2024/01/22(月) - 09:30
サントス・ツアー・ダウンアンダーは最終第6ステージを迎え、昨年初登場のマウント・ロフティが舞台となった。レースは4名の小集団スプリントに持ち込まれ、スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック)が区間勝利と総合優勝を掴んだ。
全6日間に及んだ2024年シーズンの開幕戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーも最終日。第24回大会を締めくくるのはアンレーを出発してマウント・ロフティを駆け上がる128.2kmで、勝負所は合計3度登坂するマウント・ロフティ(距離1.3km/平均7.3%/最大13.3%)だ。
スタート地点の最前列に並ぶのは、前日2位で総合リーダージャージを着るスティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック)。前日勝者のオスカー・オンリー(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)は同タイムで総合2位、そして総合3位のジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)も5秒差と僅差のなか131名の選手たちが走り出した。
直後に設定された1級山岳を先頭通過したのは、サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)の逆転総合優勝のため厳しい展開に持ち込みたいクリス・ハーパー(オーストラリア)。そしてルーク・バーンズ(オーストラリアナショナルチーム)が2位通過したため、大会2日目から着用する山岳賞ジャージの獲得に成功した。
その後集団を飛び出したのは、第3ステージでも逃げたステファン・デボッド(南アフリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)ら7名。その逃げ集団には今年限りで現役を退くシモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)も入り、メイン集団に対して3〜4分のタイム差をつける。その後逃げとプロトンは大きな争いもなく1度目、そして2度目のマウント・ロフティの頂上を通過した。
ナルバエスの逆転総合優勝を狙うイネオス・グレナディアーズがプロトンのペースを上げ、逃げとのタイム差を30秒まで縮める。しかしメイン集団では最後のマウント・ロフティ手前の残り7km地点で約12名の大規模落車が発生。そこにはアレッサンドロ・コーヴィやディエゴ・ウリッシ(共にイタリア)など、総合4位につけるイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)の重要なアシストたちが巻き込まれた。
フィニッシュに向けスピードを上げるプロトンに次々と逃げのメンバーが飲み込まれていくなか、19歳でネオプロ(プロ1年目)のアントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)は最後まで抗う。しかしEFエデュケーション・イージーポストから再びイネオスが先導する集団がこれを捉え、区間優勝と総合優勝の決まる3度目のマウント・ロフティ(距離1.3km/平均7.3%/最大13.3%)に突入した。
前日のウィランガヒルでもハイスピードの牽引を見せたハーパーが、この日も高速ペースで集団の人数を絞る。そして最大勾配区間を前に、第2ステージ勝者で20歳のデルトロが仕掛けた。
この鋭いアタックにナルバエスとローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ)が食らいつき、一度離されたウィリアムズやバルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)も遅れて合流。コンディションの上がりきらないジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)やサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)らが脱落した勝負は先頭の5名に絞られ、マウント・ロフティ頂上を通過後の平坦区間でピシーが飛び出して単独先頭に立った。
しかし軽快なダンシングを見せるデルトロを先頭とする4名がピシーをキャッチ。そしてフィニッシュまで続く緩やかな下りでウィリアムズが仕掛け、この踏み込みにデルトロは反応できず、懸命に脚を回すナルバエスも届かない。そのため終始周りの動きを伺う冷静な走りに徹したウィリアムズが、大会最終日の勝利と共に総合優勝を決めた。
ウィリアムズは2019年にバーレーン・メリダでプロデビューした27歳。「今日のフィニッシュは僕に適した完璧なレイアウトだった。僕は登りで前の選手に食らいつくことを得意とし、幸運にも最後に自分から仕掛けることができた。展開を読み、そして皆の脚が止まる残り250mから踏み込んだんだ。これは僕だけではなくチームで掴み取った結果。今シーズンの最高のスタートとなったよ」と自身初となるワールドツアーでの総合優勝を、ウィリアムズはそう喜んだ。
総合2位にはナルバエスが入り、オンリーが遅れて大きく総合順位を下げたため、ヤングライダー賞に輝いたデルトロが総合3位で表彰台に上がっている。
全6日間に及んだ2024年シーズンの開幕戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーも最終日。第24回大会を締めくくるのはアンレーを出発してマウント・ロフティを駆け上がる128.2kmで、勝負所は合計3度登坂するマウント・ロフティ(距離1.3km/平均7.3%/最大13.3%)だ。
スタート地点の最前列に並ぶのは、前日2位で総合リーダージャージを着るスティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック)。前日勝者のオスカー・オンリー(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)は同タイムで総合2位、そして総合3位のジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)も5秒差と僅差のなか131名の選手たちが走り出した。
直後に設定された1級山岳を先頭通過したのは、サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)の逆転総合優勝のため厳しい展開に持ち込みたいクリス・ハーパー(オーストラリア)。そしてルーク・バーンズ(オーストラリアナショナルチーム)が2位通過したため、大会2日目から着用する山岳賞ジャージの獲得に成功した。
その後集団を飛び出したのは、第3ステージでも逃げたステファン・デボッド(南アフリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)ら7名。その逃げ集団には今年限りで現役を退くシモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)も入り、メイン集団に対して3〜4分のタイム差をつける。その後逃げとプロトンは大きな争いもなく1度目、そして2度目のマウント・ロフティの頂上を通過した。
ナルバエスの逆転総合優勝を狙うイネオス・グレナディアーズがプロトンのペースを上げ、逃げとのタイム差を30秒まで縮める。しかしメイン集団では最後のマウント・ロフティ手前の残り7km地点で約12名の大規模落車が発生。そこにはアレッサンドロ・コーヴィやディエゴ・ウリッシ(共にイタリア)など、総合4位につけるイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)の重要なアシストたちが巻き込まれた。
フィニッシュに向けスピードを上げるプロトンに次々と逃げのメンバーが飲み込まれていくなか、19歳でネオプロ(プロ1年目)のアントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)は最後まで抗う。しかしEFエデュケーション・イージーポストから再びイネオスが先導する集団がこれを捉え、区間優勝と総合優勝の決まる3度目のマウント・ロフティ(距離1.3km/平均7.3%/最大13.3%)に突入した。
前日のウィランガヒルでもハイスピードの牽引を見せたハーパーが、この日も高速ペースで集団の人数を絞る。そして最大勾配区間を前に、第2ステージ勝者で20歳のデルトロが仕掛けた。
この鋭いアタックにナルバエスとローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ)が食らいつき、一度離されたウィリアムズやバルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)も遅れて合流。コンディションの上がりきらないジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)やサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)らが脱落した勝負は先頭の5名に絞られ、マウント・ロフティ頂上を通過後の平坦区間でピシーが飛び出して単独先頭に立った。
しかし軽快なダンシングを見せるデルトロを先頭とする4名がピシーをキャッチ。そしてフィニッシュまで続く緩やかな下りでウィリアムズが仕掛け、この踏み込みにデルトロは反応できず、懸命に脚を回すナルバエスも届かない。そのため終始周りの動きを伺う冷静な走りに徹したウィリアムズが、大会最終日の勝利と共に総合優勝を決めた。
ウィリアムズは2019年にバーレーン・メリダでプロデビューした27歳。「今日のフィニッシュは僕に適した完璧なレイアウトだった。僕は登りで前の選手に食らいつくことを得意とし、幸運にも最後に自分から仕掛けることができた。展開を読み、そして皆の脚が止まる残り250mから踏み込んだんだ。これは僕だけではなくチームで掴み取った結果。今シーズンの最高のスタートとなったよ」と自身初となるワールドツアーでの総合優勝を、ウィリアムズはそう喜んだ。
総合2位にはナルバエスが入り、オンリーが遅れて大きく総合順位を下げたため、ヤングライダー賞に輝いたデルトロが総合3位で表彰台に上がっている。
サントス・ツアー・ダウンアンダー2024第6ステージ
1位 | スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | 3:05:26 |
2位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
5位 | ローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ) | +0:03 |
6位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) | +0:10 |
7位 | ダミアン・ホーゾン(オーストラリアナショナルチーム) | |
8位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザフスタン) | |
9位 | バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック) | |
10位 | ラルス・ボーフェン(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) |
個人総合成績
1位 | スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | 19:13:34 |
2位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | +0:09 |
3位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) | +0:11 |
4位 | オスカー・オンリー(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +0:20 |
5位 | バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:23 |
6位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) | +0:33 |
7位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー) | |
8位 | ヴァランタン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:36 |
9位 | ダミアン・ホーゾン(オーストラリアナショナルチーム) | +0:42 |
10位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:50 |
その他の特別賞
ポイント賞 | サム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) |
山岳賞 | ルーク・バーンズ(オーストラリアナショナルチーム) |
ヤングライダー賞 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | デカトロンAG2Rラモンディアル |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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