走を決めた地点からフィニッシュまでの距離が77.8km(昨年は47.8km)と長くなった。その後は新たに加わった周回コースを経て、白い道と共にストラーデビアンケを象徴する最大勾配16%、サンタカテリーナ通りの石畳坂を駆け上がる。
ポガチャルやウェレンス、デルトロ擁するUAEが本命
ゼッケン1をつけるのはイネオス・グレナディアーズのエース、トーマス・ピドコック(イギリス) 。今年はツール・ド・フランスで総合上位を目指す元シクロクロス世界王者は、過去に2勝を誇るミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド)やゲラント・トーマス(イギリス)と共に、達成すれば史上初の連覇を目指す。
歴代覇者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)やマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)は不在なものの、今年は2年振りにポガチャルが出場。今シーズンの初戦となるためレース強度への順応は不明だが、UAEはティム・ウェレンス(ベルギー)やイサーク・デルトロ(メキシコ)などポガチャルアシストはもちろん、自ら勝利できる豊富なタレントを揃えてきた。
他にもマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)やクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が優勝候補に挙げられ、EFエデュケーション・イージーポストは登坂力が魅力のベン・ヒーリー(アイルランド)とニールソン・パウレス(アメリカ)を揃える。
また今季好調の若手レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)や、ロット・デスティニーのマキシム・ファンヒルスとUAEツアーで総合優勝したレナルト・ファンイートヴェルト(共にベルギー)の動きにも注目だ。
女子レースチーム4連覇の掛かるSDワークスを止めるは?
昨年は途中、馬と並走したデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)がチームメイトのロッタ・コペッキー(ベルギー)をスプリントで下す、話題の豊富な大会となった2023年大会。今年のコース距離は137kmと昨年より1km増に留まったものの、未舗装路区間は合計8から12セクターに増えた。
男子と同じくよりタフとなったレースに臨むのは、昨年覇者フォレリングと一昨年の優勝者コペッキーを揃えるSDワークス。そんな自他ともに認める最強チームに対し、昨年5位の新鋭プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)やベテランのアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル)などが挑む。
またチームとしてはグラベル世界選手権の初代王者カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)やニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア)を擁するキャニオン・スラムも強力。更にリドル・トレックは完全復活の待たれるエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)にシクロクロッサーのシリン・ファンアンローイ(オランダ)と、レース展開を作る戦力がある。
そして今季好調のマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)は、まだ得ぬタイトルを加えることができるだろうか。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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