2024/01/29(月) - 09:15
オーストラリアでのシーズン開幕レースを締めくくるカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレースが1月30日に開催された。リドル・トレックが有利に進めたレースはピュアスプリンター不在のスプリントに持ち込まれ、テスファツィオンとのハンドル投げをローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ)が制した。
今年もオーストラリアで始まったワールドツアーの開幕レースは、ツアー・ダウンアンダーの舞台アデレードと主要都市シドニーの間にあるジーロングで幕を閉じる。2011年ツール・ド・フランスでオーストラリア人初の総合優勝に輝いたカデル・エヴァンスを称え、2015年よりスタートしたカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース。コースは序盤から平坦路を進み、勝負所となるチャランブラクレセント(距離1.3km/平均7.2%/最大22%)を含む16.8kmコースを4周する。
UCIワールドツアーではあるもののワールドチームの出場は強制ではないため、スタート地点に並んだのは10のワールドチーム。そこにプロチームであるイスラエル・プレミアテックと地元コンチネンタルチームを加えた計13チーム、総勢88名の選手たちが発着地点であるジーロングを出発した。
スタート直後から飛び出したのは、地元チームであるARA・スキップキャピタルと同じく地元チーム・ブリッジレーンの計3名。遅れてザック・マリッジ(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン)が合流したため、先頭は18〜20歳の若手オーストラリア人選手4名が立つ。それをブレイク前夜のコービン・ストロング(ニュージーランド)を擁するイスラエルやアルケアB&Bホテルズが、メイン集団を先導して追いかけた。
一時は5分差を得た逃げグループだったが、16.8kmの周回コースが近づくにつれそのタイム差は減少していく。そして最初のチャランブラクレセント手前で、ブリッジレーンのマリッジとオーストラリアU23タイムトライアル王者のジャクソン・メドウェイが飛び出した。
しばらくリードを保った先頭の2名だったが、イネオス・グレナディアーズやアスタナ・カザクスタンが追走に本腰を入れたため残り26kmで逃げは吸収。その直後にリドル・トレックからフアン・ロペス(スペイン)とバウケ・モレマ(オランダ)が続けざまにアタックしたものの、いずれもクリス・ハーパー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が抑え込み、その後も決め手の欠くアタックが繰り返された。
最終周回に入ったプロトンはDSMフィルメニッヒ・ポストNLが先導すると落ち着きを取り戻し、そのまま最後のチャランブラクレセント(距離1.3km/平均7.2%/最大22%)へ。イスラエル・プレミアテックによるハイスピード牽引で人数が絞られた集団から、オーストラリア王者ルーク・プラップ(ジェイコ・アルウラー)を含む20名程度の先頭グループが形成された。
スプリントに長けたストロングがアシストを残すなか、単騎で集団スプリントを嫌うプラップやクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)がアタックする。不発に終わったプラップに対しシモンズはリードを作り出したものの、残り1kmで捉えられ、勝負はクライマーやパンチャーによるスプリントに持ち込まれた。
モレマの虚を突くロングスプリントは決まらず、集団内で脚を溜めていたチームメイトのナトナエル・テスファツィオン(エリトリア)が持ち前のスピードを活かして先頭へ。ストロングやゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)のスピードもテスファツィオンには届かないなか、その背後から飛び出したローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ)がハンドルを投げを制した。
写真判定に持ち込まれる接戦を制したピシー。「残り1kmから集団に埋もれてしまった。だけど我慢が勝負の鍵であると今朝のミーティングで言われていたんだ。そして最後のスプリントはフルガスで行くだけだった。途中でアンテルマルシェの選手(ツィマーマン)が迫ってきたが、なんとか持ちこたえることができたよ」と、ワールドツアー初勝利を飾ったピシーは喜んだ。
ピシーは選手育成に定評のあるグルパマの下部チーム出身の21歳。プロデビューした昨年フランスのワンデーレースで初勝利を挙げ、ダウンアンダーでもトップ5に3度入る好調ぶりを見せていた。
今後のワールドツアーは、中東のアラブ首長国連邦で行われるUAEツアー(2月19~25日)を経て、オムロープ・ヘットニュースブラット(2月24日)からクラシックシーズンが幕を開ける。
今年もオーストラリアで始まったワールドツアーの開幕レースは、ツアー・ダウンアンダーの舞台アデレードと主要都市シドニーの間にあるジーロングで幕を閉じる。2011年ツール・ド・フランスでオーストラリア人初の総合優勝に輝いたカデル・エヴァンスを称え、2015年よりスタートしたカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース。コースは序盤から平坦路を進み、勝負所となるチャランブラクレセント(距離1.3km/平均7.2%/最大22%)を含む16.8kmコースを4周する。
UCIワールドツアーではあるもののワールドチームの出場は強制ではないため、スタート地点に並んだのは10のワールドチーム。そこにプロチームであるイスラエル・プレミアテックと地元コンチネンタルチームを加えた計13チーム、総勢88名の選手たちが発着地点であるジーロングを出発した。
スタート直後から飛び出したのは、地元チームであるARA・スキップキャピタルと同じく地元チーム・ブリッジレーンの計3名。遅れてザック・マリッジ(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン)が合流したため、先頭は18〜20歳の若手オーストラリア人選手4名が立つ。それをブレイク前夜のコービン・ストロング(ニュージーランド)を擁するイスラエルやアルケアB&Bホテルズが、メイン集団を先導して追いかけた。
一時は5分差を得た逃げグループだったが、16.8kmの周回コースが近づくにつれそのタイム差は減少していく。そして最初のチャランブラクレセント手前で、ブリッジレーンのマリッジとオーストラリアU23タイムトライアル王者のジャクソン・メドウェイが飛び出した。
しばらくリードを保った先頭の2名だったが、イネオス・グレナディアーズやアスタナ・カザクスタンが追走に本腰を入れたため残り26kmで逃げは吸収。その直後にリドル・トレックからフアン・ロペス(スペイン)とバウケ・モレマ(オランダ)が続けざまにアタックしたものの、いずれもクリス・ハーパー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が抑え込み、その後も決め手の欠くアタックが繰り返された。
最終周回に入ったプロトンはDSMフィルメニッヒ・ポストNLが先導すると落ち着きを取り戻し、そのまま最後のチャランブラクレセント(距離1.3km/平均7.2%/最大22%)へ。イスラエル・プレミアテックによるハイスピード牽引で人数が絞られた集団から、オーストラリア王者ルーク・プラップ(ジェイコ・アルウラー)を含む20名程度の先頭グループが形成された。
スプリントに長けたストロングがアシストを残すなか、単騎で集団スプリントを嫌うプラップやクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)がアタックする。不発に終わったプラップに対しシモンズはリードを作り出したものの、残り1kmで捉えられ、勝負はクライマーやパンチャーによるスプリントに持ち込まれた。
モレマの虚を突くロングスプリントは決まらず、集団内で脚を溜めていたチームメイトのナトナエル・テスファツィオン(エリトリア)が持ち前のスピードを活かして先頭へ。ストロングやゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)のスピードもテスファツィオンには届かないなか、その背後から飛び出したローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ)がハンドルを投げを制した。
写真判定に持ち込まれる接戦を制したピシー。「残り1kmから集団に埋もれてしまった。だけど我慢が勝負の鍵であると今朝のミーティングで言われていたんだ。そして最後のスプリントはフルガスで行くだけだった。途中でアンテルマルシェの選手(ツィマーマン)が迫ってきたが、なんとか持ちこたえることができたよ」と、ワールドツアー初勝利を飾ったピシーは喜んだ。
ピシーは選手育成に定評のあるグルパマの下部チーム出身の21歳。プロデビューした昨年フランスのワンデーレースで初勝利を挙げ、ダウンアンダーでもトップ5に3度入る好調ぶりを見せていた。
今後のワールドツアーは、中東のアラブ首長国連邦で行われるUAEツアー(2月19~25日)を経て、オムロープ・ヘットニュースブラット(2月24日)からクラシックシーズンが幕を開ける。
カデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース2024結果
1位 | ローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ) | 4:17:40 |
2位 | ナトナエル・テスファツィオン(エリトリア、リドル・トレック) | |
3位 | ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
4位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
5位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | アクセル・マリオー(フランス、コフィディス) | |
7位 | クリス・ハミルトン(オーストラリア、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
8位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン) | |
9位 | ヨナス・ルッチ(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
10位 | ルイ・バレ(フランス、アルケアB&Bホテルズ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp