「プランを皆で完璧に遂行できた」とアルベルト・ダイネーゼはチームメイトへの感謝を述べた。惜しくも敗れたガンナや落車に巻き込まれたグローブスなど、ブエルタ第19ステージのスプリントを選手のコメントで振り返ります。



区間優勝 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、DSM・フィルメニッヒ)

第3週目にして勝利を掴んだアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、DSM・フィルメニッヒ) photo:CorVos

チームとして素晴らしい走りができた。皆で第2週目までのスプリントを反省し、改善に努めた。そして今日はプランを完璧に遂行することができた。落車でチームメイトを失う不運もあったが、そこまでは理想的な位置につけることができた。

最後は向かい風になることは分かっており、だからガンナや他の選手たちがスプリントを開始しても行かず、絶好のタイミングを伺った。この厳しいブエルタでようやく勝利を掴むことができて、本当に嬉しいよ。

シーズンを良いものにしたく、良い形で(退団する)DSMでのアドベンチャーを終えたかった。それらのこともあり、この勝利は特別な気持ちがする。今日が勝利できる実質最後の機会だと思っていたのでプレッシャーを感じていた。だからこそチームに感謝を伝えたい。

区間2位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)

ガンナに並ぶアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、DSM・フィルメニッヒ) photo:CorVos

チームメイトの走りが素晴らしかった。すぐに集団の先頭に出て、僕らは完璧な走りを見せた。だが不運にも僕はスプリンターではなかった!

キム(ハイドゥク)に「少し早めにリードアウトしてくれ」と頼み、自分の強みを活かすことのできる残り300mから踏み始めた。だがスピードを維持することができず、またあと少しのところで負けてしまった。どれだけの差だったのかは分からないが、僅かだろう。

落車に巻き込まれたポイント賞ジャージを着るカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)

悔しさを表しながらフィニッシュしたカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

僕は大丈夫。幸運にもバイクから離れ、地面に倒れ込むことはなかった。だから不自然な落車だった。原因はホイールやハンドルバーの接触だろう。最悪なタイミングでの落車だったが、僕自身怪我をすることは避けられた。中間スプリントでポイントを加算することはできたが、スプリントに加われず残念。トレインを先頭に並べられない時にこういうリスクは付きものだよ。

山岳賞 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

壁画と化したエヴェネプール photo:CorVos

横風によって集団が縦長になる瞬間もあったが、結局のところ昨日の疲れの回復に充てることができた。明日、勝利を狙いに行けるかどうかは序盤の展開次第。だが今日は脚の疲れを感じたから、どうだろうね。今夜の回復具合を見てみよう。また、良いことはもう山岳ポイントの心配をしなくてよいこと。だから明日は狙うのであればステージ優勝に集中することができる。

マイヨロホ セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)

リラックスした表情でログリッチと会話するセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

いつもであれば、今日のようなステージは集団の後ろでフィニッシュすればいい。だが、今日はチームメイトに囲まれながら集団前方に位置していた。横風も吹き付けるシーンもあったが、脚に良い刺激になった。だからとても簡単なステージとは言えない。

僕には強いチームがいるので、明日も自信を持って臨むことができる。もちろん皆が全力で勝利を狙うステージとなるだろう。

終盤に集団を牽引したゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

プロトン先頭にはイネオス・グレナディアーズが選手を集めた photo:Unipublic

とにかく突っ込んでいった。カストロビエホが本当に強力な牽引を見せ、僕もできるだけ長く先頭を牽こうと粘った。これまでのステージと比べると楽なレースだったが、みんな疲れて見えた。先に仕掛けるのは簡単で、待つことの方が難しい。僕らは早く行き過ぎてしまったが、良いリードアウトを見せることができた。残念なながらピッポ(ガンナ)の勝利には至らなかったが、彼というよりも僕らのせいだろう。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Unipublic

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