2024/02/25(日) - 11:10
数多のアタックの末、4名スプリントに持ち込まれたオンループ・ヘットニュースブラッド女子。昨年の手術から復帰したマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が現世界王者ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)を退け、初出場で初制覇を達成した。
オーストラリアで開幕した2024年シーズンは中東を経て、欧州が舞台のクラシックシーズンにたどり着く。その初戦はUCIウィメンズワールドツアーとしては第4戦となるオンループ・ヘットニュースブラッド。ベルギー・フランドル地方を巡る距離127.1kmのコースは、「ミュール・カペルミュール」や「ボスベルグ」を含む8つの石畳区間が設定されたタフなレイアウトだ。
男子レースがスタートしてから2時間半後、同じ出発地点ヘントに集ったのは大会連覇を目指すロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)たち。現世界王者のコペッキーがチームメイトにデミ・フォレリングとロレーナ・ウィーベス(共にオランダ)という強力な仲間で臨んだレースは、3名による逃げで幕を開けた。
23歳のブラジル王者アナ・ヴィトーリア・マガリャンイス(ブラジル、ビーピンク・ボンジョアンニ)を含む先頭集団に対し、マーイケ・コルエ(オランダ、アルケアB&Bホテルズ)ら2名が合流。ベテランと若手が上手く協調体制を作った逃げは、メイン集団に対し最大7分半の差をつけながら距離を消化していった。
そして石畳区間が本格化する頃にその差は3分まで縮まり、プロトンからはイタリア王者のエリーザ・ロンゴボルギーニ(リドル・トレック)が単独で飛び出す。落車リタイアするキアラ・コンソンニ(イタリア、UAEチームADQ)を尻目に、ロンゴボルギーニは僅か7km(残り27km地点)で逃げ集団に合流。それを猛追するメイン集団は絞り込まれ、その中にはコペッキーやフォレリングのSDワークス勢、そして意外にもこれがオンループ・デビューであるマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)など実力者たちが残った。
ここまで逃げ続けてきて選手たちと、単独で追いついたとはいえ脚のフレッシュなロンゴボルギーニとのスピード差は歴然で、ロンゴボルギーニはそのまま2度目のアタック。逃げ集団を置き去りにし、イタリア人初勝利を目指して単独走に持ち込んだ。
しかしロンゴボルギーニが最大勾配20%の激坂ミュール・カペルミュール(残り17km地点)に入る頃に、カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)が牽引する追走集団との差は10秒まで縮小。そしてカペルミュールの激坂区間でコペッキーが踏み込み、追従したフォスと共にロンゴボルギーニに合流する。そこにシリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック)も加わり、最後の石畳区間ボスベルグを前に4名がレースの先頭に立った。
スプリント力で優るフォスに対し、コペッキーはボスベルグで仕掛けたものの、引き離すことはできない。牽制に入った2人にファンアンローイとロンゴボルギーニがジョイン。ファンアンローイのアタックはフォスが、ロンゴボルギーニの仕掛けはコペッキーが潰し、4名のままフィニッシュ地点の待つニノーヴェに到着。その後フォスやコペッキーも加わったアタック合戦が繰り広げられたものの、それぞれが決め手に欠いた。
ファンアンローイを先頭にフラムルージュ(残り1km)を通過し、全員がスプリントに向けた牽制に入る。そしてフィニッシュ手前200mでフォスがスプリントを開始。諦めるファンアンローイに対しコペッキーとロンゴボルギーニが懸命に踏み込んだものの、フォスには並ぶことすらできない。そして、そのままフォスがオンループ勝者に輝いた。
「この勝利が意味するものは大きい。オムロープ・ヘットニュースブラットのデビュー戦という事実は、この優勝を更に美しくしてくれる。とてもタフなレースとなり、皆がコペッキーの強さを知っていた。彼女がカペルミュールとボスベルグで仕掛けることは明白で、だから全力で食らいついた。最後は幸運にもスプリントする脚が残っていた」とフォス。
これまで世界選手権3度の制覇をはじめ、数多の勝利により「グレイテストオブオールタイム」と呼ばれた36歳のフォス。しかし昨年8月に大腿動脈の手術を行い、そこから長いリハビリの末にクラシック初戦での復活勝利を掴み取った。また同日開催の男子ではヤン・トラトニク(スロベニア)が優勝したため、ヴィスマ・リースアバイクは男女共に制している。
2位にはコペッキーが入り、3位にはロンゴボルギーニ。激戦にふさわしくアルカンシエルとイタリア王者ジャージの真ん中で、フォスが表彰台の頂上に立った。
オーストラリアで開幕した2024年シーズンは中東を経て、欧州が舞台のクラシックシーズンにたどり着く。その初戦はUCIウィメンズワールドツアーとしては第4戦となるオンループ・ヘットニュースブラッド。ベルギー・フランドル地方を巡る距離127.1kmのコースは、「ミュール・カペルミュール」や「ボスベルグ」を含む8つの石畳区間が設定されたタフなレイアウトだ。
男子レースがスタートしてから2時間半後、同じ出発地点ヘントに集ったのは大会連覇を目指すロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)たち。現世界王者のコペッキーがチームメイトにデミ・フォレリングとロレーナ・ウィーベス(共にオランダ)という強力な仲間で臨んだレースは、3名による逃げで幕を開けた。
23歳のブラジル王者アナ・ヴィトーリア・マガリャンイス(ブラジル、ビーピンク・ボンジョアンニ)を含む先頭集団に対し、マーイケ・コルエ(オランダ、アルケアB&Bホテルズ)ら2名が合流。ベテランと若手が上手く協調体制を作った逃げは、メイン集団に対し最大7分半の差をつけながら距離を消化していった。
そして石畳区間が本格化する頃にその差は3分まで縮まり、プロトンからはイタリア王者のエリーザ・ロンゴボルギーニ(リドル・トレック)が単独で飛び出す。落車リタイアするキアラ・コンソンニ(イタリア、UAEチームADQ)を尻目に、ロンゴボルギーニは僅か7km(残り27km地点)で逃げ集団に合流。それを猛追するメイン集団は絞り込まれ、その中にはコペッキーやフォレリングのSDワークス勢、そして意外にもこれがオンループ・デビューであるマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)など実力者たちが残った。
ここまで逃げ続けてきて選手たちと、単独で追いついたとはいえ脚のフレッシュなロンゴボルギーニとのスピード差は歴然で、ロンゴボルギーニはそのまま2度目のアタック。逃げ集団を置き去りにし、イタリア人初勝利を目指して単独走に持ち込んだ。
しかしロンゴボルギーニが最大勾配20%の激坂ミュール・カペルミュール(残り17km地点)に入る頃に、カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)が牽引する追走集団との差は10秒まで縮小。そしてカペルミュールの激坂区間でコペッキーが踏み込み、追従したフォスと共にロンゴボルギーニに合流する。そこにシリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック)も加わり、最後の石畳区間ボスベルグを前に4名がレースの先頭に立った。
スプリント力で優るフォスに対し、コペッキーはボスベルグで仕掛けたものの、引き離すことはできない。牽制に入った2人にファンアンローイとロンゴボルギーニがジョイン。ファンアンローイのアタックはフォスが、ロンゴボルギーニの仕掛けはコペッキーが潰し、4名のままフィニッシュ地点の待つニノーヴェに到着。その後フォスやコペッキーも加わったアタック合戦が繰り広げられたものの、それぞれが決め手に欠いた。
ファンアンローイを先頭にフラムルージュ(残り1km)を通過し、全員がスプリントに向けた牽制に入る。そしてフィニッシュ手前200mでフォスがスプリントを開始。諦めるファンアンローイに対しコペッキーとロンゴボルギーニが懸命に踏み込んだものの、フォスには並ぶことすらできない。そして、そのままフォスがオンループ勝者に輝いた。
「この勝利が意味するものは大きい。オムロープ・ヘットニュースブラットのデビュー戦という事実は、この優勝を更に美しくしてくれる。とてもタフなレースとなり、皆がコペッキーの強さを知っていた。彼女がカペルミュールとボスベルグで仕掛けることは明白で、だから全力で食らいついた。最後は幸運にもスプリントする脚が残っていた」とフォス。
これまで世界選手権3度の制覇をはじめ、数多の勝利により「グレイテストオブオールタイム」と呼ばれた36歳のフォス。しかし昨年8月に大腿動脈の手術を行い、そこから長いリハビリの末にクラシック初戦での復活勝利を掴み取った。また同日開催の男子ではヤン・トラトニク(スロベニア)が優勝したため、ヴィスマ・リースアバイクは男女共に制している。
2位にはコペッキーが入り、3位にはロンゴボルギーニ。激戦にふさわしくアルカンシエルとイタリア王者ジャージの真ん中で、フォスが表彰台の頂上に立った。
オンループ・ヘットニュースブラッド女子2024結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
2位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | |
3位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | |
4位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック) | |
5位 | タリタ・デヨンフ(オランダ、ロット・デスティニー) | |
6位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
7位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
8位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
9位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
10位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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