2024/02/20(火) - 09:00
UCIワールドツアー第3戦であるUAEツアーが開幕。大規模落車が発生した初日スプリントでティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がヤコブセンら豪華スプリンターを退け、2年連続で初日勝者に輝いた。
潤沢な資金により近年スポーツ産業の盛り上がりが著しい中東の国、アラブ首長国連邦。昨年のUCIチームラインキングで初の首位を獲ったUAEチームエミレーツをスポンサードする国で、2月19日(月)、UCIワールドツアー第3戦となるUAEツアーが開幕した。
全7ステージで行われるコースの内訳は平坦ステージが4、山岳ステージが2、そして個人タイムトライアルが1。そのためファビオ・ヤコブセン(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)、オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)などトップスプリンターが揃い踏み。一方、タデイ・ポガチャル(スロベニア)が2年連続で不出場を選んだUAEは、アダム・イェーツ(イギリス)と好調ブランドン・マクナルティ(アメリカ)が総合エースを担う。
大会初日はマディナット・ザイードから砂漠地帯を真南に進み巨大なオアシス、リワにフィニッシュする141km。コース後半には急勾配が登場するもののスプリンターを退けるほどではなく、残り1km地点からはフィニッシュまで最終ストレートが伸びる。ツアー・コロンビアで既に今季1勝を挙げているマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)も出場するレースは、コラテック・ヴィーニファンティーニの2名が逃げを打った。
電灯や鉄塔、そしてラクダ以外は砂漠という壮観な景色のなか、コラテックのマーク・スチュワート(イギリス)とマルコ・ムルガーノ(イタリア)は最大3分半のタイム差で逃げ続ける。一方、常に横風による集団分の警戒をするメイン集団はヴィスマやボーラ・ハンスグローエ、アルペシン・ドゥクーニンクなどピュアスプリンターを擁するチームが先導した。
順調に距離を消化していく逃げ集団からは、残り23km地点でムルガーノが脱落する。単独となったスチュワートがこの日2つ目の中間スプリントも先頭通過してボーナスタイムを加算(合計-6秒)。ムルガーノを捉える直前のプロトンでは、3位通過で与えられる-1秒を総合優勝を目指すペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が獲得した。
直後にスチュワートを吸収したプロトンはリワに突入し、スプリントに向けボーラやヴィスマ、アルペシン・ドゥクーニンクが先頭でトレインを並べる。各チームの隊列から選手が一人また一人と役割を終え下がっていくなか、バーレーン・ヴィクトリアスを先頭に最終ストレート手前のラウンドアバウトをクリア。コース左側で今季好調のサム・ウェルスフォード(オーストラリア)を擁するボーラの隊列が崩れるなか、空いた右側からフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がスプリントを開始した。
残り300mで一気に先頭に出たモラノの背後にはフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)がつき、更にその後ろにアシストを見失い単騎となったティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が飛び乗る。スピードが伸び悩むモラノをガビリアが抜き、集団中盤では大規模落車は発生するなか、その2人を遥かに上回るスピードを披露したメルリールが先頭へ。
反対側からアーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング)やヤコブ・マレツコ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ)が迫ったものの、メルリールはフィニッシュラインを先頭で通過。ヤコブセンやフルーネウェーヘンが本来の力を発揮できない混戦のスプリントを制した。
「リードアウトを見失うカオスなスプリントとなった。だから残り500mから誰の背後につくかを自分で判断しなければならず、それが最善の選択となった。自分の脚に自信があったので、彼ら(モラノとガビリア)を追い抜くことができると思っていた」と、昨年大会に続き2年連続でUAEツアーの初日勝者に輝いたメルリールは語った。
一方、フィニッシュ手前200m地点で発生した落車には約20名が巻き込まれ、特にコフィディスの選手がフェンスに激突。救急車で搬送されたと報じられており、コフィディスはレース後具体的な選手名を伏せたまま「詳細がわかり次第報告する」と伝えている。
潤沢な資金により近年スポーツ産業の盛り上がりが著しい中東の国、アラブ首長国連邦。昨年のUCIチームラインキングで初の首位を獲ったUAEチームエミレーツをスポンサードする国で、2月19日(月)、UCIワールドツアー第3戦となるUAEツアーが開幕した。
全7ステージで行われるコースの内訳は平坦ステージが4、山岳ステージが2、そして個人タイムトライアルが1。そのためファビオ・ヤコブセン(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)、オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)などトップスプリンターが揃い踏み。一方、タデイ・ポガチャル(スロベニア)が2年連続で不出場を選んだUAEは、アダム・イェーツ(イギリス)と好調ブランドン・マクナルティ(アメリカ)が総合エースを担う。
大会初日はマディナット・ザイードから砂漠地帯を真南に進み巨大なオアシス、リワにフィニッシュする141km。コース後半には急勾配が登場するもののスプリンターを退けるほどではなく、残り1km地点からはフィニッシュまで最終ストレートが伸びる。ツアー・コロンビアで既に今季1勝を挙げているマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)も出場するレースは、コラテック・ヴィーニファンティーニの2名が逃げを打った。
電灯や鉄塔、そしてラクダ以外は砂漠という壮観な景色のなか、コラテックのマーク・スチュワート(イギリス)とマルコ・ムルガーノ(イタリア)は最大3分半のタイム差で逃げ続ける。一方、常に横風による集団分の警戒をするメイン集団はヴィスマやボーラ・ハンスグローエ、アルペシン・ドゥクーニンクなどピュアスプリンターを擁するチームが先導した。
順調に距離を消化していく逃げ集団からは、残り23km地点でムルガーノが脱落する。単独となったスチュワートがこの日2つ目の中間スプリントも先頭通過してボーナスタイムを加算(合計-6秒)。ムルガーノを捉える直前のプロトンでは、3位通過で与えられる-1秒を総合優勝を目指すペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が獲得した。
直後にスチュワートを吸収したプロトンはリワに突入し、スプリントに向けボーラやヴィスマ、アルペシン・ドゥクーニンクが先頭でトレインを並べる。各チームの隊列から選手が一人また一人と役割を終え下がっていくなか、バーレーン・ヴィクトリアスを先頭に最終ストレート手前のラウンドアバウトをクリア。コース左側で今季好調のサム・ウェルスフォード(オーストラリア)を擁するボーラの隊列が崩れるなか、空いた右側からフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がスプリントを開始した。
残り300mで一気に先頭に出たモラノの背後にはフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)がつき、更にその後ろにアシストを見失い単騎となったティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が飛び乗る。スピードが伸び悩むモラノをガビリアが抜き、集団中盤では大規模落車は発生するなか、その2人を遥かに上回るスピードを披露したメルリールが先頭へ。
反対側からアーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング)やヤコブ・マレツコ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ)が迫ったものの、メルリールはフィニッシュラインを先頭で通過。ヤコブセンやフルーネウェーヘンが本来の力を発揮できない混戦のスプリントを制した。
「リードアウトを見失うカオスなスプリントとなった。だから残り500mから誰の背後につくかを自分で判断しなければならず、それが最善の選択となった。自分の脚に自信があったので、彼ら(モラノとガビリア)を追い抜くことができると思っていた」と、昨年大会に続き2年連続でUAEツアーの初日勝者に輝いたメルリールは語った。
一方、フィニッシュ手前200m地点で発生した落車には約20名が巻き込まれ、特にコフィディスの選手がフェンスに激突。救急車で搬送されたと報じられており、コフィディスはレース後具体的な選手名を伏せたまま「詳細がわかり次第報告する」と伝えている。
UAEツアー2024第1ステージ結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:09:55 |
2位 | アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング) | |
3位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ) | |
4位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
5位 | サム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター) | |
7位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、リドル・トレック) | |
9位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ヤルネ・ファンデパール(ベルギー、ロット・デスティニー) |
個人総合成績
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:09:45 |
2位 | アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング) | +0:04 |
3位 | マーク・スチュワート(イギリス、コラテック・ヴィーニファンティーニ) | |
4位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ) | +0:06 |
5位 | マルコ・ムルガーノ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ) | |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:09 |
7位 | ルー・ファンベレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
8位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +0:10 |
9位 | サム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
ヤングライダー賞 | ルー・ファンベレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) |
チーム総合成績 | DSMフィルメニッヒ・ポストNL |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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