2023/09/03(日) - 08:15
最大勾配22%の1級山岳が登場したブエルタ第5ステージで、エヴェネプールをスプリントで退けたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が勝利。マルティネスが遅れたためセップ・クスがマイヨロホに袖を通した。
9月2日(土)第8ステージ
デニア〜ショレト・デ・カティ 165km(山岳)
第78回ブエルタ・ア・エスパーニャの3つ目となる山岳ステージは、5つのカテゴリー山岳をこなすタフなレイアウトとなった。コースは地中海に面したデニアから西のショレト・デ・カティを目指す165kmで、2級、3級、2級、2級山岳を越えてラストは最大勾配22%の激坂「1級山岳キソレ・デ・カティ(距離3.9km/平均11.4%)」を登坂。フィニッシュ地点はそこから下った先にある。
獲得標高差3,614mのレースで逃げを打ったのは”逃げ職人”ことトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)を含む13名。そこに最初の2級山岳手前でルネ・ヘレホーツ(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が加わり、更にロマン・バルデ(フランス、DSM・フィルメニッヒ)やダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)ら第2集団がジョイン。そのため3級山岳(残り115.6km地点)を前に、30名の大規模な逃げグループが形成された。
バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)やルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)など強豪選手の入った逃げに対し、メイン集団はリーダーチームであるグルパマFDJが牽引を担当。そこにユンボ・ヴィスマはロベルト・ヘーシンク(オランダ)を先導役に送り、プロトンに対してステージ優勝を狙っていることを暗に表明した。
途中デヘントが飛び出して単独先頭に立つシーンもありながら、レース先頭は分裂と吸収を繰り返す。その結果、逃げは20名まで絞られ、2級山岳(残り54.8km地点)でスペイン王者のオイエル・ラスカノ(モビスター)やカルーゾ、コスタ、アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)ら4名が先頭に立った。
それを約3分差で追うプロトンではオランダ王者ディラン・ファンバーレ(ユンボ・ヴィスマ)も牽引に加わり、逃げから遅れた選手たちを次々に捉えていく。そして逃げの4名から33秒遅れで、メイン集団が1級山岳キソレ・デ・カティ(距離3.9km/平均11.4%)に突入した。
最大勾配22%を誇り、今大会「ミニ・アングリル」とも呼ばれるこの登りでヤン・トラトニク(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が先頭でペースを作り、アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)が引き継ぐ。そしてスーダル・クイックステップのマティア・カッタネオ(イタリア)に牽引が移ると、遅れていく選手の中に大会最年少でマイヨロホ着用者となったレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)の姿もあった。
頂上まで残り2kmを切り、カッタネオの牽引終了と共にセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)が加速する。しかしレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)に前を塞がれる形となり、フィニッシュまであと5kmを示すバナーからクスがもう一度スピードを上げた。
単独でクスを追うエヴェネプールに対し、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)とヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)はその背後でマーク。そこにはエンリク・マス(スペイン、モビスター)やUAEチームエミレーツのフアン・アユソとマルク・ソレル(共にスペイン)、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)もつき、今大会の総合優勝を争う選手が顕となった。
最大勾配22%の区間を越え、頂上まで残り1km(フィニッシュまで4.2km)でエヴェネプールがクスを引き戻すことに成功。ユンボやUAEのアタックをハイペースで抑制したエヴェネプールはキソレ・デ・カティの頂上を先頭で通過し、ダウンヒルを経て勝負は先頭8名によるスプリント勝負に持ち込まれた。
フラムルージュ(残り1km)を通過し、連続するコーナーでもエヴェネプールは先頭を譲らない。フィニッシュ手前250mからスプリントを開始したエヴェネプールに、その背後で脚を溜めていたログリッチが最終コーナーで並ぶ。そして最終ストレートに先頭で現れたログリッチが、エヴェネプールとアユソを抑え、先頭でフィニッシュラインを通過した。
区間2勝をマークしながらも落車で棄権した昨年に続き、勝利を飾ったログリッチ。「この勝利によって肩の荷が下りた気持ちだ。(第2ステージの)落車から調子を取り戻すことができて嬉しい。常に最良の結果(ステージ優勝)は狙っており、チームメイトが強力な逃げに対して素晴らしい牽引を見せてくれた。だから僕には(勝利を狙う以外の)選択肢がなかった」と笑顔を見せた。
そしてログリッチの2秒遅れで、ガッツポーズと共にフィニッシュしたクスがマイヨロホを獲得。「展開次第ではマイヨロホを狙えると思っていた。明日はこのジャージを着て走ることができ、さぞ誇りに思うことだろう。明日はできる限り楽しみたい。なぜなら僕にとって何度も訪れることではないのだからね」と、クスはコメントしている。
総合2位にはエヴェネプールのペースに食らいついたソレルが入り、マルティネスは3位へと後退。そして総合6位のエヴェネプール(2分31秒遅れ)に対しログリッチは7秒差、ヴィンゲゴーは11秒差で、翌日の2級山岳カラバカ・デ・ラ・クルス(距離8km/平均5.6%)を駆け上がる山頂フィニッシュに臨む。
9月2日(土)第8ステージ
デニア〜ショレト・デ・カティ 165km(山岳)
第78回ブエルタ・ア・エスパーニャの3つ目となる山岳ステージは、5つのカテゴリー山岳をこなすタフなレイアウトとなった。コースは地中海に面したデニアから西のショレト・デ・カティを目指す165kmで、2級、3級、2級、2級山岳を越えてラストは最大勾配22%の激坂「1級山岳キソレ・デ・カティ(距離3.9km/平均11.4%)」を登坂。フィニッシュ地点はそこから下った先にある。
獲得標高差3,614mのレースで逃げを打ったのは”逃げ職人”ことトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)を含む13名。そこに最初の2級山岳手前でルネ・ヘレホーツ(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が加わり、更にロマン・バルデ(フランス、DSM・フィルメニッヒ)やダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)ら第2集団がジョイン。そのため3級山岳(残り115.6km地点)を前に、30名の大規模な逃げグループが形成された。
バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)やルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)など強豪選手の入った逃げに対し、メイン集団はリーダーチームであるグルパマFDJが牽引を担当。そこにユンボ・ヴィスマはロベルト・ヘーシンク(オランダ)を先導役に送り、プロトンに対してステージ優勝を狙っていることを暗に表明した。
途中デヘントが飛び出して単独先頭に立つシーンもありながら、レース先頭は分裂と吸収を繰り返す。その結果、逃げは20名まで絞られ、2級山岳(残り54.8km地点)でスペイン王者のオイエル・ラスカノ(モビスター)やカルーゾ、コスタ、アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)ら4名が先頭に立った。
それを約3分差で追うプロトンではオランダ王者ディラン・ファンバーレ(ユンボ・ヴィスマ)も牽引に加わり、逃げから遅れた選手たちを次々に捉えていく。そして逃げの4名から33秒遅れで、メイン集団が1級山岳キソレ・デ・カティ(距離3.9km/平均11.4%)に突入した。
最大勾配22%を誇り、今大会「ミニ・アングリル」とも呼ばれるこの登りでヤン・トラトニク(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が先頭でペースを作り、アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)が引き継ぐ。そしてスーダル・クイックステップのマティア・カッタネオ(イタリア)に牽引が移ると、遅れていく選手の中に大会最年少でマイヨロホ着用者となったレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)の姿もあった。
頂上まで残り2kmを切り、カッタネオの牽引終了と共にセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)が加速する。しかしレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)に前を塞がれる形となり、フィニッシュまであと5kmを示すバナーからクスがもう一度スピードを上げた。
単独でクスを追うエヴェネプールに対し、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)とヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)はその背後でマーク。そこにはエンリク・マス(スペイン、モビスター)やUAEチームエミレーツのフアン・アユソとマルク・ソレル(共にスペイン)、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)もつき、今大会の総合優勝を争う選手が顕となった。
最大勾配22%の区間を越え、頂上まで残り1km(フィニッシュまで4.2km)でエヴェネプールがクスを引き戻すことに成功。ユンボやUAEのアタックをハイペースで抑制したエヴェネプールはキソレ・デ・カティの頂上を先頭で通過し、ダウンヒルを経て勝負は先頭8名によるスプリント勝負に持ち込まれた。
フラムルージュ(残り1km)を通過し、連続するコーナーでもエヴェネプールは先頭を譲らない。フィニッシュ手前250mからスプリントを開始したエヴェネプールに、その背後で脚を溜めていたログリッチが最終コーナーで並ぶ。そして最終ストレートに先頭で現れたログリッチが、エヴェネプールとアユソを抑え、先頭でフィニッシュラインを通過した。
区間2勝をマークしながらも落車で棄権した昨年に続き、勝利を飾ったログリッチ。「この勝利によって肩の荷が下りた気持ちだ。(第2ステージの)落車から調子を取り戻すことができて嬉しい。常に最良の結果(ステージ優勝)は狙っており、チームメイトが強力な逃げに対して素晴らしい牽引を見せてくれた。だから僕には(勝利を狙う以外の)選択肢がなかった」と笑顔を見せた。
そしてログリッチの2秒遅れで、ガッツポーズと共にフィニッシュしたクスがマイヨロホを獲得。「展開次第ではマイヨロホを狙えると思っていた。明日はこのジャージを着て走ることができ、さぞ誇りに思うことだろう。明日はできる限り楽しみたい。なぜなら僕にとって何度も訪れることではないのだからね」と、クスはコメントしている。
総合2位にはエヴェネプールのペースに食らいついたソレルが入り、マルティネスは3位へと後退。そして総合6位のエヴェネプール(2分31秒遅れ)に対しログリッチは7秒差、ヴィンゲゴーは11秒差で、翌日の2級山岳カラバカ・デ・ラ・クルス(距離8km/平均5.6%)を駆け上がる山頂フィニッシュに臨む。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2023第8ステージ結果
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 4:13:52 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:02 |
5位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | |
6位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | |
8位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:34 |
10位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:39 |
11位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:41 |
12位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) | +1:00 |
13位 | レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) | +1:10 |
33位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +3:32 |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | 30:51:06 |
2位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +0:43 |
3位 | レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) | +1:00 |
4位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:05 |
5位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:29 |
6位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +2:31 |
7位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +2:38 |
8位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | +2:42 |
9位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | |
10位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +2:52 |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 158pts |
2位 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン) | 66pts |
3位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 62pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 | エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ロット・デスティニー) | 21pts |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 20pts |
3位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 12pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
1位 | レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) | 30:52:06 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +1:31 |
3位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +1:52 |
チーム総合成績
1位 | ユンボ・ヴィスマ | 92:02:50 |
2位 | UAEチームエミレーツ | +1:12 |
3位 | バーレーン・ヴィクトリアス | +2:52 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
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